nginxからApache2のバーチャルホストにいい感じにリバプロする方法
nginxでhttps://example.com
を受けて、https非対応のApache2にリバプロし、Apache2側でもhttps://example.com
でアクセスされているように振舞わせる方法。取り敢えず最低限こんだけあると無難だろうという内容。
Apache2(後段)の設定
/etc/apache2/ports.conf
80や443を開けるとnginxと衝突するため、適当にずらしておく。
Listen 8080
/etc/apache2/sites-enabled/001-example.conf
ServerNameは外側と同じものにする。
<VirtualHost *:8080>
ServerName example.com
ServerAdmin webmaster@localhost
DocumentRoot /var/www/html
ErrorLog ${APACHE_LOG_DIR}/example-error.log
CustomLog ${APACHE_LOG_DIR}/example-access.log combined
</VirtualHost>
nginx(前段)の設定
/etc/nginx/nginx.conf
http
セクションにupstream apache
を追記することで、conf.d/
配下の設定ファイルから共通的に参照できるようにする。同じことを複数の設定ファイルに書くと構文エラーで起動しなくなる。
user nginx;
worker_processes auto;
error_log /var/log/nginx/error.log notice;
pid /var/run/nginx.pid;
events {
worker_connections 1024;
}
http {
include /etc/nginx/mime.types;
default_type application/octet-stream;
log_format main '$remote_addr - $remote_user [$time_local] "$request" '
'$status $body_bytes_sent "$http_referer" '
'"$http_user_agent" "$http_x_forwarded_for"';
access_log /var/log/nginx/access.log main;
sendfile on;
keepalive_timeout 65;
upstream apache {
server [::1]:8080;
}
include /etc/nginx/conf.d/*.conf;
}
/etc/nginx/conf.d/example.conf
ここでは/etc/nginx/nginx.conf
で設定したupstream
にプロキシする設定を作っている。
proxy_set_header Host $host;
はnginxが受けたホストヘッダをそのままApacheに飛ばすことで、Apache側がバーチャルホストでルーティングできるようにしている。Apacheとnginxで別々のホスト名にすることもできるが、そうした場合、Apache側はApache側で定義したホスト名で動作するため、CGIなどのスクリプトを動かすときに支障があるうえ、Apache側のホスト名をhostsに書かないと疎通できないこともあり、手間なので基本的に前段のドメインに合わせておくのが無難だ。
proxy_set_header X-Real-IP $remote_addr;
はnginxにアクセスしてきたクライアントのIPをApacheに渡すための設定。そのままだとnginxのIPが渡ってしまう。
proxy_set_header X-Forwarded-Proto $scheme;
もホストヘッダの転送と似ていて、nginxが受けたプロトコルスキーマをApacheに飛ばすための設定。こうしておくとApache側はhttpで受けているのに、httpsでアクセスされたものとして認識させることが出来るため、プロトコルスキーマ付きでURLを生成するCGIがいるときに都合がいい。単にスキーマを誤魔化しているだけなので実際は暗号化されていない。
server {
listen [::]:443 ssl;
server_name example.com;
ssl_certificate /etc/letsencrypt/live/example.com/fullchain.pem;
ssl_certificate_key /etc/letsencrypt/live/example.com/privkey.pem;
access_log /var/log/nginx/example.access.log;
error_log /var/log/nginx/example.error.log;
location / {
proxy_pass http://apache/;
proxy_set_header Host $host;
proxy_set_header X-Real-IP $remote_addr;
proxy_set_header X-Forwarded-Proto $scheme;
}
}
余談:HTTP通信に用いられるHOSTヘッダーについて
HTTP通信で利用されるドメインは単にHOSTヘッダーにドメインを書いているだけなので、以下のようなことをするとhostsを書かなくとも疎通できる。
curl -H "HOST: lycolia.info" http://"[2403:3a00:101:13:133:167:8:98]"
これは一般的なHTTPクライアントの仕組みとして、まずドメインをDNSに問い合わせ、IPを取得したのち、ドメインをホストヘッダーに載せてIPアドレス宛にHTTP要求を出しているからだと思われる。
hostsの書き換えができない環境で、任意のドメインに対してHTTP要求を出したい時にも重宝するので、覚えておくと何かと役に立つ。