お知らせ

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これは去る5月10日に、メイクアガールがマチアソビ Vol.28に参加するという情報を得ていたため、前々から興味のあったマチアソビに行ってみようと思い、行ってみた記録である。

正直想像以上に楽しめたし、また遊び足りない感があるほどだ。

前日譚

早朝にメイクアガール上映の整理券配布があるとのことで前日入りするために一日早く家を出たので、その様子。

旅の始まり

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今回の旅の始まりは神姫バス三宮BTから。天気はあいにくの雨だった。

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乗る予定のバスは遅れていたが、前日入りするため問題なかった。

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利用したのは阪神バス。サラダエキスプレスはこれが初めてだ。

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窓際には丁度メガネが置ける程度のスペースがあって便利だった。

大鳴門橋

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高速バスが大鳴門橋に入り、雨が降り視界は悪いものの渦潮が見えた。これはちょっと得した気分だった。

実は以前福良に遊びに行ったことがあり、その時は時間の都合で渦潮が見れなかったのだ。今回はその時の無念を晴らせ、思わぬ景色が見れてよかった。

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渦になっている様子までは見れなかったが、なかなか壮大だ。

徳島入り

バスは高速を降り下道に入る。

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道は大渋滞でかなり進みが悪かった。岡山ICから岡山駅ですらこんなに混んでないと思うが、今回は鳴門ICから徳島駅がずっとこんな感じだったので、長く感じられた。

徳島駅着

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バスは定刻20分オーバーで徳島駅に到着した。

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駅前には新しめのビルが目立ち、松山より新鮮な感じがした。また神戸市営バスに採用されているのと非常によく似たデザインの水素バスらしきものも走っていた。ひょっとするとこれが標準デザインなのかもしれない。

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駅の中にはバブル期のゴージャスなエレベーターがあってよかった。

一つ目の土産屋へ

暇だったのでそののまま土産屋へ

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まず目に入ってきたのは徳島ラーメンだった。正直神戸でも買えるので目新しさはないがカップ麺を一つ頂戴した。

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讃岐うどんやハタダ、一六などの松山土産、芋けんぴや鯨肉といった高知土産も取り扱っていた。

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やけに神戸プリン感があるものがあったので見てみたらまんまトーラクだったので神戸プリンの亜種だった。

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愛媛にあったみかん箱包装は徳島では鳴門金時になっていた。

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阿波の恋人じゃなくて徳島の恋人にしちゃうのかーとか。

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JR四国とコラボしてそうなミレービスケットもあって面白かった。

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レジのJR四国がかわいかった。JR四国のキャラって基本なんかかわいいよね。

徳島駅改札

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改札の先では交通ICが使えないことが猛烈にアピールされていた。

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運行情報を眺めていて、児島の文字が見え、以前松山の出身者が児島を知っていたことを思い出し、ここに出ているなら、そら名前くらいはわかるよなとか思うなどした。(競艇のCMもあると思うが)

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各線の列車本数は壬生川よりは多く見えたので、ぼちぼち本数はあるようだ。ただ高松行の終電が20時台とかなり早く、マチアソビのような夜までやるイベントに参加する場合、必然的に泊りになってしまう。

ちなみに徳島→三宮の終バスも20:30に出てしまうので結構苦しい。どのみち片道二時間もかかるので泊まるのが安牌だ。

二つ目の土産屋へ

ぶらぶらしていたらまた土産屋に入ってしまった。なんかこの駅、土産屋がやたら多い。駅前のも含めたら4つくらいあるんじゃないだろうか?

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こちらでは先ほどのプリンが神戸プリンのトーラクのものであることが大々的に宣伝されている。いいのかそれは。徳島の誇りとかないんかと、少しだけ思った。

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特に目を引いたのが、この半田そうめんだ。マチアソビが近いからだろうか、パッケージがマチアソビである。しかもポストカードももらえる。これを撮影した時点では四種あった。Xを見た感じもうポストカードは残ってないらしい。

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やたら情報量の多いせんべいを見つけた。徳島で売られている淡路島たこせんべい(明石産たこ使用)。淡路島要素どこ?製造地?ってなった。

投宿先を望む

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駅を出て振り向くと、そこには今日の宿があった。驚くほど近く、地図アプリを立ち上げる必要性すらなかった。

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Xperia 1 VIのコンピュテーショナルフォト ONで撮影するとフォーカス周辺の白飛びは抑えられるものの、やはりそれ以外は苦しいなという印象を抱いた。

徳島を味わえる飯屋へ

雨が降っていて飯屋をどうするか調べたところ、さかなや道場があったので向かうことにした。ここは児島駅前店が大当たりで、兵庫店がハズレだったので半分ギャンブルくらいの気持ちで向かった。

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しかしこの看板を見た瞬間、当たりは確定した。児島駅前店にあったのと同じ地域メニューの看板、これはもう当たりしかない、そう確信した。

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徳島感あふれるグランドメニューに手書きのメニュー。児島駅前店と同じ形態だ。

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すだちを食べて育ったというすだちぶりのお刺身。鮮度がよく美味い。

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わかめのから揚げ。ぬるぬるした磯部揚げを食べてる感じでおいしい。これは家でも作りたいメニューだ。

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フィッシュカツ。宇和島のじゃこカツを彷彿とさせる存在だ。やはり美味い。

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阿波尾鳥の骨付き鳥。肉の味にコクがあり、皮もぱりぱりしていてよかった。ちゃんとトングとハサミもついていた。

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板わさ。全店舗共通メニューのクオリティはやっぱいまいちだなと思った。

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真鯛とすだちぶりの寿司。美味い。鮮度がいい魚はよい。

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鳴門金時のフライ。やはりさつまいもは鳴門金時しか勝たんよと思えるほくほくさでよかった。

投宿とマチアソビの核心との出会い

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今回の宿、ダイワロイネットホテル徳島駅前に入ると、いきなり半田そうめんのパッケージに書かれていた子たちが出迎えてくれた。

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「おへんろ。しよ徳島で」というフレーズがすごくいい。かわいい。しかも今どきの萌え路線から若干ずらして一般寄りの絵柄にしているのが更にいい。

この時はまだこのキャラクターたちが何なのかわからないまま、チェックインした。まさかこの出会いがマチアソビ最大の出会いに繋がるとは、この時は思いもしていなかった。

マチアソビ一日目

07:45からメイクアガール鑑賞の整理券配布があるため、早く起きホテルの朝食を素早く食べていた。明風に言うなれば「このために前泊したんじゃないか」だ。

朝食会場からの景色

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数万人が訪れると聞くマチアソビの初日にしては、そこまで交通量や人は見えなかった。これならメイクアガールの整理券は取れるだろう。この時、私はそう高をくくっていた。

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遠くを見るとポッポ街と書かれた寂れてそうなアーケードの下にマチアソビの文字が見える。ここはゆずソフトなどが出店する区間だ。恐らく廃商店街か何かを祭事場として利用しているのだろうと私は考えた。

メイクアガールの鑑賞整理券の配布場に向かうべくバス乗り場へ

私はメイクアガールの鑑賞整理券をもらいにufotable CINEMAに行くべくバス乗り場へ移動した。徒歩18分だがバスだと3分らしかったので。ぶっちゃけGoogle Mapsの大噓だった。

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行き交うバスにはトクシィという可愛らしいキャラクターが描かれていた。アニメで町おこしをする徳島らしいキャラだ。

後で知ったのだがトクシィマンホールもあるらしいので次回行ったときにはぜひチェックしたい。

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バスはやたらヤシの木が茂る道を進み、マチアソビカラーの強い場所に出た。

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予想通りそこまで人はいなかった。これならメイクアガールの整理券は余裕でとれるだろうと、この時はまだ思っていた。

整理券をもらいにufotable CINEMAへ

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ufotable CINEMAはFateなどのキャラクターが阿波踊りを踊っているポスターで上部が埋め尽くされていて軽く感動した。なお左側の建物は全く別のカフェであり、ufotableは関係ない模様。

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映画館の前にも大きな幕が張られており、ここが聖地であることを如実に示していた。

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この辺りはそこら中にufotableとマチアソビが阿波踊りを応援していると書かれたポスターが貼ってあった。

入手し損ねた整理券

私は意気揚々とメイクアガールの列を探したがどこにもない。ないのでスタッフに尋ねてみたところ、ここに並んでないものは上映時配布、1dayパスも上映前に買ってほしいと告げられ、私は軽く混乱してしまった。

その場でWebを開いて確認しようにも人が増えてきて邪魔になってしまうため、一旦離れた場所に出たら憔悴しきってしまい、そのまま駅方面へ戻ってしまった。

もしここでWebを見れていたら、ちゃんと整理券がもらえたのだろうが残念ながら私は腑抜けになってしまっていて、貰うことは叶わなかった。15年の私であれば、いや10年前の私でさえもっと粘ったはずだ。ただ、この時はただただ頭がグルグルしていて何も考えられていなかった。

駅への帰路

頭の中が真っ白になった私はとりあえず、なすすべもなく駅に戻ることにした。だって開場の10時まですることないし。

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商店街を出た向かいでは再開発が進んでいるのか、大きな工事の囲いが見えた。ふとんセベ営業中の文字が珍しく、ちょっと驚いた。まず個人の寝具店が今現在まだ残っていて、こういった看板を出すほど精力的にやっているのだなと。

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徳島みたいな地方の工事でも電光掲示板程度は備えられているのだなと感心した。三宮だと電光掲示板に加え、液晶ディスプレイもみられる。正直ホワイトボードでいいと思う。

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工事現場にはIYOBULLと書かれた大型建機がおいてあった。絶対伊予ブルドーザーだろこれと思ったらそうだった。やはり四国の建設は四国内から集まるのだろう。こういうのは徳島にはないのだろうか?

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恐らく1Fが商業施設でそっから上がマンションみたいなのができるのかなと思った。

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徳島の標識はびっくりするほど阿波踊りだった。

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河川の工事ではコベルコ建機の機材もみられた。海を挟んで向こう側だからかな?

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マチアソビのメインステージと思われる場所も見えた。

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凄くマチアソビなモニターが表示されている。

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道沿いにはレトロな建物が目立つ。

整理券を入手する二度目のチャンスを逃す

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私は何も考えずに会場の写真を撮っていた。撮影時は誰もいないなーと思っていたが、よく見ると写真の奥のほうに行列が見える。実はこここそがメイクアガールの鑑賞整理券の配布場だったのだが、この時の私は気が付いていなかった。もしこの時に気が付いていれば整理券が手に入っただろう。

徳島を味わいながら駅へ向かう

もはやこの時の私はメイクアガールのことなど忘れ、徳島の街並みを楽しんでいた。何のために来たんだ一体。

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道沿いには阿波踊りの歴史や阿波の商人に関する記述があり、大変興味深かった。阿波商人の威勢は浪速の商人より有名だったのだろうか?

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このあたりの信号は独特な構造物で支持されており、由来が少し気になった。

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フィッシュカツの軽トラが走っており、徳島におけるフィッシュカツの需要が伺い知れた。

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高速バスに乗っているときも見たし、徳島を歩いていると無数に見つかる坊や。恐らく地場の駐車場チェーンなのだろう。Timesみたいな全国区に支配されていないのはいいことだ。

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まさか徳島で神戸の甲南アセットを見ることになるとは思わず、驚いた。

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通町という商店街は、南通と書かれた板や恐らくアイコンが貼ってあった箇所がはがれているようだったが、まだ生きているようだった。

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先ほど見かけたレトロビルの一角はリノベーションされているのか、結構綺麗目だった。何の建物なのかはわからないが、少なくとも店ではなさそうだ。

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漁具店の漁の字が古めかしく良かった。

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随分レトロなスポーツ店だが、2025年のカレンダーが貼ってあることや、ビラが新しいことから営業しているようだった。ここが本店のようだが、今でもチェーンはあるのだろうか?

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時刻は8時前。駅前の交通量は多く、県外ナンバーも目立ったことから、いよいよマチアソビが始まるのかという期待が湧いてきた。

周囲の駐車場は徐々に埋まりつつあった。

徳島駅に戻ってきた

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ホントどこの都会なのかと見まごうような立派な駅舎だ。

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阿波踊りの広告掲示があった。伝統芸能が近代的なデザインで表現されてるのがとてもいい。特に「あほう」というのがいい。踊る阿呆に見る阿呆は阿波踊りに由来するのだろうかと思ったが、Wikipediaによると京都発祥の言葉が阿波踊りに根付いたものらしい。

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ポッポ街に出てきたので、ついでに中を見ていくことにした。関係ないけどamicoってそごうっぽいなと思ったらそごうの跡地らしい。そごうの建物はどこも似たり寄ったりなので分かりやすい。

幕開け前のポッポ街へ

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開会式の前とだけあってポッポ街はまだ閑散としていた。

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注意案内の看板は比較的新しいなと思い、マチアソビのために整理しているのだろうかと思った。

ところでポッポ街というのは駅前にあって、元々SLが走っていた名残なのだろうか?

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マチアソビの吊るしが目立つが、全体的にシャッターが閉まっており何も見えない。

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中を歩いていると愛未莉叶なるアーティストのライブのビラが貼ってあった。マチアソビのイベントリストにはなかったので、恐らくまだあんまり売れていない人が便乗してやってる系の奴だろう。

このフライヤーの立派さだけは凄いところには敬意を示したい。

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いかがわしい本屋も見つかったが、どう見ても店がなく潰れているようだった。実際潰れている。調べた限り、かつては徳島のアニメイトとも呼べるオタクの聖地だったようだ。時期的にコロナ禍で閉店した感じだろう。

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ほとんど空きテナントのようだが、営業している場所もぽつぽつ見られた。徳島のような場所では駅前は廃れるので仕方ないが、それでも残っている店が一定数あるのはいいことだ。

またカードを抜き差しすることで店の入れ替えに対応しているのは設計的にいいなと思った。上からシール貼って上書きしているようなところもよく見る。上からシールを貼っていると、そこだけあからさまに違和感があるのでイマイチだが、この方式だと違和感がないのでいい。

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ポッポ街を抜けると踏切に出た。歩道橋で踏切をバイパスできる作りなのはよく考えられている。ただ、ここまでしても踏切の無理な横断は出るのだろうなとか思った。

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踏切脇にあった鳴門競艇のキャラがなると模様のほっぺのお魚でかわいかった。

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踏切の前で眺めていると穴吹行の普通列車が通過していった。乗客は学生が多いようだった。

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ポッポ街に戻ろうとすると、逆側はかなり綺麗で驚いた。最近塗装しなおしたのだろうか?駅側もそうだが時計があるのは地味に便利だ。

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情熱の聖地へ、とびきりの輝く阿呆になろうというコピーがいい。ここから駅方向に向け来た道を逆走していく。

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さっき通った時にはなかったゆずソフトの看板が立っていた。私はポッポ街にゆずソフトが出ていることだけは把握していたのでまじまじと眺めていた。

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Yostarのブースも設営が始まっていた。

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何故か始まる前から売り切れている謎のYostarブース。

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Vの間なるコンテンツも用意されているようだった。

Yostarブースは開会前にも関わらず列ができており、人の往来も激しく、写り込まないように綺麗に撮るのに地味に苦労した。

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ポッポ街入り口の定食屋はなかなかよさそうだった。次回来ることがあれば是非利用したいところだ。

ホテルへ戻る

やることがないのでホテルへ戻ることにした。もはやメイクアガールのことは頭からすっかり消えていた。

ベッドでごろごろしているときに、ふとマチアソビのサイトを開き、特に意味もなく整理券の配布情報を確認していたら、ufotable CINEMAではなくボードウォークで配布されていることを知った。

メイクアガールの鑑賞整理券配布開始時刻は07:45、現時刻は08:30、希望は薄いがボードウォークへ向かうべくすぐさま立ち上がり移動した。

ボードウォークへ向かう

ボードウォークは先ほど「整理券を入手する二度目のチャンスを逃す」で見たところだ。

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移動中にポップアップしまくってくださいというのを見かけたので、ここでポップアップしまくっておく。

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この川のクルーズもよさそうだ。

ボードウォークへ戻る

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ボードウォークに戻ってきた。時刻は08:50、正直もう絶望的だが、何か列のようなものが見えるので一縷の望みを持ち向かうことにした。

まだ開幕前だったがステージではライブが行われており、演者は自由に動き回りながら歌っていた。

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ボードウォークへ入ると出店もあり、イベントを告知する中々かわいいイラストが掲示されていた。流石アニメの祭典、マチアソビである。

なおチラシの中身を確認したのはこの記事を書いている段階で、この時は写真を撮っただけで中身を見ていなかった。それどころではなかったのだ。私は一刻も早くメイクアガールの整理券を手に入れないといけなかった。人の多さ的に在庫はあるはず、そう信じていた。

メイクアガールの整理券を探す

私はボードウォークを右往左往していた。どこにも配布していそうな場所がない。

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どうも遠めに見えていた行列は土産店で見かけた半田そうめんのものだった。この時はなぜそうめんに行列ができるのかを気にする余裕もなく写真だけ撮って去った。

右往左往しまくっているうちにボードウォークが二区画に分かれていることに気が付く。私は東区画をずっと右往左往していたのだが、西区画に行けば希望があるかもしれない。そう思い西区画へ向かった。

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しかし西区画にも行列らしきものはない。西区画の一番端まで行くとXENOTOONと書かれた看板が置かれている机を見かけた。セッティングされているブースはこの画像のように看板がぶら下げられていることを知っていたので、XENOTOONの人はまだ来ていないのだと思った。

この段階で私は普段封印しているXを開き、整理券情報を調べまくった。するとXに上がっている最後の整理券Noは18だったため、絶対に残っているという確信があった。私はボードウォークを4往復ほどしたが、やはり配布は確認できなかった。

恐らくもう配布が終わっているのだろう。そう考えた私は運営本部へ向かい整理券の配布状況を確認することにした。

運営本部によると整理券配布はもう終わっていて、入手は望めないだろうことを告げられたが、可能性はゼロではないと思うので企業側のブースで問い合わせてほしいと案内を受けた。私は本部に来る前にXENOTOONのブースに人がいるのを見たため、向かうことにした。

この時の時刻は09:10を回ったところで、時間的には希望も何もない状態だった。しかし私は一縷の望みに掛けることとした。

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XENOTOONのブースではメイクアガールを中心とした販促品の準備が進んでいた。

私は思い切って整理券のことを聞いてみるものの流石に把握はされていなかったようで、色々確認してもらった結果、まだ余りがあり再配布が可能という情報を得た。

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そして結果として再配布のアナウンスが行われた。

メイクアガール鑑賞整理券の入手

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私は無事整理券?を手に入れることができた。果たしてこれがufotable CINEMAで通じるのかという一抹の不安はあったものの、何かしら連携はとっているだろうから大丈夫だろうと信じることにした。もちろん無事この後トラブルが起きるのだが、諦めずに粘ったかいがあったというものだ。往生際の悪さは大切だ。

開会式へ

時刻は10:00を回っていたので、急いで開会式へ向かった。メイクアガールを鑑賞できることが決まったのだから、もうあとは野となれ山となれだ。

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開会式会場の奥のほうには多くの人が見えた。

開会式は撮影禁止だったため写真はないが、漫才に近い掛け合いがされていて賑わいのあるものだった。中でも名物芸人になっている人が自分のジョークグッズを勝手に作られていることを話しているのが面白かった。

ゆるキャンカー

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開会式が行われている場所にはゆるキャンカーがいた。ここまで大々的なラッピングはすごい。

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車内にもアクスタがありこだわりを感じた。

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撮影していたら軽く人の海になってきたのすぐに退避した。

冷凍みかんと出店

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大半の出店はマチアソビを意識したものではなく、ごく普通の出店だった。キッチンカーも多く、徳島駅から会場周辺一帯、商店街の中まで、およそ許可が下りそうな場所全般にいた。

休憩所

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少し下がったところには水飲み場とベンチがあり、休憩するのに都合がよかった。このベンチは憩いの空間といった形で、その場にいる人たちで談笑できるデザインに見えて面白いなと思った。

部屋替えにホテルに戻り、そのままゴロゴロしてしまう

一泊目と二泊目で部屋が違っていたため、部屋替えのためにホテルに戻ることにした。こいつ一体何回ホテルに戻ってるんだ?

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時刻は11:30。ホテルに案内されていた時刻よりやや早かったが部屋替えを行うことができた。初日の部屋より広くてよかった。

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参考までに初日の部屋はこれ。

あまりに部屋が快適だったのと、そこまで見たいイベントもなかったのでついごろごろしてしてしまった。しかも、椅子が合わなかったのか、翌日腰痛になってしまう。

16時過ぎまで結局ごろごろしてしまったが、折角来たのだからちゃんとイベントを見ないと、徳島の街を遊びつくさないとと思い立ち、外に出ることにした。

このときは、正直この時間から回れる範囲は限られているため、時間を無駄にしたとか、明日朝一に帰るから結局徳島にきた意味があまりなく楽しめなかったなという後悔の念に苛まれていた。

ポッポ街見物

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ポッポ街は朝とはうって変わって大勢の人でにぎわっていた。

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推しの子ブースは等身大フィギュアがあるなど力の入れようがすごかった。

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アクリルスタンドもサイズ感がおかしい。

セル画作成を体験できるブースなど、様々なブースがあり、どこも盛り上がっていた。

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もちろん唯一目をつけていたゆずソフトのブースにも行った。予想していたが微妙に臭かった。と言ってもかつて大阪日本橋にあったとらのあなよりはずいぶんマシなくらいだ。最近の公衆衛生の進化には驚かされる。

写真をじゃんじゃん撮ってくださいと言われたので撮ったものの、言うほど撮影対象はなく、そもそも私はゆずソフトのファンではあるものの製品も持っていないので特に何も買わずに立ち去った。

むしろ、ゆずソフトのファンというより、むりりん先生とこぶいち先生、こもわた先生が好きなだけというのが正しい。

神椿物語研究開発部の試遊会に参加

神椿物語研究開発部という中二病感がすごいデベロッパーの試遊会に参加した。いろいろなタイトルの試遊があり、ADVやVRからカードゲームまで幅広くあった。

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スタンディのキャラがかわいい。

神椿學園新聞部のグラフィックがドット絵調だったのと、雰囲気が平成のゲームという感じで興味を惹かれてプレイすることにした。

最初はただの美少女ノベルゲーかと思ってプレイしていたが、実際には制限時間内にミッションを達成するタイプのアドベンチャーゲームで、アイテムを拾うなど、特定アクションをとると時間が減るなど戦略性も見られて面白く、少しハマってしまった。

今どきのゲームにしてはCVがなかったが、逆にそれが本作を引き立てていると思う。

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ビジュアルが結構好きなのでリリースされたら買うかもしれない。

ポッポ街を探索する

ポッポ街の周りをぐるぐるしていたらただの商店街ではないことに気が付いたので探索してみた。

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ポッポ街の南側の通りから見ると昭和のマンションみたいなのが見えたのがすべての始まりだった。これはただの商店街ではないのでは?私はそう思い、探索を決めた。

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2Fまではマチアソビのテナントフロアになっていたが3Fに入ると雰囲気はガラリと変わり、生活臭がムンムンする空間になっていた。掲示物は廃アパート感を感じるが少なくともごみカレンダーの曜日は今年の日付になっていた。

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先ほど見た通路に入ってみると洗濯機が置いてあったり、洗濯物が干してあったり、ここに人が住んでいることを確信した。

上記写真左側のロープは洗濯物を干すためのやつだ。文化住宅に行くとよく見られる。

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通路のベランダから見た景色は徳島駅前とは打って変わってだいぶノスタルジーを感じるものだった。昭和とは言わないが、平成初期くらいだろう。

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給湯器もかなりの年代物が使われており、物持ちのよさに感心した。これと似たものが廃アパートに設置されているのは見たことがあるが、現在人が居住している物件で見るのは初めてだったので驚いた。というか徳島って都市ガスあるんだ…。都会だ…。

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居住区核の一角には商店街の事務所もあった。恐らくマチアソビの打ち合わせなどもここで行われていたのだろう。株式会社駅前商店街という法人名も中々だ。

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商店街に降りてくると床には大きな蒸気機関車のキャラクターが居た。こういうのはほっこりする。

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ポッポ街、徳島駅側にはアニメイトとくしまの残骸もあった。現在のアニメイトはufotable CINEMAの地下に移動しているためここにはない。

しかし扉の向こうに見える赤く光る空間が気になる。いったい何があるのだろうか…。

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他にも中庭のような場所があり、かつて稼働していた噴水や小池の跡やダイナミックな植木をみることができた。ポッポ街のある建物はとても独特で、これは面白かった。

ボードウォークへ戻る、その2

ひとまず明日朝一に戻るため、見れる限界まで見ようと、再びボードウォークへと足を運んだ。

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まずは朝行列になっていた半田そうめんの場所へと向かった。行列は消え去り、すぐに注文することができた。

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いくつかメニューがあったが、レギュラー以外は売り切れていた。しかし、このメニューの豊富さや内容の豪華さはイベントの出店とは思えない力の入れようだ。

POPのデザインは凝っており、写真のコメントも面白く、銀河一半田そうめんとか、普通の糸とうがらしとか、山で採ったわらびとか、「おへんろ。」にちなんだ内容もあった。

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レギュラーの冷そうめん。半田そうめんは太く、細うどんにも近かった。麺はもちもちしてコシがあり、つゆはいりことすだちがよく効いていておいしかった。

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このパラソルは白滝製麺のブースで、社長のXのアカウントにはキレのある投稿が多く、マチアソビがらみの内容もあり面白い。

マチをアソビ尽くす!

時刻は18時を回り、そろそろ今日の残り時間も少なくなってきたが、それでもホテルでゴロゴロしすぎた分、マチをアソビ尽くす為に徳島市内をぶらぶらすることにした。

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両国橋を抜けた南側の文具店にはufotableのポスターが色あせるほどに飾ってあり、徳島市中心部のマチアソビと阿波踊りに対する熱気を確認することができた。

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そこから右手を見ると懐かしい陶器製の郵便ポストもあった。

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この郵便ポストは今確認したところGoogle Mapsにも掲載されているようだ。

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ポストのあった筋を進むと東新町と書かれた立派なアーケードに出会えた。中にはマチアソビののぼりが多数あり、脇には阿波踊りの金属像もあった。ひとまずここに入ることにした。

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時間の関係か開いている店はなく閑散としていた。

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少し進むとコルネの泉広場という、マチアソビのステージに使われている場所に出てきた。ここはトの字型になったアーケードの結節点になっているようだった。

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アーケードを歩いていると駐車場経営でおなじみのバルの垂れ幕がぶら下がっていた。商店街付近の駐車場のお得な利用案内だろうか?

徳島のような地方都市では駅前は空洞化しており、地価が安く車でのアクセスに問題がない郊外が発展しがちで、旧来車がなかった時代に流行った中心部の商店街は寂れがちなので、その支援としてやっているのかもしれない。

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進んでいくと営業している漆器屋さんに当たり、かわいいイラストが飾られていた。

このキャラは昨日吉野川市広報サポーターに指定された蒼藍アオというライバーだ。

YouTubeチャンネルを軽く見た感じ、方言や軽い訛りも取り入れた、徳島を紹介するVTuberのようだ。4年前から活動しているようだが、動画の本数が少なく再生も少ないので、これからに期待といったところだろうか。

僕っ子だったり、3Dモデルがあったり、live2dモデルやイラストもかわいらしいことから、そこそこキャラが立っているのは良さそうに感じた。

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更に進んでいくとなんとS'Dreamというアニメショップを見つけた。マチアソビでの多客対応を見据えており、なかなか面白いお店だと感じたし、徳島という規模の都市にこういうお店があるのが何より驚いた。マチアソビの時期が一番の掻き入れ時だろうか?

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店内はヤニ臭かったものの結構充実しており、掘り出し物を見つけるにはよさそうに感じた。何よりこういった雑然とした感じはワクワクする、

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それと入り口のドアにいたいかにもAIが描いたようなキャラがめっぽう可愛く、すごくよかった。これはAIお絵描きの非常に良い活用方法だ。

Xのアカウントのプロフィールには「徳島市東新町、アニメショップ S'Dream(エスドリーム)です!各種アニメグッズ新作商品から中古アニメグッズ全般の買取販売を行っております。 常時買取強化中! フィギュア、アニメ雑貨、同人誌等、アニメに関するものなら何でも買取販売します。真のアニメのマチ目指します!」とあり、「真のアニメのマチ目指します!」の部分がマチアソビ感を出していて凄くいいなと思った。

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近くのレコードショップにもやはりufotableのイラストが掲示されており、街を挙げて応援していることが窺い知れた。

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付近のベンチにもマチアソビ系のステッカーが貼ってあった。

メイクアガール鑑賞にufotable CINEMAへ

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そして時刻は18時半を回ったところ、メイクアガールを見るためにufotable CINEMAに戻ってきた。

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地下にある小さなアニメイトはその規模に見合わない多客で賑わっていた。

私はこの時点で明日朝に帰る予定を後ろに倒し、夕方にずらし込むことにした。これはもっとマチをアソばないといけない、せっかく結構なお金を出して来たのだから。そう感じたのだ。少なくとも今日ホテルで潰した時間だけでも回収したい。失った時間は戻ってこないとはいえ、もう少しだけこの時間を味わいたいと思った。

メイクアガール上映会

さて、いよいよ待ちに待ったメイクアガールの挨拶付き上映会だ。朝に入手した整理券?は明らかに正規チケットの形をしていなかったため、当然の帰結として無効とされてしまう。

しかしXENOTOONで貰ったことや、XにあったXENOTOONの再配布投稿、他にも貰っている人を知っていたため、その存在を示唆するなどで説得し、どうにか入ることができた。最初は「その紙はくじの交換券では?」とか「あなたは恐らく何かを勘違いしている」とか、いろいろ言われたものの何とか通過できたのは行幸だった。

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劇場内はほぼ満席で、座席は鬼滅カラーというか、竈門炭治郎に染まっていた。

最後の上映ということや、入場の困難もあり、私は終始、感慨深く鑑賞していた。

ホテルへの帰路

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昼間あれだけ賑わっていた会場は夜になると息をひそめ、企業ブースも撤退し、パラソルはたたまれていた。恐らくそのままにしておくと警備上の問題があるからだろう。

しかしパラソルが常設であることにはちょっと驚いた。

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付近にあった案内を見る限り、この場所は元からテナント出店するためにあるようだ。

マチアソビ二日目

昨日だらだらした分、今日は活動していこうと誓った日だった。結果として、この日はかなり充実していた。

行き交う痛車

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そういうイベントだけあり、道路には痛車の走行風景も見られた。ボードウォーク付近の駐車場にも一定数いたと思う。

賑わうメイン会場

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二日目は初日よりより一層メイン会場がにぎわっていた。神戸まつりでもここまで人口密度は高くないだろう。

夏の知らせ

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川を覗くとミズクラゲが漂っていた。5月11日にして、もはや夏ということだろうか。

ボードウォーク再見

今日もまたボードウォークにやってきた。ここは見るものが多い。

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博報堂のパラソルにはプリプリのフライヤーが置かれていたので一枚頂戴した。よく考えたら映画館で見た記憶がない。

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ボードウォークには、このために作られたような建物があり、飲食の出店をやっていた。この構造はなかなか面白いと思う。

マチアソビを想定した作りなのか、あるいは元の構造を活かしているのか、興味深い。

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フロントウィングなどのパラソルでは美少女キャラクターがおり、とりあえずかわいいので撮った。

軽く調べた感じKANADE花束を君に贈ろうGINKAもエロゲーではないようだ。

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アクアプラスブースではマルチが3Dになっていて驚いた。ToHeartに終わりはないのかもしれない。

マチへ繰り出す

ボードウォークを軽く見たので、次はマチへ繰り出すことにした。マチアソビなのだから、見るべきはマチだろう。きっと。そして、この読みは大方外れておらず、図らずもマチアソビの核心と邂逅することになる。

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両国橋のトイレには阿波踊りのイラストが描かれていた。しかも男女しっかり描き分けられている。

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徳島市内を歩いていると福助と書かれた立派な看板がついた建物をよく見かける。不動産事業者のようだが、自社保有ビルにここまで目立つものを掲げている会社は珍しいと思った。

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道を歩いていると最近見なくなったお祝いの花看板的なのが置いてあった。こういうのが見れるのはよい。

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商店街に入っていくといかにもな看板を見かけたので接近。公式のマップには載っていない存在だが、こういうのを見つけていくのがきっとマチをアソビ尽くすということなのだろう。

マチアソビの核心との出会い

今回マチアソビに来た中で、個人的にここが核心だろうという場所に巡り会えたので、ここを核心とする。

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商店街をぶらぶらしていると前日入りした時に見かけた半田そうめんや、ダイワロイネットホテル、そして白滝製麺のパラソルにも描かれていた「おへんろ。」の片鱗を見た。

最初はよくわからず、こんなところあったっけな…と困惑しつつも中を覗こうとしていると中から誘われたので、私はそのまま誘引されていった。

おへんろ。とゆりぱん

この会場ではマチアソビから生まれたufotable所属の声優、ゆりぱんこと、江原裕理さんと、ゆりぱんのデビュー作である「おへんろ。」についての展示が行われていた。

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中に入ると「おへんろ。」一色の空間が広がっていた。ジャンジャン撮ってくださいと言われたのもあり、ここはかなり厚めに写真を残している。

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まず入り口の三段重ねになったSDキャラの表情がかわいいし、お遍路中とみられるポスターもかわいい。

ここではufotable所属で、マチアソビから声優にデビューした江原裕理さん関連の展示が行われており、特にデビュー作である「おへんろ。」にまつわる展示が多かった。なんでも当時の資料を保管していたり、盗難されて散逸したものもメルカリなどで集めたというすごい展示だ。

「おへんろ。」はその名の通り、四国八十八箇所巡りをテーマにした作品で、新聞掲載の漫画や、OVA、実際にお遍路してみた実写解説動画など、様々なシリーズがあるらしい。すでにDVDは絶盤のようだった。

この展示はかつて江原裕理さんの熱烈なファンだった方や、スタッフだった人、放送局関係者などの有志が募って開かれた会のようで、もともと一般公開するつもりはなかったとのことだが、結果的には一般公開になったらしい。

ここでは「おへんろ。」や江原裕理さんのことをお聞きしたり、江原裕理さん本人にお会いできたり、マチアソビの極め方を知ることができるなど、かなりマチアソビの核心に迫る体験ができたので、思い出深いところだった。

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阿波踊りとのコラボポスターがあるのはマチアソビらしい特色だ。

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かつて出た媒体の展示もあった。

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江原裕理さんのデビューからの年表もあった。

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この写真の内容がそれであるかはわからないが、当時は八十八箇所巡りを聖地巡礼と紐づけてGPS連携でチェックインする聖地巡礼アプリもあったそうだ。残念ながら今はもうないらしい。

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マチアソビでの色紙や、おへんろ。のイベントフライヤーもあった。こういうのを見ていると、にぎやかに乾杯している当時の情景が浮かぶ。

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当時の徳島新聞の特集記事のようなものも飾られていた。本当に何でもある。

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おへんろ。のちわちゃんとゆりぱんのイラスト色紙もあった。

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四国八十八箇所が描かれたTシャツもあったようだ。恐らくマチアソビVol. 19のものだろうか?

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自転車のホイールカバーまであったが、これは非売品で、イベント用に作ったものらしい。

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他にも徳島の名産品のポスターもあった。二枚目は阿波尾鳥公式のもののようだ。

鳴門金時は焼き芋にするとホクホクしておいしいので個人的に好きなやつだ。

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ギルドロップスのロングタオルもかわいいし、江原裕理銘のタオルもあった。

とくしまマラソンやnanacoとのコラボ

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とくしまマラソンやnanacoとのコラボカードもあり、当時どれだけ熱気に包まれていたかを窺い知ることができる資料だ。

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一緒に飾ってあった扇子もすごくいい。

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また、とくしまマラソンとは複数回コラボしているようだ。

竹団扇(四国団扇コラボ?)

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こちらは作り的に四国団扇とのコラボ商品だろう。プラスチック団扇ではなく、竹団扇が選ばれるのは珍しい。

環境省コラボ

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環境省のクリアファイルに採用されていたり、タンブラーもあったり、展開の幅広さにただただ感心した。

セブンイレブンコラボ

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先ほどnanacoとのコラボカードがあったが、コラボ商品を買うとポスターが当たるキャンペーンもあったらしい。お遍路だけあって四国四県がテーマとして描かれていて面白い。

スタッフの人が絵の並びがめちゃくちゃと嘆いておられた。確かに徳島→愛媛→香川→高知となっているので繋がりがない。

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まずは徳島。鳴門の渦潮だ。遊覧船から身を乗り出しているちわちゃんがかわいい。

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次は香川。小豆島のエンジェルロードだ。このイラストでのみ三人の並びが異なっており、真ん中にまおちゃんがいる。

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次は愛媛。恐らく忽那諸島とみかんだろう。このイラストでのみ、めぐちゃんの服に「みかん」の文字が見られる。みかんを手にするちわちゃんがかわいい。

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最後は高知。四万十川で水遊びしているシーンだ。ちわちゃんはここまでの流れで元気っこであることがよくわかるし、このイラストのまおちゃんはかわいい。

こうやって徳島発のコンテンツが四国四県に波及するのはすごいことだと思う。

八十八箇所の一番札所は徳島にあるそうなので、徳島発となったのは、ひょっとするとこれが関係しているのかもしれない。

白滝製麺コラボ

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白滝製麺のパッケージもあった。今回見たパッケージとは別物であるため過去のパッケージなのだろう。

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マチアソビでそうめんを買うともらえる団扇もあった。手前のキャラがアップで描かれているものが今回の配布品だ。引き気味に徳島の風景とともに描かれているものは過去のものだろう。ゆりぱんと書かれた団扇は白滝製麺と関係ないと思われる。

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白滝製麵は「おへんろ。」のよきスポンサーなのだろう。

過去のマチアソビ来場者数

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過去のマチアソビの来場者数もあったので、以下にまとめてみた。

Vol 来場者数 会期
Vol. 1 12,000人 2日
Vol. 2 21,000人 15日
Vol. 3 18,000人 2日
Vol. 4 20,000人 2日
Vol. 5 25,000人 15日
Vol. 6 20,000人 2日
Vol. 7 50,000人 17日
Vol. 8 40,000人 2日
Vol. 9 52,000人 16日
Vol. 10 53,000人 2日
Vol. 11 60,000人 16日
Vol. 12 70,000人 2日
Vol. 13 57,000人 15日
Vol. 14 74,000人 2日
Vol. 15 80,000人 18日
Vol. 16 75,000人 2日
Vol. 17 82,000人 16日
Vol. 18 82,000人 2日
Vol. 19 83,000人 16日

1月と9月始まりのものは会期が長くなる傾向にあるようだが会期と来場者数に相関関係はなさそうなので、二日くらいがちょうどいいのかもしれない。マチアソビは現県知事により税金の浪費が問題視されていたというが、意図はそういうところにあったのかもしれない。

私が今回参加したVol. 28は会期二日で58,000人の来場があったそうだ。やや少なめなのは現知事のもと前回の開催が見送られたことや、コロナ禍で中断が続いたなどの影響もあるのだろう。

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ついでにグラフにしてみた。こうしてみると58,000人はVol. 11くらいの水準なので多くはない。

ゆりぱん 10th Anniversary

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本会場の趣旨であるゆりぱんデビュー10周年を祝った飾りが会場の一番奥にあり、スタッフらが着ているTシャツも飾られていた。

このTシャツは目立ちすぎないように意図的にダサ目に作っているという話を聞いた気がする。

謎のアイマスポスター

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理由は不明だが掲示されていた謎の天海春香。なぜ飾られているのかはよくわからなかったがオマケだと伺った(オマケとは…?)

おへんろ。上映

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会場の片隅では実際にDVDとして販売されていた「おへんろ。」が流されていた。全てではないもののゆりぱんも幾つかの札所を訪問したらしい。

最後に

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本会場でのスタッフの方々は熱心なゆりぱんのファンというだけではなく、アットホームな感じで来訪者を歓迎し、ゆりぱんやおへんろ。について語りつくしてくれ、更にマチアソビの楽しみ方、裏コンテンツに至るまで教えていただけるなど、話が盛り上がりに盛り上がり尽くし、非常に有意義な時間となった。

ゆりぱん絡みでは本人の許可を取らずに勝手に競馬の記念レースを二回もやり本人を驚かせたとか、普通の芸能活動ではなかなかなさそうな、ファンと演者が密になっているからこそのサプライズなども聞け、とても面白かった。

おへんろ。絡みのことだと八十八箇所巡りと聖地巡礼の相性の良さを聞き、そもそもこれ自体が聖地巡礼ではないか…?という気付きを得るなど、ここにこれただけでも帰る時刻を後ろに倒した甲斐があった、とてもいい話が聞けたという感じがした。

特にあわぎんホールで開かれる録音禁止他言無用の業界ぶっちゃけトークみたいなのや、徳島駅前にある森珈琲店が集めたアツすぎる収蔵品の情報は非常に興味深く、この後森珈琲店に行ったときに、再展示をリクエストしてしまったほどだ。

また、公式の案内にない施設に来訪するのは普通は5年目くらいの経験者が至る境地で、初来訪でそこに達するのは見ごたえがあるなど、お褒めの言葉を頂いたりもした。

マチアソビは参加を重ねるうちにイベントに出演する演者より、演者を眺めるオタクを眺めるほうが楽しくなるなど、非常に楽しい話をさせていただき、ここでは本当に重ね重ね良い時間を過ごせた。

なんというかここで思ったのは積極的に人と話すことの大切さみたいなやつだ。普段であれば引っ込み思案で、あまり人と話さない私だが、勇気をもってこちらから話してみると広がる世界があり、もう少し積極的にいろんな人と話してみるのもいいんじゃないかな?と思った。

これはスタッフから話しかけられるだけより、更にこちらからも話しかけることで新しい情報を得られたり、より楽しめたからだ。

斬られた灯篭

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いったい何なのかよくわからないが斬鉄剣で斬られたような灯篭があった。中をよく見ると鉄筋で繋げられていたので、こういうデザインのようだ。

東新町商店街の出店

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ufotable CINEMAから斜め前当たりの空き地に出店が多く見られた。マチアソビ関連ではなく、恐らく商店街おこしみたいな活動とみられるが、マチアソビを意識した出店もあり面白かった。

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出店に便乗するような形で、近くの呉服店が徳島らしいTシャツを売っていたのでつい買ってしまった。ステッカーももらえていい感じだ。

道路沿いの商店

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道沿いの昔ながらの商店でもマチアソビに乗っかる形で商売をしていてよさみを感じた。こういうのにちゃんと乗ってくれるお店は分かってくれると感じるし、徳島全体がマチでアソべるようになっている仕組みの一つになっていて、とてもいいと思う。

白滝製麺周辺

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初日ほどではないが、二日目もなかなかの混雑が見られた。昼食を取るのに利用し、昨日に続き二枚目の団扇を頂いた。

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向かいにはクレームショップさんや、白滝製麺の車?もあり、それぞれ可愛らしくあしらわれていた。

白滝製麺の車の中にミレービスケットの超特大袋があるのは笑ってしまったが、やはり四国では愛されているのだろう。

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アワライズという飲み物も売られており、阿波踊り専用エナジードリンクという触れ込みがよかった。徳島市内の自販機でも見かけたのでこれ自体は通年手に入るようだ。

大人気だったフリー素材ずんだもん

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半田そうめんの列に並んでいるとずんだもんがPOPした。ファンサービス精神が旺盛で半田そうめん最後尾の札を持ってくれたり、ポーズをとって周囲の撮影に応えてくれたり、身振り手振りもどこか抜けたようなかわいい演出が多く、かなり良かった。

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ずんだもんは人気者で、行く先々でもてはやされ、遠くから見えるだけでも賑わいをもたらしていた。

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写真撮影・SNS共有歓迎という歩くフリー素材みたいな扱いだった。

駐車場にいた痛車

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四国の痛車オーナーが集っているのはいいなと思った。前者はcitrusというコミック百合姫掲載の漫画らしく、絵柄が好きだった。そして後者も安定のラブライブ感があってまた良い。車内のでかいぬいぐるみもよい。

路肩にいた関係車両

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関係車両には社内に参加証を置くルールがあるようで、そういうのがある車を見かけた。

銀座福助とバル

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今回出くわしたバルの駐車場はミニッツパークの亜種でデイパークだった。恐らく分単位とか日単位で料金が変わるとかいうやつなのだろう。また同じ不動産業の福助の広告が出ているのも面白いなと思った。もしかすると何かしら提携しているのかもしれない。また福助の正式名称が銀座福助であることもここで知れた。

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福助はだいぶ前に書いたように仰々しい看板を掲げているビルが多いのだが、中にはモダンな普通の看板のところもあった。

徳島仕様の自販機

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阿波踊りが描かれた自販機の中には徳島珈琲やアワライズといった、徳島独自の飲料が販売されていて、ほかの地域では中々なさそうな光景に驚いた。他にも阿波のこだわり天然水や阿波のこだわり緑茶など徳島的飲料が置かれていた。

阿波踊り会館

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最後に眉山に上ろうということで、阿波踊り会館へ向かった。相変わらずこの通りにはヤシの木が目立つ。

阿波踊り会館の手前は公園になっており、阿波踊りの笠に見立てた東屋があり面白かった。中にはベンチがあり休憩を取っている人が見られた。

徳島眉山天神社

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阿波踊り会館横の神社にもマチアソビののぼりが見えたため、先にこちらに上ることにした。

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階段を登りきると一見普通の神社のようだが…少し目線をずらすと確かにマチアソビ要素が存在した。

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境内には鬼滅の刃の展示があった。こういうところでufotable絡みのものを置いてくれるのはやはりうれしい。

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キッズコーナーもあり、なかなかユニークな神社だった。大人への配慮があるのも立派だ。

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瀬戸内寂聴が命名したという知恵の牛なるものもあった。調べたところ瀬戸内寂聴は徳島の出身らしい。

阿波踊り会館内部へ

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中は奥の土産コーナーを除き閑散としていた。また眉山ロープウェイの切符はここで買うことができた。

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会館内は阿波踊り関連の展示も多く、阿波踊り人形や阿波踊りの連(阿波踊りを演舞する地域ごとのグループらしい)の提灯も置いてあった。

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阿波踊りは全国に広まっているらしい。

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自販機コーナーも阿波踊り。おへんろ。の阿波踊り仕様もあった。

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眉山ロープウェイの案内板には阿波踊りのマークが描かれていた。このマークはだいぶ前に書いたトイレにもいたやつで、阿波踊り会館を示す道路標識にもいたりするのでピクトグラムの一種なのかもしれない。

二連結ゴンドラの眉山ロープウェイ

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そうして阿波踊り会館を満喫した後は目的の眉山ロープウェイに乗車した。眉山ロープウェイはゴンドラが二連結されている面白いものだった。

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ゴンドラからの眺望はよく、乗車中は鬼滅の刃の煉獄杏寿郎による眉山案内やちょっと難易度の高いクイズが流れており、これもまたよかった。上りと下りで別の内容が放送されており、凝っているなと感じた。

特に下りのアナウンスには不意打ち要素があり、サプライズとしてよかった。

ufotable一色だったロープウェイ山頂口

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しばらくし、ロープウェイが山頂口駅に到着すると、そこにはufotableが様々な作品で描いた阿波踊りのイラストが飾られており、非常に壮観だった。一体ここまで地元のためにしてくれるアニメスタジオが他にあるだろうか?

これは個人的に非常にufotableによる徳島愛を感じる光景だった。何より幾つかのポスターは繋がって一枚の絵になっているのもいい。「おへんろ。」のもある。

もし徳島に訪れることがあり、ufotableのファンであれば、或いはアニメファンであれば、ここは是非一度は訪れるとよいスポットだろう。

余談だが私は初めてリアタイで見た深夜アニメが「がくえんゆーとぴあ まなびストレート!」であったため、ufotableへの思い入れは深い。これは鬼滅の刃やFateが余りにも有名すぎるためマイナーな作品だが、当時としては人気の作品で、今でも知る人ぞ知る名作だと思う。テーマも未来を見据えたような作品で、革新的な作品だったように思う。

「がくえんゆーとぴあ まなびストレート!」は声優陣も豪華で、堀江由衣や野中藍、井上麻里奈、平野綾、藤田咲といった大物声優が出演している。

ufotableカラーのある眉山山頂

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眉山山頂にはマチ★アソビCAFEがあるため、山頂にはufotableカラーが見られた。

しかし仮にも成人向け作品がここまで日の目を浴びる日が来るとは、Fate/stay nightがリリースされた当時、いったい誰が考えただろうか?すさまじい躍進であるし、元が成人向けタイトルであったことなど、もはや誰も覚えてはいないレベルだろう。それほどまでにコンテンツを深化させたufotableの凄さには頭が上がらない。

マチ★アソビCAFE

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ロープウェイ駅を出てすぐ右手にあり、空中に張り出したような構造をしているのが面白い建物だった。徳島市内を一望できるベストポジションを陣取っている感じで、上階には無料展望室もあった。

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また、この建物は後ろから見ると西洋の古城にも見えるデザインで面白い。

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マチ★アソビCAFEはマチアソビ期間は予約制になっており入ることができなかったが、鬼滅の刃を前面に押し出した営業をされていた。撮影禁止とあった部分があったため、そこだけモザイクでぼかしている。

一等三角点「眉山」と平和記念塔パゴダ

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眉山には一等三角点があった。

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写真ではわかりづらいが写真右下のコーンの内側、立ち入り禁止の逆三角の下にある石積みの中央の角柱がそれだ。

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写真に写っているネットで囲まれた謎の建物は平和記念塔パゴダというらしく、ビルマで戦死した人を慰霊するためのもののようだった。工事中のため本来の姿を見ることがかなわなかったのが残念だが、こういった記念施設がちゃんと保全されているというのは良いことだ。

眉山とキッチンカー

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マチアソビ関連かは不明だが、眉山にもキッチンカーが4-5台見られたと思う。中にはマチアソビを意識したものもあったように思う。

眉山から徳島市街を望む

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日本で二番目に太いといわれる吉野川の大きさがよくわかる景色だ。

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曇りなのもあって遠景がいまいちだが、鳴門大橋もうっすら見える。つまり対岸の陸地は淡路島ということだ。

帰りのロープウェイ駅

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ロープウェイを降りていくと徳島県の会計情報が貼ってあり、トクシィもいて可愛らしかった。市税だけでは足りず、過半数を国税や県税などの依存財源に頼っている状況がうかがえた。

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来る時は気が付かなかったが乗り場の壁にもマチアソビ要素のあるポスターが貼ってあった。東方Projectのほうにはufotableの文字が見えないので、東方Projectとしての協賛があったのだろうか?だとしたら面白いなと思った。

空の境界も懐かしく感慨深い気持ちになった。高校生のころに学校の図書館に県内巡回図書として回ってきたのを読んだ記憶が今でもある。まさか地方の高校の図書館にやってくるとは思わなかったので当時は驚いた。確か岡山県下の高校の図書館に一定期間ごとに順次回している内容だったと思う。

さてここからは神戸に帰るため、帰路になってくる。

阿波踊り会館ちょい前にあった謎の肉屋

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モンストとコラボしている?謎の肉屋があった。阿波尾鳥の貼り付け方が強引すぎるw

ボードウォーク

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時刻は14:27、閉会式まではまだあり、LiSAのライブも控えていることから来場者は多くいた。また川にボートの跡があるが、今調べたところ、これはマチアソビの名物でもあるようなので次回来るときに是非乗ってみたい奴だ。おそらく常設だと思うので、マチアソビ以外で来ることがあれば、その時にも乗ってみたい。

行列のできる大判焼き

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三宮の御座候なんかもそうだけど、この名称に議論を呼ぶ今川焼き的サムシングはやけに人気あるよなぁと思う。

アワライズ無料試飲キャンペーン

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アミコ1Fのパチ屋の前でモンエナやレッドブルのノリなのか、アワライズの無料試飲が行われていた。メイドさんがいるあたり完全にマチアソビ狙いだ。

森珈琲店

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高速バスの時間までまだ少しあったことやマチアソビの核心で森珈琲店はマチアソビ関連がすごいと聞いたので訪れることにした。

神戸にある萩原珈琲から取り寄せているとあり、神戸市民である私はここだけで妙な親近感を覚えてしまった。

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店内にマチアソビ要素がないかずいぶん見回したものの、この時点では核心で聞いていた壁一面に飾られた「おへんろ。」関連の展示は見当たらず、少し残念な気分になっていた。

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頼んでいたものが届くと伝票には手書きの謝辞が書かれていて、今時ここまでしてくれる喫茶店があるのかと軽く感動してしまった。

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会計時にカウンターに行くと「おへんろ。」を見つけることができた。やけにポスターの色合いがよかったのでマスターに聞いたところ、10年もの間ここに置かれているというのを聞き驚いた。

また核心で聞いていた前面の「おへんろ。」展示については過去には確かに行っていたが、毎回は大変なのと、みんなもう飽きているだろうということでやっていなかったとのことだった。しかし希望する人がいるなら次回、つまり秋のマチアソビでは検討したいといって下さり嬉しかった。

普段は雑貨の展示を月1でやっており、マチアソビの時だけ展示を取りやめておへんろ。の展示に切り替えていたということも聞いた。結構な重労働で大変と話されていたので、次回もし覚えていてくれて、またやってくれるのだとしたら非常にありがたいことだ。

おそらく私はそれを見るために秋のマチアソビに行くことだろう。勿論それだけではなく、ほかにも目的はあるが、それはまた後で書こうと思う。

徳島駅高速バスターミナル

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時刻は15時19分、バスターミナルには神戸便の表示が出ていた。

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しばらく待っていると帰りのバスが来た。徳島バスに乗るのはこれが初めてだ。

関係ないが徳島バスは神姫バス三宮BTに入るときスタックしている光景を昔何度か見たので、その印象が深い。(あのターミナルは入庫が難しい)

徳島バス車内

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神姫バスと違って眼鏡を置けるようなスペースはなかった。

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エチケット袋が装備されており、これにはちょっと感心した。これまで私が利用してきた神姫バスや淡路交通には確かなかったと思う。西日本JRバスや両備バスはちょっと記憶にない…。

四国側最終出口

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高速に乗りしばらく走っていると四国側最終出口というちょっとヒヤッとする標識と出会った。とはいえ、四国を抜けたからと言って特別何かあるわけではないだろうし、意味はあまりよくわからなかった。

淡路島には淡路島側最終出口とか、兵庫県側最終出口とか、近畿側最終出口みたいなのはなかったと思うので、四国愛の賜物か何かなのだろうか?単に過去に何かあって設置したとかもあるかもしれないが…。

なおこのバスはここで確か一旦下道に降りた。

アオアヲナルトリゾート

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かなり独創的な地方にありがちなサイケデリックな名前の場所に止まった。神姫バスは寄らなかったはずなので徳島バスならではなのかもしれない?

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建物がボロかったので失礼ながら廃墟の一種だと思っていたのだが、送迎バスを見かけたのでどうやら生きている施設だったらしい(失礼)

大塚潮騒荘・大塚国際美術館

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やたら立派な屋敷が現れ、この後すぐに大塚国際美術館にバスは到着する。

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大塚国際美術館には下電バスがいて、倉敷からここまで来るのかと、軽くびっくりした。

調べてみると大塚潮騒荘や大塚国際美術館は大塚製薬の関連施設で、大塚製薬が鳴門市で創業したことに由来する施設のようだった。

ちなみに大塚製薬の源流となった大塚製薬工場(工場とついているが工場ではなく社名)は今でも鳴門市に本社をおいているらしい。

今回のマチアソビの話とは直接関係ないのだが、別件で調べ物をしていた時に旧一宇村十家(現つるぎ町一宇十家)を訪れた人が水を求めに集落の家を訪ねた時にオロナミンCを譲ってもらえたという情報を見たことがあり、もしかしてそんな辺鄙なところにオロナミンCがあったのも、徳島繫がりなのかな?などと思ったりした。

高速道路への復帰

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制限速度が70km/hとやけに遅かった。

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Wikipediaによると非分離2車線で簡易中央分離施設がある区間だと、この速度になるとのことだった。規制最高速度と実勢速度には大きな乖離があると書かれているが、バスは法定速度をきちんと守っており、遅かった。

ここの前後には80km/h区間もあったと思う。

鳴門糸わかめ販売所

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車窓を眺めていたら鳴門糸わかめの販売所があり、誰でも買えるとのことだった。もし機会があれば行ってみたいかもしれない。

鳴門の渦潮

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時刻は16時17分。残念ながら、まだ渦潮はあまり形成されていなかった。確かこの日の渦潮予想は観光サイトによると17時半くらいだったように思う。往路で渦潮が見えたのもそのくらいの時間だったため合致する。

本州に入り詰まり始める高速道路

舞子トンネル内の電光掲示板に「この先渋滞」とあり、走行車線ではハザードを炊き徐行している車も見られたが、バスは追い越し車線を走っており、スイスイ進んでいた。

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しかしトンネルを出たあたりで車窓から不穏な景色が見え、バスの速度が一気に落ちた。

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この辺りでは徐行スレスレの速度まで落ちたり、そこそこの速度になったりを繰り返しつつ進んでいた。

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垂水JCTを抜け第二神明との合流当たりでは比較的空いてきたように見え、速度も戻ってきた。

この日は高速バスの徳島→神戸が16時以降満車というのもあったとはいえ、恐らく徳島からの帰りでこれほど混んでいるというのは考えづらい。徳島の帰りで混んでいるのなら徳島県内の下道や淡路道も詰まっていたはずなので、恐らく違う理由だろう。

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しかし渋滞多発という看板を過ぎた直後、一気に詰まり始めた。場所的には湊川の前あたりだろうか?ちょっと記憶がないが…。

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そして兵庫駅南あたりで完全に徐行モードに入ってしまう。走行車線の車は完全に止まっていた。

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その後も三宮がゆったり眺められるほどのんびり走りつつ、何とか下界に降りてくることができた。

下界、三宮へ

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流石に高速を出たら道は空いていた。自動音声では「間もなく阪神神戸三宮」とか言っていたのに運転手は「阪神三宮に到着いたします」とアナウンスしており、やっぱ「神戸」の部分いらないよなぁ…と思うなどしていた。

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時刻は17時30分。無事三宮に帰ってくることができた。

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乗り場案内を見ると徳島線以外は軒並み減便運休のオンパレードなのに徳島便だけ怒涛の本数で驚いた。よほど需要があるのだろう。

三宮を走るバスたち

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これはバスが多く走っていて景観がよかったので何となく撮ったやつ。

帰宅

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土産品や徳島のオタクショップS'Dreamで買った戦利品の山に、無駄に持って行っていたノートPCなどの荷物が多く、帰路は中々えらい目にあった。

徳島土産

ずいぶん買い込んだ。

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~郷土菓子編~

鳴門うず芋とやきいも棒は神戸阪急でも買えるため買ってきた意味は特にないのだが買ってきたやつ。やはり鳴門うず芋とやきいも棒の美味さが抜きんでていた。やきいも棒はサツマイモをすりつぶしたものを調味して固めたものと思われるが、皮まで入っており本格的だ。両方とも徳島県つるぎ町の栗尾商店のお菓子だ。このつるぎ町というのも、私にとって今回のマチアソビのキーワードの一つになっている。

鳴門屋チップスはなんとも言えないB級スナック感があり、一回食べたら二度はいいかなという感じのやつだった。

鳴門金時ポテトは愛媛のハタダ、鳴門金時スイートポテトは高松の民サ麺業というところが作っていた。うどん屋が徳島の洋菓子土産を作るのは面白いなと思ったが、調べたところ香川土産用に和三盆サブレを作っているようで、たぶんその繫がりなのだろう。多角化ってやつだ。

なお鳴門金時スイートポテトはサツマイモのうち鳴門金時9%使用とのことで、イマイチ徳島度が薄かった。日頃断水されている腹いせだろうか?(そんなことはない)

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~食べ物編~

徳島に関係ないものが多々あるが気にしてはいけない。

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中でも目玉は間違いなく白滝製麺の手延べ半田そうめんだろう。「おへんろ。」とコラボしたパッケージは非常に特徴的で、マチアソビという感じがすごくある。

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中にはパンフレットまで入っており、非常に素晴らしい。それもよくある説明口調ではなくとても可愛らしい書き方になっているのもポイントだ。

イラストもアス比がちゃんとしており、とてもいい。素晴らしい。最高だ。

そして、この半田そうめんも徳島県つるぎ町で作られている名産品の一つだ。冷や麦並みに太いのが特徴で、半田手延べそうめん協同組合によると、JAS規格上はひやむぎだが、江戸時代より続く伝統と麺文化の地域性が認められ、特別に「そうめん」と表記できることとなっているそうで、現代においても伝統を守られていることがうかがえる。

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実際に作って食べてみたが、間違いなく冷や麦ではなく、しかし揖保乃糸でもない、これは半田そうめんだ。できる限り無理なくマチアソビにあったものを再現できるレシピを作っているので別記事にレシピを載せておいた

白滝製麺の手延べ半田そうめんは通常パッケージであれば山陽百貨店地価のスーパーでも手に入れることができるため、徳島県まで行かなくても食べられるのはうれしいポイントだ。また、手延べ半田そうめんだけであれば三宮近辺のスーパーなら大抵置いてあるため入手が容易だ。その場合、ほとんどは小野製麺の商品になるだろう。

「おへんろ。」コラボパッケージも徳島県物産協会の通販サイトで手に入るようだ。徳島駅の土産売り場のやつは売り切れたと耳にしたので、こちらが確実だろう。

徳島県つるぎ町を舞台としたRPG「ツルギスタ」

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マチアソビでは実際に赴くことができなかったが、徳島県つるぎ町という、この記事に何度か出てきた自治体がツルギスタというRPGを作っており、後日それをプレイすることができた。

現地で気づけていたらグッズなどが貰えたそうなのでちょっと惜しかった。

キャラクターのビジュアルがかわいい

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さて肝心のゲームのほうだが、まずキャラクターが非常にかわいい。CVもあり、プロの声優を起用しているためクオリティもちゃんとしている。

RPGとしてよく出来ている

しかもお役所が作ったゲーム感は薄く、やりこみ要素もちゃんとある。例えばダンジョンでイベントが発生し、強制的に移動させられた後、元の場所に戻ると宝箱がある、隠し通路がある、ゲーム序盤で難易度の高い場所に移動できレベリングや強力な装備を手に入れられるなど、趣向が凝らされている。

他にもストーリーの進行に伴い、序盤のフィールドの敵が強くなるとか、RPGとしてしっかりと作りこまれている。グラフィックもスーファミを彷彿とさせるレトロさがあるのが良い。

キャストには徳島県出身の声優が起用されており、メインテーマも徳島県出身のシンガーソングライター、皆谷尚美さんが担当しているとのことで、非常に徳島色の強い作品となっている。

舞台はつるぎ町

勿論ゲームとしてちゃんとしているだけではなく、内容もちゃんとつるぎ町がテーマになっている。

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このように半田そうめんが出てきたり、貞光の二段うだつが登場したりする。徳島ラーメンはつるぎ町とは関係ないが、徳島県であることを踏まえればありだろう。

他にもメインテーマには、巨樹王国といわれるつるぎ町一宇地区の樹々が採用されており、作中でも複数の巨樹がキーキャラクターとして登場するほか、つるぎ町が合併する前の各村も出てくるなど、非常につるぎ町らしい作品に仕上がっている。

聖地巡礼システム

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GPSチェックインでポイントが得られ、それを基に装備交換ができる聖地巡礼システムもあるようだ。

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有志が作成したマップもあり、極めて広大な範囲に複数のポイントが散らばっており、相当巡りがいがある内容になっている。公共交通機関がないので、自家用車かタクシー前提だろう。幸いなことに貞光駅の前にタクシー会社があり巨樹巡りについての理解もありそうなので有用だろう。スポットは巨樹だけではないが、上手く活用すれば二日くらいで全部回れるかもしれない。

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つるぎ町の商店で使えるクーポンもついており、聖地巡礼を前提とした設計であることが伺える。つるぎ町には宿泊施設が幾つかあるため、ゆっくりと楽しむこともできそうだ。

製作元は有限会社井桁屋

ここまでしっかりした作品をつるぎ町単体で作れるのか?と思い調べてみたところ、有限会社井桁屋が提供する地方創生RPGというシリーズの一つのようだった。

淡路島のRPGを作っているところと同じというのでちょっと驚いた。淡路島のRPGは存在は知っているものの、地方が作ったイマイチなハコモノRPGだろうと思い、こっちはプレイしていなかった。

こちらでは地域の地理歴史・産業・観光・民話などを盛り込んだオリジナルストーリーを作成、GPS連携での観光誘致、クーポン機能による消費促進といった、地方へ観光客を引き込むアプローチとして開発しているようで興味深い。

また観光誘致だけでなく、地元民に向けて「自分たちが暮らしている地域のことをもっと知ってほしい」という郷土学習の切欠にもなるなど、非常に多角的にアピールされていて感心する。何がなんでも自治体に採用してもらうぞという意気込みが感じられる。

ゲーム依存をさせず、ガチャなどの課金性を排したゲーム設計や、射幸性より物語を重視したシステムというのも、非常に健全で素晴らしい。

開発費用についても6ヶ月500万円という事例があり、実績値としても200~1500万円とのことで、かなりリーズナブルに制作できるようだ。説明を読む限り恐らくRPGツクール的なフレームワークを開発しており、それで制作しているのだろう。

他にも保守運用プランや、アプリによる成果がどれほどあったかのレポートをしてくれたり、観光資源がなくともメーカー側で地域の伝承などを調べて作成してもらえるなど非常に手厚くなっている。しつこいくらいに保守運用費用は別途必要という表記があるのも真摯で好感的だ。

開発体制

Google Playを見ると9256というデベロッパが開発しているようだったので調べてみたところ、Facebookに痕跡を見ることができ、どうやら元はゲーム開発サークルのようだったように見える。大学のサークルか何かが起業したのが今の形なのかもしれない。

予算が低く抑えられているのも恐らく少数で対応しているからだろう。イラストは絵柄が広いため外注と思われる。

まとめ

メイクアガールを観に行くためだけに来たマチアソビだったが、予想以上に収穫があってよかった。初日ホテルでダラダラしたのが本当にもったいなかったと思えたほどだ。

マチアソビでの核心や、森珈琲店で書いた事柄についてもそうで、意外な出会いがあり、自分から話しかけることで得られる情報や楽しみ、交流があり、なんというか、ナンパ力というか、見ず知らずの人と適切な距離を保ち雑談をする力みたいなのがあると、楽しみが増やせるように感じた。実際いろんなスタッフの人と話してる人は割と見たし、列形成とかでも前後の人と話している人も見たので、楽しみ方の一つとして成り立っていたように感じた。

また実際にブースに赴くことはできなかったものの、ツルギスタの存在も大きい。つるぎ町は徳島土産や半田そうめんなど、中々インパクトのあるものを作っている場所だが、そこに更にツルギスタが出てくるというのがすごい。つるぎ町は全体でみると一宇地域が深刻な過疎化に直面していることや、伝統農業や地域の名物の後継者問題などもあり、典型的な山間の過疎地域みたいな状態だとは思うのだが、その中でこう言ったものが出て聞くるというのが、かなり興味深く、魅力的に感じた。

私はツルギスタのGPSスポット巡りに釣られたので、実際につるぎ町に行く計画も立てており、行ってみる予定だ。タクシーで回るのでかなり高くつくし、時間的な制約もあるので、そこまで十分には見れないかもしれないが、限りある時間の中で楽しんできたいと思っている。

本当に来てよかったイベントで、秋に行われるであろう次回の開催も森珈琲店の計らいをチェックしたり、今回見れなかった部分や、新たに表れる表情、そしてツルギスタの次回出展にも期待して、見に行きたいと思う。

しかし余りにも長々と書きすぎてしまい、出すのに一ヶ月以上もかかってしまった。がんばっていきまっしょいの記事や、万博も大概だったが、この記事は更に長く書きすぎた。それでも形として出せたのはよかったと思うが、次回からはもう少し現実的に書いていきたいところだ。

タイムスタンプを見たところ、5月13日から、ちまちまと書いていたようだ。6月5日からは執筆ログも残している

私はここ数年、今ひとつ満たされない気持ちで過ごしている。この記事は一体これはどうやったら晴らせるのか、どこに道があるのか、それについてメイクアガールを見ていて気付いた内容として書いた内容だ。

気持ちが満たされない原因

端的に言えば所属するコミュニティを失ったことだと考えている。

何があれば満たされるのかについても時折考えていて、その一つの解はコミュニティだと考えていた。私が満たされていたときはROやECO、FF14を始めとしたネトゲにハマっていたからだ。そして多分それはネトゲそのものではなく、周囲の人たちと遊ぶのが楽しくてやっていたと思う。

私がこれらを離れた理由はプレイしていたタイトルの過疎化やサービス終了、所属していたフリーカンパニーの過疎化などで、言ってしまえば、去った理由はひとえに過疎化だった。

コミュニティだけでは足りない

コミュニティを失うだけであれば、コミュニティに入れば充足すると思うが、そう簡単な問題ではなかった。

私はネトゲをやめた後にも入れるコミュニティを探した。艦これのIRCに入ったり、TwitterやDiscord、Misskeyなど様々なコミュニティで気の合う人を探したりしたが、いずれも続かなかった。

私が当たったIRCは仲間内で雑談する内容のもので、仲間を増やして楽しく過ごそうというものだったが、艦これ仲間ということ以外に特に方向性はなかった。特に艦これの話をしているわけでもなかったので、次第に過疎化していった。

次に私はTwitterに活路を求めた。Twitterは長いことやっていて、ここでなら何かあると思ったからだ。しかし、ここでも私はまた特に何も得られなかった。

Twitterは扱う話題に特にテーマがない。言葉は悪いが有象無象の集まりだ。仮に似たような仕事や趣味の人をフォローしても、どうしても粗が見えてきてしまったり、興味が持てずにいた。

四六時中仕事や趣味の話ばかりをしているわけでもなく、飯の話や政治の話だってする。私だってそうだった。すると相手を許容できないと難しくなってきたり、飽きてきたりする。つまり昨今よく言われる見たくないものが見える現象だ。満たされないどころか心が削られてしまう。SNSに病んだ人がやたら多いのもそういうところに起因しているのだろう。

そこで私はもっと特化した趣旨を持つDiscordに道を求めたが、ある程度ジャンルが絞られていても内情はTwitterと大差なかった。或いはバチバチに縛ってある場所では話すことがなく廃村の様相になっているものもあり、難しさを感じた。Misskeyもそんな感じだ。ioはテーマレスでTwitterと変わらないし、テーマを極端に絞ったものは過疎に、そうでないと中途半端なものは、ただその属性の人が集まったTwitterみたいな状態だった。

私はいよいよわからなくなった。わからなくなったので、取り敢えず息のある小規模なコミュニティに属すために、今は兵庫丼うかどんに身を寄せているが、特に何か大きく変わったわけではない。人がいなさすぎるせいで見たくないものが見えなくなったのは進歩だったが、満たされているかどうかだと満たされていない。

自分でDiscordサーバーを建てようと考えたこともあったが、何を話すのかを定めることができなかった。おそらくそこら辺の作業用Discordと何ら変わらないものが生まれ、興味のない会話で埋め尽くされるだけだろうというのは目に見えていた。

ここで私はあることに気が付いた。欲しかったものはSNSなんかではなく、単なるコミュニティではないのではないかということだ。そこで過去なぜネトゲでは上手くいっていたかについて考えることにした。

指向性への気づき

ネトゲには指向性があった。指向性というのは同じ方向を向いているということだ。

例えばレベル上げをしたい、より上のコンテンツに向かいたい、ボスを倒したい、金銭や経験値稼ぎで記録的な効率をはじき出したい。その時、その場、その相手によって様々なものがあったと思うし、私と相手の目的が一致していなかったこともあったとは思う。ただ、その活動を共にしている時だけは同じ方向を向いていた。

活動中はともにそれに向かって夢中になり、ほかのことなど考えはしなかった。リアルのことなんて全部忘れて熱中できる環境がそこにあった。

そこで気づいたことは、私が欲しかったものは、何かに夢中になれ、建設的で、お互いに何かしら利益のあるコミュニティではないかということだ。ただ話ができるコミュニティがあればいいわけではない。

メイクアガールという作品

そんな中で、メイクアガールは私へ一つの気づきを与えてくれたと思う。明は研究を繰り返すものの、失敗作ばかり作っていた。創造に成功した0号に対しても興味が湧かなかった。明は何に対しても興味も悪意もなかった。

これは私なのだ。私は何に対しても興味がない。そう、興味を持てる事柄をすべて失ったのだ。明にとっての水溜稲葉は私にとってのネトゲだろう。しかし、もうそこには存在しない。稲葉は死んだ。ネトゲは滅んだ。

明にとっての0号は、私にとっての仮初の興味、Twitterとかだったのかもしれない。つまり失ってもよかった存在だ。しかし明はそこで、0号は家族であり、水溜稲葉で、失ってはいけないということに気づく。

では私はどうすればいいだろう?もうやるべきネトゲはない、何より恐らくネトゲで得るものはもうない。そうなったときに私がすべきことは何か?恐らく、軸を持つこと。私はコミュニティが欲しかったのではない。軸が欲しかった。軸がなければどこのコミュニティに入ったところで得られるものはない。人々は私に興味を持たないし、私も彼らに興味を持ちようがない。

私がなすべきことは失った稲葉や0号を追い求めることではなく、次に繋いでいくこと。メイクアガールで言えば、明が茜を受け入れること、茜と家族になることで、稲葉化した0号を忘れることかもしれない。稲葉化した0号は過去に束縛する呪いのようなものにも見える。きっとその先に未来はない。

恐らくこれこそが、自分が「自分」であり、「自分」が自分として、人生の筋道を見つけていくことなのではないかと感じた。虚無の中を過ごしてはいけない。深淵に向かう街道を突き進んではいけない。戻ってはならない。過去に引きずられないように、前に一歩でもいいから進んでいく。それはもしかしたら稲葉化した0号もそうなのかもしれない。彼女はファミレスで新しい自分として頑張っているように見えた。

新しい道へ踏み出していく。例えかつて明を愛した0号の存在を忘れることになろうとも。過去に縛られず、前へと進む。それが大切なことなのではないか、私はメイクアガールを通してそう思えたと思う。

では、どうするのか?

では、どうするのか?と聞かれたら、まだそれは見えていない。ただ恐らく何でもいいので何かをやっていくことが大切なのだと思う。やらない理由を探さず、何かに取り組んでいく。

そして色々な物事に触れて、前に進んでいく。それが出来さえすれば自然と周りに人もできて、楽しく過ごせるようになるのかもしれない。

これは恐らく、このブログも同じで、むやみやたらに何でも書くよりは、もう少し絞ったほうがいいのだと思う。

きっとそうしていけば、日々の鬱憤や空虚感も徐々になくなるのかもしれない。もし取り戻せるのであれば、私は取り戻したい、あの輝いていた日々を。

いや、きっと取り戻せなくとも、少なからず、今より良くはなるだろう。そう考えて、前へ進んでいきたい。

投稿日:
文芸::ラノベ作品::メイクアガール

今月の頭にメイクアガールのノベライズを読了したものの、あまりの感情の波で感想を書けていなかったので、何とか心に整理をつけ、もう一度読み返しつつ書くことにした。あまりにも感情が揺さぶられるのでなかなか大変だった。

ある程度整理して書いたつもりだが、ぶっちゃけ全然まとまってない。これでも書きたい感情という名のノイズをだいぶ削って整理したのだが、ちょっと無理がありすぎる。安田現象と池田明季哉という人物はきっと人の脳を破壊する悪魔か何かだと思う(誉め言葉)

第3章

彼氏と彼女のあいだの問題は、本人たちが解決するしかない

これは邦人と邦人の彼女の関係性にもつれが起き、その原因である0号が自分を思い詰めていた時、0号をたしなめるのに茜が使った言葉だ。

0号は最終的に明をめった刺しにすることを決意するわけだが、その一端としてこの発言が影響したのではないかと考えている。「本人たちが解決するしかない」ならば、明をどうにかするには0号自身がどうにかするしかないというわけだ。

絵里にハンバーグプレートを届け、明に肩を叩かれる場面

この時、0号は明に肩を叩かれ、あまりの嬉しさに心臓が跳ねて飛び出そうになる。明からオーダーを言われ、返事をする必要があるのに心臓が体の中で跳ねまわっていて、言葉が出てくる前にぶつかってぺしゃんこになってしまうほどだ。この時、0号は舞い上がり、私を見て。私を認めて。私を愛して。私は明さんの彼女になります。そのためだったら何でもしたい。そう「なんでも」と心に誓う。

このときの0号は愛おしく愛らしく可愛く健気で大変かわいい。反面、なんでもするという言葉が引っかかった。非情に意志が強く見え、ひょっとしたらこれは稲葉の束縛を解くことさえできるのではないかと思ったほどだ。

そう考えると、このときの原動力が最後の場面で明へ向ける殺意につながったのかもしれない。

第4章

0号だけがどんどん成長していくことに気づく明

この時に明は、0号が自分自身にとって、マイナスに作用しているのではないか、という仮説を抱く。個人的にはそれ以前に邦人が彼女が出来たらパワーアップするという何の根拠もない話を疑ってほしかった。

まず0号はこの時まだ生まれたばかりで、そう考えた場合、成長は初期は高く、後期ほど鈍化するため、0号の成長が著しいのに対し、相応の年数生きてきた明に同じだけの成長が見られないことは妥当であろう。

基本的に明の仮説の立て方は論理的にみると間違っているところが多々あり、様々な論理破綻を起こしているように思う。それゆえに稲葉が残した情報資産を読み解き、それを頼りにしたものしか作れないのだろう。そう考えると彼が自分の意志で作ったものはほとんどなく、カップ麺製造マシーンも稲葉の発案ではなかろうか?

あれを作れるだけの論理的思考が仮にあるとすれば、こんな発想に至ることもないだろう。

第5章

……なんで人は、人を好きになっちゃうんだろうね…

これは邦人が0号に八つ当たりした後に茜から出る言葉だ。恐らく邦人の態度と、0号の様子、そして自らが明に抱く気持ちからきているのだと思う。

個人的に茜が一番かわいく見える場面の一つはここだと思う。

明さんは多分、ちょっと困っています。なのに私は。もっと困らせたい、と思いました。

これは0号が明をデートに連れ出し、服を選ばせているときの0号の気持ちだ。

明がうまく服を選べず困惑しているところを、0号は楽しんでいる。これは0号が見せる数少ない無邪気さで、とても微笑ましい。

そしてこの後、0号は好意の正体に気が付き、最早明のパワーアップより自らが明を好きな気持ちを優先するようになる。ここは気持ちのすれ違いポイントの一つだと思うが、そもそも明がまともに0号の相手をしていなかったのが悪いので、0号は悪くないだろう。むしろ「普通の女の子」を目指した結果としては正しかったのかもしれない。

ここで0号が触れた、明のことが好きという、好きってこれでいいんだという「世界の真実」は決して壊れてほしくない。私はそう思った。これだけは絶対に壊してはいけないものだった。そんな資格は水溜明にも、水溜稲葉にもない。なぜなら、私も0号同様に、それが「世界の真実」だと思ったからだ。

第6章

0号といるあいだ、僕は研究者ではなく、「普通の男の子」だった。

「むしろ0号と時間を過ごすのは楽しかった。満ち足りていた。でも、そうあってはいけないのだ。僕は研究者だから。僕が満ち足りるのは研究がうまくいったときだけであるべきだ。」と明は回想しているが、ひょっとするとこの強い否定は稲葉の意思が干渉しているのだろうか?と少し思ったりした。

彼女なんていても意味がない

ここは邦人から苛烈な言葉を受け、明が0号との決別を決める場面だ。

明は「彼女なんていても意味がない。じゃあ僕はずっと意味のないことに振り回されていたのか。」などととんでもないことを思い始める。

いや待ってほしい、ちょっと前まで「0号と時間を過ごすのは楽しかった。満ち足りていた。」とか思っていたではないか?その気持ちはどこへ行ったんだ?と言いたくなる、悲しい場面だ。

更にこの後、明は0号を生み出した自分自身に対し疑問を投げかけ、最終的に失敗作である0号がいなくなることは清々しいとまで言い切ってしまう。あまりにもむごい。むごすぎる。

しかしこの部分は映画館で二回目を見たときに書いた、アキラが0号を完全に処分しない不思議と辻褄が合う。恐らく明は0号を処分したかったのかもしれない。しかし人としての最後の情がそこまではしなかったのだろう。明にも第三人類とはいえ、人を殺めてはいけないという程度の良心はあったのだ、たぶん。

第7章

0号が明に連れられてマンションに行く場面

0号は明に誘われてデートに誘われたと思い込み、今まで誘ってばかりだったのに、やっと明のほうから誘ってもらえた。振り向いてくれて嬉しかったと舞い上がるのだが、その思いもつかの間、物語は地獄へと急展開を迎える。そう、離別宣告だ。

ここでは映画では表現されていない0号の壮絶な告白と、感情の爆発がある。0号はここで初めて明に対して明示的に「あなたのことが好きなんです!」という。明と0号は元々恋仲という関係から始まっていたため、ここだけは普通ではなかったのだ。

0号は本当は言いたくなかった。普通の女の子と、普通の男の子の関係であれば一番最初に出ていたはずの言葉が、この期に及んで出てくることが嫌だった。普通ではないことを認めたくなかった。

ここからあとは映画と同じだ。別れたくないという0号が明にしがみつき、明が生体制御を発動する。その合間にも0号の中には様々な葛藤が巡る。あまりにも非情で見ていられない。ここはそんな場面だと感じた。

第8章

あらゆる研究は必要から生まれる

これは研究というものは何かしらの必要性があって生まれるという明の持説である。そして、明は研究のために生を受けたので研究することがすべてだと言っている。

つまり明の研究には目的がないといえる。恐らく明の研究が軒並み失敗に終わるのはここが関係しているのではないかと私は考えている。何故なら研究することが目的なら、そこにゴールはないからだ。賽の河原で石を積んでは崩されを繰り返しているのと何も変わりやしない。むしろ死ぬまで研究しつづけるのなら失敗していたほうが都合が良いまであるだろう。

恐らくこれは稲葉が明を創造するときにインプットを誤ったか、そもそも明が「試作品」だったので、こうなったのではないかと考えている。

何かを犠牲にしたところで、何かが得られるとは限らない

これはおじさんが発する内容の一つで、家族を顧みず研究をしたところで、何も得られはしなかったし、家族を失ってしまったという自戒だろう。

そしてそれは明も同じなのだ。0号を捨て研究をしたところで明に得られるものはなく、0号をただ失うだけ。

家族がいたら楽しいと思って。だからこの子

「『家族』がいたら楽しいと思って。だから『この子』」「そろそろ迎えに行ってあげて」「生きなさい。『あの子』と一緒に」とは二回目の回想の場面で稲葉が明に対し告げるセリフだ。

ここだけを切り取って考えると「あの子」は稲葉自身だとは思えない。恐らく0号が尊重されているのではないだろうか?

この時点で稲葉は0号と明が共に生きてほしいと思っていたのかもしれない。まさか0号を乗っ取るだなんて、想像もできないような言い回しだと感じた。

第9章

明さんにとって邪魔な私

0号は明と別れた後、その原因が自分にあると思い自問自答を始める。

明は研究が第一で、デートに誘う自分自身が邪魔なこと。それを知りつつも明と一緒に過ごしたかったこと。それゆえに自分が明に捨てられたこと。

自分自身が普通の女の子だから。明に普通の男の子であってほしいと願ったから。本来明を普通じゃなくするために生まれてきた存在のはずが、そうなっていないということを思い詰めていた。

そして0号は自分自身の存在意義を考え始める。明に必要とされていない自分は何のためにあるのか、何のために生まれてきたのか、これからどうして生きていけばいいのか。

至極当然の考えではあるものの、普通の女の子になってほしいと願ったのは他でもない明である。明にその自覚がないとしても。個人的には0号をここまで追い詰めた明は人として最悪だと思う。人でなしとは、まさにこういう人間のことをいうのだろう。

第10章

ソルトから電撃を受け、夢から目覚める明

稲葉の介入を受けた明は全てを理解できるようになる。自らが稲葉の干渉を受けたことさえもだ。

そして、すべての失敗作が成功作に姿を変える。もしかしたら失敗作扱いだった0号が、後に家族になるのはこの筋道に沿っているのかもしれない。

自分を0号の母親だと思い込む明

何もかもが支離滅裂だが、明は0号の生みの親が自分であるから、自分は母親であり、母親であるからして0号が慕うようになるのは当然だという考えを抱くようになる。あまりにもひどい妄想で、ここまでくると、もう手遅れだと思った。

そして母親と別れなくてはならない恐怖、期待に答えられない不安、それを誰よりも知っているのは自分だ。だから0号に謝らないといけない。共に生きていく家族になりたいと思い始める。

ここが最大のすれ違いであることに未だに明は気が付かない。それは明の本意であり、0号の本意ではないということに。

この時点で明と0号が向いている方向はまるで正反対で、どちらにも救いはないのだが、個人的には諸悪の根源でかつ、0号をあそこまで捻じ曲げた明には同情の余地がなく、0号にこそ幸せになってほしいと思っている。これはメイクアガールの映画・ノベライズの媒体を問わず、一貫して持っている私の信条だ。

第11章

心の機微を読み取れるようになった0号

茜が不機嫌なふりをして、邦人がそれを茶化すことを理解し、キッチンもホールもできるようになっていた。0号はそれほどまでに成長した。0号は人間として間違いなく圧倒的な成長をしていた。完全に「普通の女の子」だった。いや、普通以上だろう。何せ茜がベースなのだ。平均より努力している。

恐らく茜から明への想いも理解していたのではないだろうか。理解していたとしても一切その発露がない当たり、気にしてはいなかったとは思う。明は0号のものなのだから当然だ。

絵里に拉致される0号

0号は絵里に拉致され、自分を見つけた自分と、そこにたどり着けない自分について葛藤していた。

0号は明から放逐された後、いろいろと考え、もう自分は明に縛られていないことに気が付く。

一人の人間として自分のことは決めていい、着る服も、観る映画も、そして愛する人も。全て自分に決定権があることに気づくことができるまでに成長していた。自分は自分のために人生を歩んでいいのだと。この考えは完全に明の設計の範疇から離脱していた。

しかし同時に、茜と違って自分は普通の女の子ではないところから、普通の女の子になったことに葛藤を抱いていた。第三人類だから、人間ではないから。そもそものスタートから違うから。

それ故に0号は0号という枠から脱せずにいた。そしてやはり0号は明のことが好きで、これ何をどうしても引きはがせない思いだとも感じていた。

0号はただ普通の女の子になりたかった。そんなささやかな思いさえ叶えられない自分に苛立っていた。

自分が自分であること、自分が自分でないこと、明のことが好きなこと、拉致されているこの状況から明に助けてほしいこと、0号の思いは酷く交錯していた。

そして眼前に明が現れ、拉致犯を止めたとき、私がずっと出会いたかった人に会えたと0号は思う。やはり0号は明が好きなのだ。

仮にそれが設計された感情であろうと、明のことが好きなのだ。ただただ一途に明が、明でないとだめなのだ。

私を作ってくれた明さん、それは唯一無二の明さんで、0号にとっては外の何物にも代えがたい、かけがえのない存在だった。

第13章

明が0号の拘束を解き開放する場面

明と0号の想いはすれ違い続け、この時点ではもはや修復不可能な次元に達していた。明の言葉はことごとく0号に届かず、虚空に消えた。

0号は「普通の女の子」になろうと努力し、茜や邦人との関係の中で「普通の女の子」になった。「明さんのことが大好きな、普通の女の子」に。しかし明は「作り物」としか見てくれない。

明にとっての0号はパワーアップアイテムでしかない。0号はその境地に至り、明のすべてを諦めてしまう。

一方で明は0号と家族になりたいと思い込んでいて、0号もそうだと考えている。未来永劫平行線だ。

結局、0号を否定することしかできない明はめった刺しにされてしまう。

生体制御が限界まで発動し、薄れゆく中でも最期まで明への愛を持ち続ける0号の姿は、皮肉にも0号が真に「人間」になったことを示している。0号は稲葉の生体制御さえもはねのけ、明よりもよっぽど人間になったのだ。しかし0号は息絶えてしまう。仮に天国に行ったとしても明がいなければ地獄であるという想い。なににも代えられない、明への感情を残したまま。

ああ、なぜ明は分かってあげられなかったのか。どうして0号はこうまでなる必要があったのか。私はただただひたすらに悲しかった。どうにかなってほしかった。こんなのあっていい結末ではない。

映画のほうの感想でも散々言っているが、これこそがメイクアガールだと思う。これでこそメイクアガール。この醜さと、そしてそれにより映し出される美しさこそがメイクアガールなのだ。

第14章

0号の本当の想いに気づく明

滅多刺しにされ、意識が途絶えた0号を介抱する中で明は0号の抱いていた、証明しようとしていた、本当の想いに気づく。そしてそれを否定してしまった自分自身のことも。切りつけられたのは当然と納得する。なんとも淡泊な人間である。だから何に対しても悪意がないが、興味もないと評されるのだ。

そして明は最初から彼女は求めていなかったことに気がつく。最悪だ。0号は永遠に報われない。こんな結末があっていいわけない。

後悔はたくさんあるけど0号が目覚めたら君は家族なんだって気持ちを伝えたいとまで言う。そう、明はまだ0号の気持ちを認めない、この期に及んでもなお自分の身勝手を押し付けるのだ。

エピローグ

不老不死を目指した水溜稲葉

水溜稲葉の不老不死への執着が生んだのが水溜明という第三人類の試験体だった。当初は稲葉のクローンとして設計されたが、稲葉は次第に実の子として愛情を注ぎはじめた。

しかし稲葉には残された時間が少なかった。そこで意識転写のついでに明に次世代の自分を作らせようとデータを残した。

そして生まれたのが0号だ。しかし稲葉の計画は失敗し、明は0号を恋人として設計してしまった。稲葉にとってはこれは想定外の出来事だった。

稲葉はあらゆる手を使って意識の書き換えを狙うが、すべて不毛に終わった。しかし、稲葉にとっては幸運なことに0号の意識が失われるイベントが発生した。そう、明を滅多刺しにした後でのことだ。

この隙を狙い、稲葉はソルトを用いて0号の意識を自分の意識で上書きする活動をはじめ、復活を遂げる。あまりにも最悪なシナリオだ。しかも稲葉は0号を消し去ったうえで、永久に生きたいと言う。

明という一人の家族と一緒に消滅と再生と、別離と再会を未来永劫繰り返してさえも、一生生きていたいという。あまりにも残酷で、最悪な結末だ。

恐らく映画とノベライズではシナリオに細かい差異はあるものの、大筋は同じなのだろう。しかし、私にはノベライズ側は受け入れがたい、辛いシナリオだった。これでは0号が報われない。余りにも非情で残酷だ。恐ろしいまでに救いがどこにもない…一切何ら救いがない。ここまで救いがない物語は初めて見たかもしれない。それくらいに非情だった。

頼むから0号を返してほしい…明は0号を自死に追いやった殺人犯のようなもの。そして明は0号を失い、そこに稲葉を求めるのだろう。しかし私は0号が好きだった。0号を返してほしい。

総括

全体を通して思ったのは、自分とは何かを追い求め、自分を見つけ、自分が「自分」であり、「自分」が自分として、人生の筋道を見つけていくことだ。

0号は生まれ持った命題をこなすうちに、新たな自分を見つけ、そして「自分は自分の人生を生きていい」ことに気づき、生まれた命題を塗り替えるにまで至る。これは大変すさまじいことだと思う。並大抵の努力ではなし得ない、全ては明への愛から生まれるものだ。明が好き、明から自立したい、普通の女の子なりたい、それでもやっぱり明が好き。そういった思いを源泉として成り立ってきた歴史から生まれたものだと思う。

同時に0号は頭では理解していても、感情が追い付かない場面にも遭遇する。自分が明に捨てられたことを理解しつつも、明のことを嫌いになれない。世界で一番大好きな明さんを忘れることは0号にはできなかった。この感情こそが0号を愛らしい存在へ消化させるための要素といえるだろう。

そして映画版のほうでもう何度書いたか分からない感想だが、0号が明を滅多刺しにする場面や、0号が消えてなくなってしまう場面では余りにも悲痛な描写がされるが、これこそがメイクアガールをメイクアガールたらしめている部分だと感じる。0号が追い求めた本当の愛からくる尊さ、そしてどこにも救いのない物語。まさに美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい物語だと感じる。

またノベライズの肝だと思うが、一番最後のエピローグで出てくる水溜稲葉という人物の地獄のような思想はなんとも許しがたい。こんなストーリーはあっちゃいけないんだというレベルの残忍さを覚える。私は0号に戻ってきてほしい。0号と明は「普通の女の子」と「普通の男の子」として生涯を幸せに過ごしてほしい。不老不死になる必要もない。年老いてちゃんと鬼籍に入ってほしい。復活しなくていい。

脇道:作品を読んでいて感じたこと

自分とは何かを追い求め、自分を見つけ、自分が「自分」であり、「自分」が自分として、人生の筋道を見つけていくことは決してだれにも邪魔されず、もし自分が作られた存在、その意義が他者にあろうと、自分は自分の人生を生きていく。つまり、生きがいを見つけ、そうやって生きいくと、自分の人生を歩めるかもしれない、私はこの作品を通じてそう言う想いを抱いた。

個人的には自分としての生き方を問い直す契機となる作品だったように思う。自分が何であるか、それを問い直す良いきっかけになった。別に「何者かになりたい若者」みたいな話ではなく、自分という芯は必要だなということだ。

私は優柔不断な部分が多くあり、普段は何でも屋みたいなオールラウンダー的な生き方をしているが、MMORPGを辞めて以来、何か一つに集中できたことがあまりない。そんな中で明だけを見つめて生きる0号には一種の羨望を抱いた。ただ、羨望していても仕方がない。私も何かを定めて、何かを為さねばこの先はない。それは主に社会人としてのキャリアもだし、人生もそうだなと思ったのだ。

別に生きるのに目標や目的はいらないと思う。義務感で生きるのはしんどいしね。でも、それはそれとしてだらだら時間を浪費しているのもったいないとも感じる。資本主義の荒波に流されているだけでいいのか?自分自身を持ったほうがより充実しないか?というのは前々から考えていた。この作品を通じて、その考えをより固めることができた。

AI(LLM)の台頭する社会であるからこそ、自分が自分であることを持つことには意義があると思う。何故ならLLMに頼っていては最終的にはLLMのモデルの数程度に考えが収束してしまうからだ。LLMは言葉尻を変えた回答や噓をつくことはするが、基本的に本質的に同じことしか話さない。

人に嫌われようとどうなろうと、人間には独自性が必要だと思う。つまり、自主性だ。己の思ったことを、己の思ったとおりにする。それこそが人間を人間たらしめる行為だろう。

メイクアガールを観てきた 五回目の続き。

去る3/23、今回は山口は宇部に飛び、シネマスクエア7でのセカンドランを鑑賞してきた。メインは感想なので手前に持ってきているが、後半に簡単な旅行記も書いている。

感想

いったい何遍書いてんねんという感じだが、流石に鑑賞ごとの感想はこれでラストにしたいと思っている。

今回も特に前回までの内容を深ぼったりはせず、見たままの感想を書いていく。これまでより0号と明以外にも焦点を当て、0号と明にはより焦点を当てて書いてゆく。

前回同様に感想はノベライズの影響を少なからず受けているため、そちらに引っ張られたようなことも書いている。

「いきなさい、いきなさい。いきるの。私と。」

ここは行きなさいなのか、生きなさいなのか、逝きなさいなのか、見方で解釈が変わるなと常々感じている。これはここに限らず、「いきなさい」が出てくる全ての場面でそう思う。

「生きなさい」と解釈する場合「生きなさい、生きなさい。生きるの。私と。」というのは明が稲葉と共に生きて欲しいという、稲葉からの想いなのかもしれない。

つまり第三人類として稲葉を作り、一緒に生きて欲しいということだ。口調が命令形に見えるのは、恐らく明が稲葉に作られた第三人類で、稲葉の意思を無視できない設計になっているところがあるのだろう。

ただ恐らく明は0号同様に生体制御を振り切れる状態になっているか、造られて以来、長い時間が経ちすぎて、稲葉の意思が薄れていて、あまり効力がなかったりしそうだ。

そういうのは経験しないと知恵として昇華されない

「そういうのは経験しないと知恵として昇華されない」は邦人のセリフだが、これは昨今LLM界隈で少し話題になっている記号接地問題に通ずるものがあるなと思った。

記号接地問題というのは、その言葉(記号)を現実の意味として紐づけられるかという問題のことらしい。

モップ掛け

明にモップ掛けはもうしなくていいと言われた後にも、言いつけを守らず果敢に挑戦する0号の姿には、邦人に言いつけられた「自主性」が見事に表れていたと思う。

何よりここでソルトに対して、「あっち行け。しっし。」みたいに振舞うところは何ともかわいらしい。ここは、前後の神社の階段を上るとこと合わせて、この作品で最も好きなシーンの一つだ。

初のホールで明に頭をポンポンされる0号

ノベライズでは心臓が跳ねて、ぺしゃんこになるほど緊張しているみたいな描写があったが、映画では明確に嫉妬したような表情になっており、ちょっと表現が異なると思った。

ここ以外にも幾つか異なる場面が見られるため、恐らくノベライズは完全に同一シナリオとしてみるよりは平行世界のシナリオとして解釈したほうがいいかもしれないと思った。ただお互いに何かしら重力のようなもので引きあう関係にはあると思うので、解釈が難しいところだとは思う。

個人的には映画は映画として、ノベライズはノベライズとして解釈するのを推したい。といっても一度ノベライズを読むと脳裏にノベライズの内容が刻み込まれるので難しいが…w

買い物に誘う場面

0号が明が買い物に誘いデートする場面で明が行くのを断ると0号はムスッとした顔になるのだが、ここはやはりかわいいなと思った。いや、0号は常にかわいいのだが。

離別のために離れたマンションに連れていかれた場面

「どうしてあなたは私から離れようとするんです?」
「あなたは私を恋人として作ったんじゃなかったんですか?」
「これはあなたにとっても計算外のことなのではないですか?」
といった0号から明への感情の発露はとても切なく、それだけに心に刺さる場面だ。

また明が「いつからだ。いつから君は。僕の前を歩くようになったんだ。」と回想する場面もノベライズにない部分だ。これは恐らくノベライズでは明視点のシーンを除き、基本的に0号視点になっているのためだと思われるが、こういった箇所からも原作完全再現ではなく執筆を行った池田明季哉氏の解釈が入っていることが垣間見える。

そんなこと。僕にかまうのはやめろ!

このセリフは0号がまとわりついてくるのを邪険にした明のセリフだが、この発言で0号の生体制御を発動させることができるのであれば、終盤0号に滅多刺しにされている場面ではこの動きがなかった。要するにあの時は能動的に発動していなかったのではないだろうか?

この後に出てくる「母さんの開発は主の意思に逆らえないようにできている。」というセリフと共に回想シーンに入り、ラボでおじさんが落ちた片腕を呆然と眺めている場面があったと思うが、これはおそらく明が稲葉に何かしら抵抗し、その時に明の片腕が生体制御によって破壊された記憶なのかもしれないと思った。

これまでの鑑賞から明が稲葉によって作られた人造人間であることは明らかであり、このことはノベライズでは明示されている。

つまるところ、恐らく明は知っているのだ。生体制御の苦しさを。知っているからこそ、それがどれほど辛く苦しいか、死ぬほどなのかを理解しているのではないかと感じた。

稲葉との二回目の回想

回想の中で明と稲葉がやり取りする場面だ。個人的にここは水溜稲葉の意思が明と邂逅するシーンだと考えている。

「記録じゃこんな話はできないでしょ。」
「研究はこの子に託した。この子が私になってくれる。明くんが大きくなった姿も見てみたかった。」
「困難に当たるとき、そういう時、家族がいたら楽しいかなって。」
と稲葉が言っているのを察するに、恐らく稲葉の意識は生前で止まっており、ラボのサーバー群の中に封じ込められているのだと考えている。

なので、生前の状態では対話できる。しかし、明の現在の姿を見たりすることはできない、或いはそれを記憶することができないのかもしれない。これはソルトを遠隔操作して接触できたとしてもかなわないことなのだろう。

この後、明が稲葉に対し「またこうしてお話しできますか?」と聞くと稲葉は「生きなさい。あの子と一緒に。」と返す。冒頭の「生きなさい、生きなさい。生きるの。私と。」の流れから考えると「あの子」は0号なのか、稲葉なのか気になるところで、稲葉はどちらの意味で言っていたのだろうか?

ノベライズ基準だと恐らく稲葉だと思う。映画基準では稲葉が「仲直りしたら?」と発することから、それは0号なのかもしれない。かもしれないというか、そうあってほしいという私の願望だ。だって0号が稲葉にとって代われるなんて、そんなの嫌じゃないか…。

ラボで茜と邦人が明を起こしていた時

邦人が「大丈夫だって、あの二人はそういうんじゃないんだよ」と茜に告げているときがあるが、もしかして邦人は茜の明への想いを分かったうえで、茶化していたのだろうか?と思った。だとしたらいつからなのだろうか?物語が始まるより前からなのか、その途中なのか。或いは、この茶化していた時に感づいたのか、それはわからないが、以外と邦人もわかってるやつなんだなと思ったし、ここからの流れは微笑ましいなとも。

邦人は恐らく純粋な悪友キャラとして設計されていて、それが最もいかんなく発揮されているのが、この場面だなと感じた。

茶ソルトからの支援

明が0号を探しに行き、そこから茶ソルトが支援に回る時の場面で、茶ソルトの目はずっと黄色に光っていた。黄色に目が光るときは主人への犯行が表れている時だと私は解釈しているが、だとするとこの時は何かしらの命令に反していた状態だったのだろうか?

少なくとも最後に壊れたのが、もしそれが理由だとしたら、これは何故なのだろうかと思った。

個人的にあのソルトには稲葉の意思が宿っていると考えているが、もし稲葉の意思のクローンみたいなもので、稲葉の意思に反抗して動作しているとすれば納得できるかもしれない。或いは市中のシステムをオーバーライドするのが主従を無視した状態ともとらえられるかもしれない。

なんにせよ考察し甲斐のあるポイントだと感じた。

明と絵里の対峙

「親譲りの才能、恵まれた環境、きらびやかな成果物、私も頑張ってきた」と明に当てつける場面があるが、ぶっちゃけ絵里は明の作ったものを改造する程度のことしかできていなかったので、研究者としてみるとどうなのか?と思ってしまうところはあった。

最後の最後までソルトの改造しかできていなかったのだ。ある程度自律的に動く人型ロボットは今の世でもBellaBotの様なものはあるわけで、ソルトの機体を真似して殺戮マシーンくらい作れただろうし、あそこまで作れたのに自身は特に凶器を持っていなかったのも不思議だ。

まぁ、ここはストーリー上の整合を合わせるためなのだろうから、深く気にしないほうがよさそうだ。

0号の反撃と、たじたじになる明

前述したとおり、ここでは明は以前のように明確な停止命令を出さなかったと思っている。

また過去何回も書いた部分でもあるが、やはりここは0号から明への気持ちと、明から0号への気持ちの交錯が、なんとも切ない。平行線を辿り、交わらない想い。分かり合えない二人、ボーイミーツガールの神髄の様なものが、ここには詰まっていると思う。

「私は謝ってほしいんじゃない、認めてほしいんです。」
「やめてほしいですか?」
「当たり前だろ。」
「いやです。」
「やめてくれ、生体制御が痛めつけるのをよく知っているだろう。」
「はい、明さん。とっても痛いです。」
「なんで明さんは信じてくれないの。こんなに頭が明さんだらけなのに。」
「それならできるのは抗い続けることだけです。」

0号だって、明が認めてくれないこと、彼女として、恋人として見てくれないことをやめてほしかったに違いない。しかし明はこの時点で0号のことを家族だと思っていた。まだ妻なら救いもあったものが、家族とはいったい何だろう?流れ的に母親だろうか?

どの道、この時点での明に救いはなかった。殺されていてさえよかったとも思えるほどに0号に対しての興味や関心がなく、何の悪意もない。それこそが0号が厭がる明の姿だった。0号は明に代わってほしかった。でも0号は人は簡単には変われないことを、明を嫌いになれず、好きなままで、またあの時に戻りたいと願う、自らの経験からも熟知していた。

明の目が黄色くなる瞬間

「私は、私の想いが本当だって信じてほしいんです。」「だから明さん、私はあなたに逆らえます。」

ここで明の目が黄色になる。もしかしたらこの時、明は0号に対して何かしら攻撃の意図を持っていたのかもしれない。そう、明が0号を認めない、否定し続けることへの何かしらの生態制御。或いは稲葉からの何かだったのかもしれないが、この場面についても考える余地はありそうだなと思った。

ちゃんと証明しますから。人の想いは制御できないって。

一体これほど悲しい場面がほかのどこにあるだろうか?明は0号が死ぬことさえ予期できていたはずなのに、それでもなお、0号を認めなかった。どうして、何が彼をここまでさせるのか、とにかくひたすらに悲しく、私は0号にだけは幸せになってほしかった。

そして稲葉からの「明くん、生きなさい。生きなさい。一緒に。」というメッセージもよくわからない。メタ的だとは思う。これは0号により強い生態制御をかけるためのおまじないみたいなものだったのかもしれない。明の中にも眠る稲葉の意思の様なものがそうさせたのか、或いは横にいたはずのソルトからの干渉なのかまではわからない。

倒れる0号と、介抱する明

ここは本作で最も美しい場面といっても過言ではないだろう。

「明さんの勝ちです。私の想いはニセモノ…。」
「そんなことない、君は僕なんかよりずっと―――」

果たして明はここでなんと続けたのか。もしかしたら「人間」と言いたかったのかもしれない。つまり、ここで明は自分自身も第三人類であることに気づいたのかもしれない。それまで明は自分自身を人間だと錯覚しているように見えたので、このタイミングで、そういう風に自分を見返していても不思議はないなと。

明は明らかに人間として欠落した要素がある。半面、0号は人としては普通で、何ら問題ない境地に達していた。それゆえに、自分が第三人類であると自覚したうえで、「人間」とはなったのであれば不思議もないだろう。

ここから先は感想というより、観た人がそれぞれ解釈し、次に繋げていく、要するに二次創作の領域なのかもしれないと思ったりした。

おかえりなさい「明くん」

0号は意識を取り戻さないが、身体的には生存している状態、いわゆる植物状態になっていた。

そんなある日、0号が部屋から消え、明は0号を叱ってやろうとなど考えながらも急いでラボへと向かう。すると、そこにいたのは0号の姿をしているが、どこか違和感のある0号だった。

明に気づいた0号が『おかえりなさい「明くん」』という謎めいたセリフを残し、ここで物語は終わる。

どう考えてもこれは稲葉だ。これは恐らく明にとっては望んだ結末だった。しかし0号はどうだろうか?

もうここに0号はいないのだろう。稲葉の意志だけがある。

「生きなさい、生きなさい。生きるの。私と。」の通りになってしまった。明は0号にめった刺しにされながらも「生き続けた」、つまりここが「生きなさい、生きなさい。」なのだと思う。

そして稲葉はここに蘇り、「生きるの。私と。」に続くのではないだろうか?

いったい0号はどこへ消えたのだろうか?稲葉に屠られたとでもいうのだろうか?

非常に悲しい結末で、胸が苦しくなる。胸が痛い。とっても痛い。

ボーイミーツガールといえば男女が出会い、色々あってデートをしたり、また別れたりして、最後はくっついたり、或いは何か明るい未来に向かっていくのが王道だが、メイクアガールはその道をかき消した作品だと思う。もうそこに0号はいないのだ。

変わってしまった0号

エンディングを見ると0号だった人物は、その後もファミレスでバイトをし、0号ではなくなったため、様々な失態を犯しているように見える。しかしこの時はまだ、誰も0号が0号でなくなったことには気づいていなさそうだ。

明でさえも普段通り暮らしているように見える。まぁ明は興味関心に乏しく鈍感そうなので仕方がないかもしれない。

こういった場面を見ていると0号の意識が少しは残っているのだろうか?とかも思うのだが、稲葉が0号の記憶を読み解き行動しているだけかもしれない。

少なくともこの0号らしき人物は、その素性を周りに対して明らかにしていないことは明白なので、稲葉なのか、0号なのかははっきりしない。

しかし最後に稲葉の姿が被る場面があり、稲葉と同様の行動をとっているあたり、きっと、もう完全に稲葉なのだろう。0号の記憶が混濁していたり、意思が少しでも残っているといいのだが、なんにせよ、もうきっと0号はいないのだ。

余りにも悲しい。非情な物語だ。しかし、この不条理こそがメイクアガールをメイクアガールたらしめる要素なのだと思う。終わり方としてはさっぱりしている。

全体を通しての感想

明は元々恋人を求めておらず、しかし恋人を作ってしまった。これはいわゆる「ドリルを買いに来た人が求めているのは、ドリルではなく穴である」や「顧客が本当に必要だったもの」案件だろう。自分が本当に欲しいものは中々見えず、手段と目的が逆行するのは世の常だ。

このストーリーは明の壮大な勘違いから生まれた0号が、その成長の過程で明の本心を気付かせるものなのかもしれない。

そうして明は家族が欲しいことに気が付き、0号は水溜稲葉となる。そう考えればハッピーエンドだ。そう考えることができるのならば。

私には無理だ。あれだけ明を慕っていた0号がいなくなってしまう。明を殺したいほど愛していて、明がいないと生きていけないほどだった0号が、そこまでの愛を抱いた0号が消えてしまう。それは切なく、儚く、最悪で、そして0号となった稲葉に対しては最悪という感情しか湧いてこない。

なんてことだ…。こんなことはあってはならない。0号を返してくれ!とさえ思う。ただ0号が帰ってきたところで明は0号を恋人として認めないので報われることはないのだろう。そう考えるとこの形での決着は望ましいものとなる。

しかし、それでも私は0号に帰ってきてほしい。帰ってきてもらってもどうにもならないのもわかる。しかし明に改心してもらって0号と余生を過ごしてほしい。そう思うのだ。

そして、そうならないこと、このジレンマこそがメイクアガールの本質だと思う。だからこそいい。素晴らしい。こういった酷さがあるがゆえにメイクアガールは美しい。

メイクアガールを観てきた 五回目にも書いたことだが、だからこそ「世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい。」作品だと思うのだ。

きっと脳を灼かれたり、感情がぐちゃぐちゃになる作品というのは、こういう要素が一定あるのだと思う。

わざわざ宇部まで見に来てよかった。間違いなく、そう思わせてくれる作品だった。4月11日から塚口サンサン劇場でも上映が始まるが、そちらも是非見に行きたい。ブルーレイが出たらそれも買いたい。

余りにも感想を書きすぎているので、恐らく次回はもう書かないと思う。純粋な気持ちで作品を鑑賞し、最後の映画館での鑑賞としたい。それとは別にノベライズの感想は書いていきたいので、また書くかもしれない。

シネマスクエア7までの行程

新神戸から新山口まで新幹線で行き、そこから宇部線で宇部岬へ向かい、そこから徒歩でシネマスクエア7に向かうといった内容だ。

旅の始まり

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旅は新神戸から始まる。三宮に住んでいると新神戸が近くて非常に助かる。

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この日は九州新幹線さくらに初の乗車をした。

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軽めの防寒具として以前買った、U.L.トラベルダウン ハーフコートを持ってきたが、小さくたため適当な場所に引っ掛けておくのに便利だった。

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さて、鉄道の旅といえば駅弁は外せない。淡路屋で春限定の弁当を買った。これは行動量が多いからボリューミーなのがいいだろうと選んだ。

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内容は大変豪華で、いかなごのくぎ煮や桜餅、鱚の南蛮漬けっぽいもの、煮豆、桜人参入りのすき焼きに、季節感あふれる煮物に塩鮭、そして季節感あふれるばら寿司。どれも美味しく目でも舌でも楽しめる一品だった。

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飲み物を買い忘れていたが九州新幹線にはまだ自販機があるらしく、事なきを得た。

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新山口につく前になると転車台が見えた。今時珍しいなと思ったが、単行が目立つので車庫の代わりにしているのかもしれない。転轍機複数持つよりはローコストだろうし。

新山口に到着

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そんなこんなで新山口に到着。

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駅の南側にはホテルと塾くらいしか見えず、北側もぱっと見そんな感じだった。新山口は姫路よりも停車が少ないらしくさびれていた。

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新山口駅では手ぶら観光なるものができる立て看板があった。

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これから行く宇部線ではICが使えないことも知った。松山駅にはなかった気がするので、完全にICがないエリアと、混在しているエリアの差を感じる。とはいえ、同様の加古川線や播但線もここまでのものはなかった気がするが、まぁ駅の規模の差とかなのだろう、きっと。

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さて、こういう時帰りに土産屋が閉まるのを散々経験したため、あらかじめ土産屋を物色する。フグの刺身は売り切れだった。

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帰りの駅弁を買っておこうと思うものの。こちらも売り切れ。

宇部線へ

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新幹線のホームから宇部線は離れているらしく、連絡通路を歩いていたら透明な消火栓を見つけた。オシャレだし故障が一目でわかって便利かもしれない。

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連絡通路から在来線ホームを一望してみるとかなり広いことがうかがえる。新幹線が通過する割にでかい駅だ。

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しかし改札は少なく、券売機もたった三台。

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行先表示も二行しかないことに閑散具合を見ることができる。

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さて、往復の切符を買い、改札を抜ける。

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この時になるとジャケットを入れたスリーブはカラビナに引っ掛けていた。松山でも思ったことだが、やはりこのカラビナは便利だ。

宇部線乗車

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しばらくすると宇部行きの電車がやってきた。宇部線はラッシュ時以外は一時間に一本、運行していない時間もある路線だ。

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車社会だし、この本数ではあまり使ってる人はいないのだろうなぁと思っていたが、意外と乗車客は多かった。

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さていよいよ乗車する。宇部線経由と書かれているが、宇部線しか走らないのでは…?などと考えていた。

宇部線車内

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まず目に入ったのは福知山線ではおなじみの整理券発券機だ。

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整理券があるということは当然運賃箱もある。

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扇風機があって琴電のようなレトロさを覚えた。

宇部岬駅

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一時間ほどの乗車で列車は宇部岬駅に到着した。駅には意外と人がいた。

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改札はしょぼかった壬生川駅を、さらにしょぼくしたような感じだ。

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駅は全体にレトロ感が漂う。

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駅舎も雰囲気があっていい。

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駅前は居酒屋が一個ある程度で特に何もない。

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ここが鉄道駅であることを示す居酒屋があるのはいいなと思った。

特に写真は載せないが、この駅のトイレには紙がないので、駅のトイレを使う場合は要注意だ。この駅は無人駅だが、トイレ自体は綺麗で、段差のある和式が一個ある感じのやつだった。

シネマスクエア7

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駅の脇道を抜け歩くこと5分程度、シネマスクエア7が見えてきた。

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やっと来れた。少し感慨深い気持ちになった。

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シネマスクエア7の入るフジグラン宇部の中に入り、シネマスクエア7の前に来たところ。

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NOW SHOWINGに光るメイクアガールの掲示が美しい。

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グッズもセカンドランとは思えないほど充実していて、なんとクリスタルアートまで揃っていた。

メイクアガール入場開始

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開場の瞬間は誰もいなかったが、あれこれ撮影したりしてる間に一名に先を越された。手落ちである。

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しかし事前予約では9席あったので、まぁ後からくるのだろうと思った。実際上映開始前には10席埋まっていた。

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シネマスクエア7はレトロでいい感じだ。

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今回もぬいを持ってきていたので一緒に撮ってみた。

シネマスクエア7の座席は段差が少なく足元が広いタイプで、塚口サンサン劇場が近いと感じた。キノシネマ神戸国際ほど平坦ではないと思う。

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シネマスクエア7では一週目の特典も配布されていた。一週目にもらったものと合わせて三枚になったのだが全部「0号?」なので、もし4/11~上映の塚口サンサン劇場で配布があるとしたら「0号」のほうをゲットしたいところだ。

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またグッズ販売もセカンドにしては充実しており、クリスタルアートをはじめ、多くのグッズが揃えられていた。

帰路

上映が終わると19時手前になっていた。辺りは暗くなっていた。

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宇部岬駅に戻ってきて待つこと一時間弱、新山口行きの列車が入ってきた。

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新山口駅に着き新幹線乗り換え口に向かう。発車案内には新大阪行き最終電車が表示されている。そう、最終電車で帰るのだ。

このあと新幹線改札をくぐる時に簡単なトラブルがあった。それは新幹線はEX予約でとっているので本来改札なしには入れないのだが、切符で入ってきているため改札ではじかれてしまったのだ。

駅員に聞いてみるも半ば困惑気味に、切符を通した後にICを通せばもしかして通れるかもしれないと言われ、試したらなんとこれで通れた。これはちょっとした裏仕様っぽくて面白かった。

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改札を抜け、またもや待つこと一時間弱。ついにそれはやってきた。新山口発、新大阪行き最終電車。おそらく東京から来た人ならもう帰れないやつだ。

今回の旅では列車の接続に概ね一時間弱かかり、合計で三時間ほどの余白があったが、一回一回が中途半端すぎて地元のお店に入ったりできなかったことが残念だった。機会があれば次はふぐとか山口らしいものを食べてきたいところだ。

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そして無事新神戸まで帰ってこれた。

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改札はこの時間の割には割とごった返しており、意外とこの時間でも使う人がいるのだなと感じた。

お土産

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宇部かまのかわいらしい紙袋で持って帰ってきた。

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かまぼこやふぐうどん、お茶漬けのもとに地元の銘菓っぽいものを軽くそろえてみた。

メイクアガールを観てきた 三回目の続き。四回目の記事を書いていないため、今回の記事は三回目から飛んで五回目となっている。

去る3月1日、チネチッタでメイクアガールのスペシャルスタッフトークショー付き上映が行われたので、それに参加してきた記録とか、映画への想いとか。ちょうどノベライズを読み終わったところなので、そこへの想いもちょこっとだけ。

チネチッタへ

この日は朝から予定が入っており、10:30には終わる手はずだったが、30分オーバーした時のことを考慮して11:16発の新幹線で新神戸から新横浜に向かう予定だった。Yahoo乗換案内によるとこの予定では上映開始10分前にチネチッタにつく計算だった。

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この予定は的中し、見事予定通り…となったものの、新神戸まであと少しのところで忘れ物に気が付いてしまい、どうにかなることを信じ、引き返したものの、余裕で間に合わず、一本後の新幹線に乗る羽目になった。開幕から中々の有様だったが、時刻表の読み合わせを行った結果、当初の予定時刻に到着できることが分かり、事なきを得た。

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ギリギリで乗車車両を変えたため窓際が取れず、富士山は通路側の席から窓際の人の頭を避けて眺めることになってしまった。

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なんとか11分前にチネチッタ前に到着でき、無事事なきを得た。駅前にチネチッタへの行き方が一切なく、土地の形から推定していったため無駄に遠回りしてしまったが、一種のテーマパークにも見える雰囲気のいい場所だった。

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そしていつもの上映前の写真撮影。今回は人生初のぬい同伴だ。このぬいを取りに帰るためだけに時間に間に合わなくなるリスクを冒したので、その甲斐はあったと思う。たぶん。急いでカバンに入れたので0号の髪がやや乱れているのが申し訳ない。

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そして上映終了後のトークで映し出されていたスクリーン。みんな撮っていたのでたぶん撮っていいものだと思う(適当)

しかし、がんばっていきまっしょいで松山に行った時も大概だったが、今回も川崎ということでずいぶん遠くまで来てしまった。しかも神奈川は今まで通過したことしかなかったので、これが初上陸であった。

鑑賞五回目の感想

そんなに書くことないかなと思っていたが、書こうと思えばつらつら出てくるもので、これがメイクアガールの恐ろしさだと感じた。

終盤のシーンに関して

0号が明と別居し、海中と話すシーンで「そんなのわからないですよ。できるかもしれないじゃないですか」というシーンがあり、この時の0号はまだ明とやり直せる可能性を考えていたと思うが、恐らくこの感情は海中と明が対峙し、海中のソルトが破壊されたことで砕け散ったと思う。あのシーンはあまりにも残酷だったし、あの状況でも0号が言葉を紡げ、さらに明への想いを募らせ続けられていたことは本当にすごいことだと思う。

この終盤のシーンでは0号は明の恋人になりたい、明のことが好きという変わらぬ想いがあったのに対し、明は0号と家族になりたいと考えており、最後まですれ違う思いは解消しなかった。何より、0号が私の気持ちを信じてほしいと言ったのに「わからずや」だとか「だから君はそういう風にできてない」と返す明は本当に救いがない。そしてここから0号は「私逆らえます」と言い、明への攻撃姿勢に完全に転換する。

このすぐ後に明は「話し合いがまだ足りない」などと詭弁を言うが、話し合いならもう十分にしただろうと思った。明は「混乱している」とも言っていたと思うが、それは明だけの話だ。0号は一切何も混乱していない。ただただひたすらに明のことが好きで、頭から離れなくて、この想いが作り物でないことを信じてほしかったんだ。

明が混乱しているのは、おそらく明は0号のことを勝手に家族扱いしようとしているが、0号は恋人としてみていること、そして海中の戦闘や、それまでの非日常的な光景などで頭の中がぐちゃぐちゃになっていたからだろう。しかし0号にとっては明がすべてで、明のこと以外はどうでもいいのだ。これが決定的な二人の間にある意識の乖離だと思う。本当にこればかりが悲しくて、メイクアガールは罪な作品だなと思った。余りにも純粋で、酷で、堪らなく愛おしい、この作品はそんなラブストーリーなのだ。

決して実ることない0号と明のラブストーリー、どこまでも救いがなく、だからこそ美しい。

私が好きな小説の一つにキノの旅という作品があり、この作品には「世界は美しくなんかない。そしてそれ故に、美しい。」という祝辞がある。メイクアガールは、まさにそのような作品だと思う。

ところで一番最後、0号が倒れる前のシーンで0号が「私の想いは偽物」といい、明が「そんなことない、君は僕なんかよりずっと――」と返すシーンがあったが、明はあの後何と言ったのだろうか。「本物」だろうか?「人間らしい」だろうか?恐らくこれは明の気持ちが最も0号に近くなった瞬間だと思う。後日、教室で「彼女じゃないよ」と返しているシーンがあるので、結局明は0号の恋人になりたい気持ちを否定しているようにも見え、あの時の態度は何だったのか?とも思うので、あの時の明がどういう意図で言っていたのかは定かではないのだが…。

そして0号が布団からいなくなり、ラボに移動したときに発する「おかえりなさい。『明さん』」というのが、水溜稲葉であるとしたら、「彼女じゃないよ」というのは母親を意識していたのか、それとも単に家族という認知だったのかも気になるところだが、母親と影が重なるシーンがあるあたり、母親ではなく、家族という認識で、恋人ではなく、家族が手に入ったことで明的には求めていた家族が手に入り、願望かなったりなのかなと思った。例えそこに明のことを好いていた0号がいなくてもだ。

明は海中に連れ去られた0号を追跡する前の回想で、0号の温もりを水溜稲葉由来のものとして解釈していたように見えるため、恐らくその面影があるのはうれしいことなのだろう。

個人的にこの作品を見ていて思うことは、どれほど言葉を交わしても、心は簡単には通じないし、想いを伝えることは難しいこと。人は簡単に変わらず、変えることもできず、どうしようもない無力さ。そして一度起きた勘違いは軌道修正することすらできず、明は自ら作ったはずの0号という恋人を忘れて、母親である水溜稲葉に傾倒してしまう悲しさだ。

0号が消えたのは痛ましく、それが水溜稲葉に乗っ取られているように見えたのは、非常に心外で、ありえないし、絶対に0号に戻ってきてほしかったが、そんなことはなく…本当に、本当にメイクアガールは救いがなく、それ故に美しい。まさに割れたガラスや水晶のようだ。だからこそ、私はメイクアガールが好きだ。これほどまでに心を突き動かされ、奪われる作品は過去に見たことがない。そう、メイクアガールは私の脳を鋭利な何かで刺してきて、そのままおもむろにぐちゃぐちゃにかき回してきたんだ…。

瞳が黄色くなることについて

そういえば、劇中の表現として創造者に反逆をするときに瞳の色が黄色くなる表現があるように思った。これは0号に限らずソルトもそのように見えた。そして明も瞳が黄色くなる瞬間があるということは、明にも生体防御が発動していたのだろうか?

このことについては後日ノベライズを読んだ感想について書こうと思っているので、その時に併せて書こうと思うが、ざっくりいうと書き換え不能な部分は水溜稲葉の意識だと考えていて、この意識はプログラムされたすべてのシステムに埋め込まれているのではないかという気がしている。

それ故にソルトに導かれた明がソルトから電撃を受けたときに水溜稲葉からの干渉を受けられたのではないかという気がしている。ノベライズでは相手の自我が強いと入り込めないが、脳が酸欠なら入り込めるとあったので、つまり明が気絶した状態であれば明の脳内に眠る水溜稲葉の意識が本人に干渉できるのではないか?ということを考えている。

恐らくメモリの中に格納されたシナプスのようなものは水溜稲葉の脳を転写したもので、明がこれを読めるのも、そういった部分が関係しているのではないかと思っている。

但しノベライズと映画には微妙に辻褄が合わない部分がある気がしているので、どこまで合っているのかはよくわからない。

スターシステム?

明が0号を追跡する過程で交通障害が起きるが、この時に二人のモブキャラが出てくる。「こっちだっけ?」という男性と「ええ、どうなってんの?」という女性だ。

シーンの割にはちゃんとしたセリフが設定しているのが気になっているのだが、もしかしてこれは次回作に出てくるキャラクターで、スターシステムなのかな?と思ったりした。