2026/03/31(火)ノートPCとかのキーボードのカーソルキーとかキーボードに対するこだわりの話

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ここ最近というか、最近というほどでもないが、ノートPCのカーソルキーが小さくなってたり、妙な形になっていることが悩みの一つだ。

典型的なものだとこんな感じだと思うが、左右キーはまともなサイズだが、上下キーは半分のサイズしかない。個人的にはこのサイズだと誤打鍵が増えるのだが、世間はそうではないのだろうか?

少し気が利いたものだと溝が掘ってあり、上下が分かり易くなっているものもある。

亜種としては左右キーも小さくしたものがあるが、まだこちらのほうが一貫性があってよい気がする。

個人的にカーソルキーはフルサイズであってほしい派なのだが、小さくなっているものが多いあたり、世間の人は使わないのだろうか?

私の場合、行移動や文字や単語、変換の節移動、行頭、行末、ファイル先端、終端への移動をよく行うほか、Excelを多用するのもあり、カーソルキーはとてもよく使う。それだけに、かつてSurfaceを使っていたときは、誤打鍵が酷く、ちょっとこのキーボードはないなと思ってしまった。

理想的なカーソルキーはNEC LAVIEにある、フルサイズで等間隔のものだ。これであればデスクトップ用のフルサイズキーボードと比べても謙遜ない。

富士通やパナソニックもカーソルキーを下にずらして大きめに配置しているので頑張っているとは思うが、富士通は上下キーが完全に分離しておらず、間隔が狭いのがイマイチだ。

カーソルキーが小さいのは端末が小さくてスペースがないから仕方がないという向きもあるかもしれないが、テンキー付きモデルでも普通に小さいのがザラなので、たぶんあまり関係ない。

何ならカーソルキーそのものがないキーボードさえある。これはノートPC用でもモバイルキーボードでもないので衝撃を受けた。もしかすると世間ではカーソルキーは使っていないから小さくなっているのかもしれない。万一にも、そのうち消滅したりしないでほしいところだ…。

最近は外部キーボードでもカーソルキーが小さいのは小型ではザラにある。

あとがき

写真が汚くてアレだが、個人的に最も好みのキー配列はこれ。JISキーボードからテンキーを切り落としたタイプで、幾つかキーを弄っている。

例えばDELETEが二つあったり、SCROLL LOCKがなかったりする。これはDELETEを押したときにINSERTを誤爆すると面倒なのと、SCROLL LOCKを使うことがないからだ。但しINSERT自体は使うので残している。

また私はロープロファイルキーボードが好きなのだが、実はJISキーボードからテンキーを切り落とした形のキーボードは選択肢が多くなく、ロジクール、エレコム、サンワサプライくらいしか知らない。以前、そこそこ探したが、驚くほどメーカーが少なかった記憶がある。むしろ最近は国内でもUS配列が増えていてJIS配列が劣勢になっている気がしているのも複雑だ…。

Keychronのキーボードは割と理想に近いのだが、mac向けであるからなのか、PRINT SCREENとPAUSEがないのが不満だ。スクリーンショットはボタン一発で撮らせてほしいし、PAUSEがなかったら割り込みデバッグができない。あとINSERTキーは上にずらしたいが、上段がキーボードのコントローラーに見えるので、できるのかどうかが分からない。

2026/03/31(火)ARM版ノートPCはUbuntuの夢を見ないが、Windowsには光明あり

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以前、ARMとCore UltraのWindowsノートPCを軽く見て、バッテリー持ちと熱周りを比較してみたところ、かなりいい結果になったのでUbuntuを入れたいが、これができるのかどうかという話。結論から言うと無理らしい。

ラズパイで動くんだから動くんじゃね?と思っていたのだが、そんな都合のいい話はなかった。

x86やAMD64であれば、今時のLinuxは基本的に動作する。これは、これらのアーキテクチャがACPIをサポートしているからだ。ACPIと聞くと自作PC的には電源管理のイメージがあるが、Advanced Configuration and Power Interfaceの略であり、電源だけでなくハードウェアの攻勢も管理できる仕組みになっている。そしてARMにはこれが存在せず、標準化されたハードウェア管理方法がないというわけだ。

ではARMベースのPCではどうしているかというと、今のところOS側でハードウェア情報を持っておき、これを基に起動しているようだ。この情報のことはデバイスツリーと呼ばれているらしい。

例えば、gihyo.jpのそのSnapdragon X搭載PCでUbuntuを使えますか?によると、ARM版UbuntuではSMBIOSというものから端末情報を読み取って、あらかじめUbuntu側で決め打ちしているデバイスツリーを利用してOSを起動するといった手法がとられているようだった。ラズパイの場合も専用イメージがあるため、おそらくデバイスツリーが組み込まれているのだろう。

恐らくこれはARMの場合、基本的にSoCにすべて集約されているため、x86やAMD64のようにメモリやGPUなどが独立したCPUのように管理できないところがあり、ACPIで解決できず、デバイスツリーが必要という事態になっているのだと思われる。

ではWindowsはどうしているかというと、先ほどの記事にもあったがPlatform Extension Plug-ins(PEPs)を使っているとのことだ。これはLinuxでは今のところサポートされておらず、やっているプロジェクトもないようだ。

ならデバイスツリーを書けばよいとも思えてくるが、これは非常に忍耐が必要な作業で、ACPIコードやWindowsドライバのリバースエンジニアリングを行い、カーネルパッケージをビルドし、各ハードウェアが正しく動くかどうかを根気強くテスト、デバッグする作業になるようで、おいそれと気軽にできるものではないらしい。

つまり、ARM版ノートPCでUbuntuを動かすのは、公式にサポートされているもの以外は難しいだろうし、それさえきっちり動く保証はないだろうから今のところ難しそうだ。つまり、ARM版ノートPCを買う場合、重量やキーボードにこだわりのある私の場合、Windowsで運用する必要がありそうだ。何故なら日本のノートPCがサポートされる気がしないからである。

バッテリー持ちがいいのは魅力だが、Windowsにするとなるとメモリやストレージを多めにしないと厳しいので端末価格が上がってしまうのがネックだ。ただソフトウェアの互換性はよくなってきているらしく、出先で使うサブマシンとしてみた場合の実用性は十分にありそうにも思える。

マイクロソフトの案内でも、デバイスドライバやアンチウィルス、アンチチートソフトウェア以外の一般的なアプリケーションは動作するとあるため、この辺りは安心してもよいだろう。一部のソフトウェアの互換性についてはLinaroのWoA対応アプリ検索で確認することができ、例えばXnViewは動作することがわかる。XnVew MPは出てこないが、恐らく動くのではなかろうか?国産のソフトの動作状況はPC Watchの記事でも一部を確認できる。なおエミュレーションで単に動くだけなのか、パフォーマンスがいいかどうかは不明だ。

2026/03/24(火)漆器の摩耗具合を追跡する

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以前漆器を買ったときにすぐにダメになった経緯があり、より良い漆器を調達した経緯があるので、その損耗具合を追跡していく。

この箸は大丸で2024年12月31日に購入した最も最初に買った漆器の生き残りだ。モノとしては箸蔵の品である。

購入時 現在

箸なので使用頻度が非常に高く、菜箸を使うのが面倒な時に料理にまで使っているが、かなり酷使している割には意外と摩耗していない。この箸は非常に品質が良いと思う。

またプラ箸だと溶ける使い方をしても耐えてくれているし、百均の天然素材箸にありがちな塗装が剥離して口に入って不愉快な思いをするとかも起きていないため、大変満足している。

なお、隣にある汁椀は一ヶ月で漆が剥げまくり微妙になったので、香川漆器に買い替えた経緯がある。

汁椀

この汁椀は川口屋漆器店で2025年6月28日に購入したものだ。

購入時 現在

比較すると摩耗はあるが、先代の汁椀と比べると全く問題がない。

この汁椀も扱いが荒く、最初のころはケトルの湯をそのまま注ぐことで摩耗が進んでいたが、直湯調理による漆器椀の摩耗を抑えるようにしたため、最近は比較的にマシになっているものと思われる。

この汁椀も前述の箸と同様に非常に品質が良いと思う。

お盆

このお盆も汁椀同様に川口屋漆器店で2025年6月28日に購入したものだ。

購入時 現在

写真が上下逆になっていていてアレだが、こちらはほとんど変わっていない。

お盆としてはあまり使っておらず、もっぱらトーストを載せたり、餅を載せたりと、熱いものを乗せる皿として使っているが、食パンが二つちょうど乗るサイズなのもあり使い勝手はよい。

清掃についても、パンくずは払い落とせば終わるし、餅は水で洗えば落ちるので便利である。

実は本棚の角に打ち付けて微妙に破損したため、一度修理に出しているのだが、これについてはまた別に記事にしたい。

小スプーン

この小さいスプーンは大丸で2025年2月8日に購入したものだが、こちらも目立つ摩耗がない。これだけ工房がどこかわかっていない。大丸に聞いたら教えてくれるかもしれないで聞いてみようかな?

購入時 現在

以前の損耗記事にも書いたが、大きいスプーンの方は損耗が目立ってきたので2025年7月26日に買い替えている。

大スプーン

先ほども書いた大きいスプーンは大丸で2025年7月26日に購入したものだが、こちらは摩耗がやや目立つ。モノとしては籐芸の品だ。

購入時 現在

上の表では分かりづらいが、拡大してみると縁が削れている。これまで漆器を使ってきた中での傾向として、尖っている部分は摩耗しやすいことが分かっているので、長持ちする漆器を選ぶ場合は肉厚で丸みがあるものがよさそうだ。小スプーンは尖りがないので剥げてないし、汁椀も先代より縁が太めなので剥げが抑えられていると考えている。

黒文字

こちらも大丸で2025年7月26日に購入したもので、中田漆器の品だ。摩耗は目立たないが、角が若干剥げ気味だ。

購入時 現在

上側の角をよく見ると薄っすら剥げてきている。気になるレベルではないものの、やはり宿命だろう。

わかりづらいが、菓子切りとして使う面は意外と剥げていない。

とはいえ、比較的剥げが少ないのは個人の工房のもので、値段もなかなかのものだからだろう。確か五本組で五千円ほどしたはずだ。つまり一本千円くらいする。

あとがき

漆器を一年少し使ってきてわかったこととしては、作りがちゃんとしており、値段がそこそこするものは耐久性がよいというのがまず一つ、次に漆器は熱湯にさえ気を付ければ割とガシガシ使っても大丈夫ということだ。

もう一つ、角のある漆器は漆が剥げやすいこと。特にスプーンはよく剥げるので、これはある種の宿命かもしれないと思った。

2026/03/24(火)最近買った生活雑貨まとめ

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ここ最近諸事情でブログの更新全般が滞っていたので最近買ったものをいくつかまとめて書く。

貝印の爪ヤスリ

1月16日にアマゾンで購入。1000円程度。

どことなくオシャレな感じを醸し出している爪ヤスリ。

中身はこんな感じで裏表でヤスリの粗さが異なる。

ケースがあるため持ち運びに便利で、家の中でもカスが散らばりづらい。

爪切りに最初からついているヤスリより遥かに強力で、かなり強いので爪切りの代わりになるレベルの代物だ。あまりに優秀なため、家用と別に携帯用も買ったほど。

折り畳み爪切り

2月21日にロフトで購入。1,100円程度。

ビー・エヌというメーカーのMimits 3wayスリム爪切りという製品。ぶっちゃけ聞いたこともないメーカーだ。

開くとこんな感じ。畳むときは開いた背中を上にかぶせ、力押しすると閉じる。貧弱な作りを力任せに閉じるため、なんか壊れそうで心配だが、数回使った感じは特に大丈夫そうなので、しばらくは使えるだろう、多分。

収納用に柔らかいスリーブもあり、爪切りを入れておく小物入れを傷めないのもポイントだ。

出先で爪切りがなくて困ることが稀にあり、爪切りが欲しかったのだが、普通の爪切りだと邪魔なので折り畳み爪切りを探していたところ出会った品。

1,100円程度と手ごろな価格な割に、切れ味も悪くなく、実用性は十分だ。本当は貝印のが欲しかったのだが通販でしか見つけられず、それも八千円近くするため諦めた。

足の指を広げるやつ

2月21日にダイソーで購入。

さっきの爪切りを買うときに同じものをロフトで見つけたのだが500円もしたのでダイソーで買うことにした。

最近は高い店で物を買うことが増えたので、節約のために百均も少し見直していいかもしれないと思った。

指を広げられて気持ちいいので、たまに使っていきたい。

2026/03/19(木)超かぐや姫!を観てきた

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結論から言うと、最高にエモい。エモいって言葉で片付けられるレベルじゃないほどにエモい。それほどまでにエモさを詰め込んだ作品だった。ネットミームを始めとした様々な概念が非常に多く詰め込まれた作品で、恐らく2000年代前後にネットの世を生き、オタク活動に浸っていた世代に全方面から刺さる内容になっている。なんというか、ネタのショットガンみたいな感じで、守備範囲が広ければ広いほど刺さって致命傷になる感じ。

しかも本作はスタジオコロリドの制作だが、スタジオコロリドの作風がやや苦手な自分でも、とても良く観られた。これは恐らくツインエンジンとの共同制作であることが理由として大きいと思う。ビジュアル的にはツインエンジンの風が強く、キャラクター性に所々コロリドみが出ている印象で、完成度が非常に高い。予告放送で見ていた通り、コロリドとツインエンジンのタッグによる未知の化学反応を得られた形だ。

作品のベースは竹取物語そのもので、つまり本作は2000年~2020年代にかけてのネットミームを竹取物語にミックスした作品だと言える。筋書きとしては、鉄腕アルバイターである主人公いろはのもとに突如として、七色に光るゲーミング電柱が現れ、その中からかぐや姫が誕生し、主人公は激務と学業とMMORPGと推し活の合間を何とか縫ってかぐや姫を育て、やがてかぐや姫はVTuberとなり人気を博し、多くのプレイヤーから求婚され、最後にはVR世界で最高峰に立つプロゲーマー集団のブラックオニキスのリーダーであり、いろはの兄でもある、帝アキラから求婚され、最後は月に帰ってしまうが、最後には地球に帰ってきて、富士山に登るというのが、大きな流れだ。

これは大まかにWikipediaにある竹取物語のストーリーに一致する。これからは昔話を現代化したアニメが流行るかもしれない、本作はそんなポテンシャルを持った作品だと思った。しかも内容を咀嚼すると、かなりの解像度で竹取物語が組み込まれていることも判るので、非常に面白い。

主人公は、酒寄彩葉、作中では「いろは」と呼ばれ、「いろはと呼ぶべし」とされるキャラクターだ。毒親と縁を切り自分の力で生きることを選び、映えないボロアパートに住み、鉄腕アルバイターとして東大進学を目指している才色兼備の学生だ。日々アルバイトをこなし、予習・復習・模試をこなし、更にMMORPGでプロゲーマー級の腕を振るいながら、推し活に興じる、過労死しそうな若者である。ぶっちゃけ、最高すぎる設定だ。

ヒロインとなるのはかぐや姫である「かぐや」で、先述した通り七色に光るゲーミング電柱から生まれた女の子だ。かぐやは赤ちゃんから始まり、一週間くらいで高校生の体形と知能を手に入れるというすさまじい速度で成長していく。原作の竹取物語では三ヶ月ほどで妙齢の娘になる設定だが、、本作では「何もかもすべてが早えー」ので一週間で妙齢になる。性格は破綻気味で、完全なるトラブルメーカーである。最初は泣きわめくだけ、駄々をこねるだけ、いろはの稼いだ貴重な金を溶かすだけ、部屋を荒らすだけ。もう最悪だ、最悪なのだが、これがいい。ちなみに本人に自覚があるのも最高だ。

しかし成長に伴い、かぐやは自分で料理ができるようになり、片づけをし、金銭管理を身につけ、周囲への配慮も覚えていく。そしてライバーとして圧倒的パワーで稼ぎ始める。これは原作における「かぐや姫の神異によって竹取の翁が富み栄えたという」設定に一致し、かぐやのライバー収益でいろはがタワマンに住めるようになるという形で再現されている。いろはのバイトがどうなったかの描写はないが、既にバイトに行っている雰囲気がないので、辞めたのではないだろうか。そもそもいろはは最初タワマンに住むことに対し「あぶく銭」「人としておかしくなる」とか言っていたのに、結局住み着いてる辺りがいい。

二人の関係は親子のようでもあり、姉妹のようでもあり、相棒のようでもある。いろはにとっては迷惑な存在だったかぐやが、いつしかかけがえのない存在に変わっていく過程が、この作品の情緒の核だと思う。ドタバタギャグコメディーの皮をかぶりつつ、その温度感はシリアスでもあり、個人的にはゾンビランドサガ ゆめぎんがパラダイスに通じるものを感じた。この関係性はエモさの一つだ。

作品の世界観としてはVR世界を非常に意識しており、SAOやVRChatは間違いなく意識されている作品だと感じた。SAOで周囲を取り巻くエラー画面みたいなやつも出てくる。恐らくMMORPGプレイヤー、特にSAOが好きだった層には刺さるのではないだろうか?少なくとも私は刺さった。正直、この題材で新作が出てくるとは夢にも思っていなかった。今ならeSportsなのでVALORANTやFortniteだろうが、本作ではMMORPGに寄っていた。一応ちょこっとだけFPS的なシーンも出ては来るが…。また、かつて社会問題になった子供部屋おじさん的なMMORPG廃人もシーンとして出てくる。

ただSAOのようなヘッドマウントディスプレイはなく、作中のVRデバイスはディスプレイがコンタクトレンズ式で、コントローラーはリングのないOculus Rift Sみたいな感じだった。ただ後半はコントローラーがないように見えたので、SAO的に脳波でも操作できたのかもしれない。謎。

VRの世界観としてはツクヨミという世界が設定されており、月見ヤチヨというAIによって管理されている設定がある。ツクヨミの中では「ふじゅう」という通貨が流通しており、これは現実でも使える、RMTとしても機能しているようで、プロゲーマーやライバーなど一部の人間はこれで生計を立てているようだった。主人公であるいろはも、かぐやの圧倒的な稼ぎでタワマンに住めるようになる。

作品の時間軸としては月の満ち欠けも重要で、一回目の満月でかぐやが月に引き戻されそうになるが、これはヤチヨによって阻止される。そしてかぐやは次の満月で月へ帰ることを決意する。いろはや、その仲間たちは結託し、これを阻止しようと月の使者に対して抵抗するが、抵抗むなしく、かぐやは卒業ライブを敢行し、最後には羽衣を着せられ、意思を失い、月へ帰ってしまう。この流れは現在のVTuberそのもので、とてもいい。

原作であればここで終わりだし、本作でも終わる。ここで安っぽいエンドロールが流れはじめ、作品は終わりを迎える…かのように見えて、エンドロールは即座に消え、「この物語には続きがある」という天の声とともに、物語が原作を逸脱し強制進行する。安っぽいエンドロールの時点で察しはつくが、ここまで大胆な演出をする作品は過去にみたことがなく、非常に感銘を受けた。

後日、いろはがかぐやの残したブレスレットに歌を吹き込む。この歌声が月へ届き、かぐやは地球へ戻ることを決意する。しかし、かぐやが地球に来れるようになったときには、あまりにも時間が経過しており、かぐやは時間操作で元の時空へ戻ろうとするが、地球へ戻る航行中に不慮の事故で8000年前の地球に戻ってしまう。ここで出てくるピクセルムービーも非常にエモエモで、見ものだ。

地球についたときにかぐやは本体を具現化する能力を失い、ウミウシの体で活動するようになり、世界各地で神として運命を左右しながら、現代に戻り、VR世界ツクヨミを創造し、自身は月見ヤチヨと名乗り、いろはを待ち受けるようになる。そう、この時点でいろはとかぐやの居た世界線と、ヤチヨの世界線は競合関係にある状態になってしまっているわけだ。得体のしれない神として世界を旅するウミウシも神秘的でよい。

そして何よりエモいのが、作中ではかぐやの曲はいろはが過去に作った曲なのだが、かぐやの卒業ライブの時にいろはが過去に父親と一緒に途中まで作ってそのまま放置されていた曲をベースに作り直すことになる。そしてこの曲のメロがヤチヨのレビュー曲であるRememberと同じであったことだ。作中でいろはがヤチヨに対してRememberを歌わないのか?と聞き「あれはもう使命を終えた」のように語るシーンがあったが、恐らくいろはに伝えられたから役目を終えたということなのだろう。そしてRememberというタイトルも、いろはに思い出して欲しかったのだ。そして、いろはは思い出した。そして卒業ライブの曲はできた。8000年の時を超えていろはは思い出したのだ。

本作のエモさはこれだけにとどまらない、こんなのは氷山の一角で、作中には様々なネットミームや懐かし要素が散りばめられている。

そこで、以下に私が感じ取った様々な概念を列挙してみた。

  • VRChatのような世界感
    • VRの仮想世界、作中ではツクヨミと呼ばれている
  • VRMMORPG
    • VRChatのような世界観の中にMMORPGがコンテンツとして組み込まれているような感じ
  • Vocaloid
    • 本作の劇中歌にはボカロ楽曲が多く用いられている
  • AI
    • 主要キャラクターの一人であるヤチヨはAIであると説明されている
  • VTuber
    • 作中ではVTuberが非常によく出てくる
  • 推し
    • VTuberがいれば推しの概念も当然ある
  • リアルライブ(ホログラム?)
    • ホログラムを使ったVTuberのリアルライブらしきものが出てくる
  • VTuberのファンカード
    • VTuberがいればファンカードもある
  • ねこみみメイド女装子(男声、一人称オレ、ぴえん、舌出しのあざとい表情)
    • 性癖破壊モンスター。長くなるので後述する
  • プロゲーマー・プロゲーマーユニット
    • コンビニなどで見かけるプロゲーマーのユニットが存在する
  • 双剣
    • みんな大好き、MMORPG最強武器、双剣。もちろん主人公の装備だ
  • ジョブロールによる行動制限(スキル)
    • MMORPGに存在するジョブロールのようなものが存在し、それぞれのロールによって隠密行動の可・不可などが設定されているようだった
  • 関西弁
    • 主人公一家の状況前のシーンで関西弁が出てくる
  • 和風
    • 雑に言うとシロガネを大規模化して電子感を強めた感じ。千と千尋の神隠し的な光景に見えなくもない
  • 西松屋
    • 関西弁と関係あるかは不明だが、西松屋が出てくる
  • 立川市
    • 舞台は立川市らしい
  • ガールミーツガール
    • 本作はボーイミーツガールならぬ、ガールミーツガールだと思う
  • 卒業(概念)
    • VTuberによくある卒業の概念があった
  • 卒業ライブ
    • 卒業があれば卒業ライブもある
  • 転生の概念
    • 卒業があれば転生もする。これはかぐや→ヤチヨを転生として扱った場合の概念であるため、人によって解釈が分かれるかもしれないが、概念的にはあると言えるだろう
  • ビートセイバー
    • あからさまにビートセイバーをしている光景が出てくる
  • タイムリープ
    • 作品的にタイムリープの場面があるわけではないが、設定的にはカグヤが同じ世界線で永遠に同じ時系列のループをしていることについての言及があったため
  • 並行世界
    • 恐らくカグヤがタイムリープを続ける時空と、そこからいろはが抜け出した時空の二つがあると思われる
  • たまごっち
    • たまごっちのようなものが出てくる
  • サカバンバスピス
    • サカバンバスピスのドローン花火が見える
  • ドローン花火
    • いろいろ形を変えるドローン花火が見える
  • マイクラ
    • 鳥居の明かりが明らかにマイクラの顔のアレに見えるシーンがある
  • FXで有り金全部溶かす人の顔
  • スマホの防水ケース
    • スマホが出てくる作品は数多くあれど、防水ケースが出てくるケースはあまり多くないと思う
  • ギャルファッション
    • 平成のギャルファッション
  • ルーズソックス
    • 平成のギャルファッションがあればルーズソックスも出てくる
  • スーパーマリオ(ファミコン世代)
    • ファミコン世代のスーパーマリオを意識したゲーム画面のようなシーンが出てくる
  • 太陽の公園にあるっぽい城
    • ノイシュヴァンシュタイン城の可能性もあるが、西松屋繋がりで太陽の公園の写真をモチーフにしているような気がした
  • 毒親気味の面倒な家族
    • 身体的虐待まではいかないが精神支配をしてくるタイプの厄介な毒親が登場する
  • 両国国技館
    • VR世界のライブステージが両国国技館の下層の床を抜いたような感じの構造
  • JR東日本E233系電車
    • 立川市が舞台なので立川市を走る鉄道車両が登場する
  • 富士山
    • かぐや姫なので富士山が出てくる
  • 富士山本宮浅間大社
    • 浅間大社らしきものも出てくる
  • タイムカプセル
    • 富士山の地面を掘ってタイムカプセルらしきものを取り出すシーンがある
  • ピクセルアート
    • ドット絵というよりピクセルアートというべき要素が所々で出てきてとても良かった
  • ET(映画)
    • ETの満月を背景に自転車を漕いで空をかけていくアレが出てくる
  • おぱんちゅうさぎ
    • おぱんちゅうさぎのオマージュの様なものが出てくる
  • ナナヲアカリのMV
    • っぽいものが出てくる
  • SAO
    • を彷彿とさせる要素が出てくる

ねこみみメイド女装子(男声、一人称オレ、ぴえん、舌出しのあざとい表情)については書ききれなかったのでこちらで書く、正直性癖破壊モンスターなのは間違いないし、間違いなくこの作品の裏主人公であることは想像に難くない。

キャラクターとしては駒沢乃依、基本的に乃依と呼ばれているキャラクターだ。Black onyXのメンバーで弓使いとされ、容姿は色白の肌に、黒とピンクを基調とした地雷系ツインテールで、服装は和風テイストの生足むき出しミニスカメイド服という、最強属性全部盛みたいなえげつない出で立ちをしている。アバターは男性らしく胸はツルペタで、体つきもがっしり目で男性を意識したキャラデザになっているように見えた。また腰に巨大なチャクラムを装備することがあり、投げて武器にするのはもちろん、やけに扇情的にフラフープのように回したりしたり、とにかく狙っている。しかも鑑賞者を堕とす方向で、確実に、精密に狙ってきているのだ。

それだけに?乃依の射撃は精密で、ヤチヨに「げに恐ろしき狙撃能力」と言わしめるほど高精度な遠距離攻撃を行える能力もある。

ぶっちゃけ、ねこみみメイド女装子アバターの男性プレイヤーが男声の一人称オレで始まる時点で、オスむき出しのネカマがキマりすぎてて脳がおかしくなりそうだが、更に舌出しのあざとい表情をしたり、ぴえんとか言ってきたりするのも破壊力があるし、何より極めつけは「オレって今日も作画良すぎでしょ」(バチコーン)なんてシーンまであり、余りにも破壊力がありすぎて死んでしまう。死んだ。

他にも一番最後にある、いろはが科学者になり、リアルアバター(アンドロイド)として、かぐやを降臨させるシーンでは、ツクヨミ内のアバターをリアルでも欲しがっており、こいつ…!となるので面白い。

正直、ここまで盛られていると乃依によって情緒と性癖を破壊される人が続出しないか私は心配で心配で夜も寝られてしまうほどだ。

Wikipediaの超かぐや姫!でも乃依のところだけ異様に書き込み濃度が高くおかしなことになっていることから、乃依の異質さがうかがえる。

他にもLive2Dによる配信シーンがあったり(劇中には実際にLive2Dが使われているようでクレジットされている)、劇中のライブシーンや戦闘シーンが手書きアニメーションだったりして、全体的にクオリティが高い。ツクヨミの背景には3Dが多用されていたが、キャラクターの3Dモデルはかなり少なかったように思う。その関係か、動きの激しいシーンはカットが目立ち、例えばライブの躍動的なダンスシーンは非常に尺が短かった。

主人公の座席配置が教室の最前列中央であることも珍しく、絵作りやキャラの言い回しなども、どこか懐かしさを感じる演出から、目新しいものまで幅広く、セリフ面でも「クソマヂー」「いや、あぢー」といったお淑やかさの欠片もない発言があるのも本作のエモさを際立てていると感じたし、各キャラごとに異なる特徴的なアイシャドウなど、もうエモさを挙げていけばきりがないほどだ。

他にも現実パートとツクヨミパートでキャラデザが異なるのも面白いところだ。複数作監がかかわる作品で作業分担の都合上、作画が激変する作品はトラペジウムやSAOPなどであったが、明確な意図をもって画風が変わるのは非常に新鮮だと感じた。それもそのはず、現実の人間とゲーム内のアバターでは見た目が違うことは必然なのだから、これは当然のことだが、ここまでこだわっている作品は中々ないと思う。

それとラストシーンでBlack onyXのメンバーのリアルが全員腐女子向け作品の男性キャラ風に描かれていたのも感銘を受けた。いったいどこまで属性を盛れば気が済むのかと…!

何より最後に出てくる「あなたの物語」という言葉で、私は崩御してしまった。そう、この物語はいろはとかぐやの成長と、それを見守っていた作品の外にいる私たちにさえ語り掛けてきたのだ。つまり次は私たちの番ということだ。これこそが「この物語には続きがある」の本懐であるといえよう。

あとがき

私は普段封切日に映画を見ることにしているのだが、本作はそこから遅れること三週間、2026年2月20日公開を3月13日に観てきたので、作品によっては上映終了になっていても不思議がないほど間隔が空いていたが、幸い上映があったので干渉することができた。鑑賞体験としては非常に満足のいくもので、封切一週間目に席が全部埋まっていたのも納得の内容だった。

理由としては転職活動が忙しくそれどころではなかったというのが言い訳だ。そもそも本作はネトフリ映画の上、一週間限定だったので、本来観れないはずだったが、延長上映していた関係で観ることができた。不幸中の幸いというやつだ。

アースシネマズ姫路
三宮まで戻れる電車は消えていた。あと5分早ければ乗れたので惜しかった…
やむ無く姫路泊をした時のホテル。安定のダイワロイネットホテル

しかもOSシネマズ神戸ハーバーランドは三週間目も満席が続き見れなかったため、アースシネマズ姫路まで足を運んで観たほどだ。しかも尺が非常に長い作品だったことが災いし、現在時刻を深く考えず、のんびり目に動いていたら終電に間に合わず、姫路に宿泊して翌日も観たとかいう、まぁまぁおかしい体験をした作品になってしまった。

また本作はOSシネマズ神戸ハーバーランドでグッズが一度完売していたのだが、再入荷されるという異例の状況にもなっていた。私は映画グッズの再販は珍しいと考えていて、バルト新宿など、東京の超大手館での事例は知っていたが、まさか神戸で再販があるとは思わなかったので、非常に驚いた。

またネトフリ映画が延長上映されるのもネトフリでやらんでいいのか?と思うので面白いなと思っている。

本作はWikipediaによると、予約開始と同時に全国各地の劇場にアクセス集中し、サーバーがダウン。わずか数時間でほぼ全ての上映館で公開初日の上映が満席となる事態となり、作中の舞台にもなった立川シネマシティでは急遽、公開2日目の2月21日にオールナイト上映を実施。23:40回と26:45回が追加される形となり、会員・一般同時で公開前日の19日24時より予約受付を開始したが、わずか数時間で全回満席となったなど、異例の超動員を記録し、全国19館での公開だったにもかかわらず、動員14万8067人、興行収入2億9122万2700円を記録し、興行通信社の調査による全国映画動員ランキングで初登場5位、ミニシアターランキングで初登場1位にランクインしたとされる。特に初日は着席率が96%に達し、上映20館以下での全国映画動員ランキング入りは2018年の『カメラを止めるな!』以来約8年ぶりとなるとのことで、かなりの快挙だったようだ。

更にこの反響を受け、公開4日目の2月23日には上映館が8館追加されることが発表され計19館になり、更に3月5日になると100館以上に拡大することが発表された。この勢いであれば封切上映終了後のセカンド上映も十二分に期待できそうだ。3月15日までの公開24日で、興行収入は11億1638万円となり、Netflix発のオリジナル映画としては史上初となる興行収入10億円突破の快挙となったそうで、本作のすさまじさがよくわかる。

ただ流石に3月18日現在では盛況具合は落ち着いてきており、現在では満席とまではいかない程度には落ち着いているようだが、それでも平日の昼間でアースシネマズでは8割の席が埋まっているようで、一体どこから人が湧いてくるのか、大変興味深い作品でもある。とはいえ、本作はそれだけのポテンシャルを持った超大作なのはわからなくもない。まさに作中でヤチヨが言う「感謝!感激!雨アラモード」あふれる勢いだといえよう。

また、以前最近見かけた面白いサービスやホームページで「ヤチヨの部屋 - Yachiyo's Room」というホームページを紹介したときにヤチヨって誰だ?と思ったが、「公式サイトではありません。ファン創作サイトだよ〜。」とあることから、恐らくこれはファンが作ったファンサイトで、月見ヤチヨが2003年時点の設定になっているものだと思われる。劇中ではトップページしか出ていないが、このホームページは中までよく作りこまれており、非常に素晴らしい。しかも日々更新されていて、地味にコンテンツが増えているほか、ちょっとした交流コンテンツもあるという神ホームページだ。何より凄いのは作者が韓国人であろう点だ。つまり、超かぐや姫!は日本を飛び越え、韓国まで行ったのだ。嗚呼なんということだ…!

あとOSシネマズみたいな狭い箱で見るより、アースシネマズ姫路のようなデカい箱で観るのがいいと思う。なぜなら劇中歌のシーンは非常に躍動的だし、ライブ感が味わえるので、音がよく、大画面の方が没入感が味わえると思うからだ。

個人的に超かぐや姫!は今年の最高作になるのではないかと思っている。例年であれば最高作は年の後半に来がちだが、去年のメイクアガールといい、前半にシフトしてきている感じもしていて、読めなくなってきている。また、私は普段興行収入が振るわないニッチ作品を好きになる傾向が強いのだが、超かぐや姫!は例外中の例外といった感じで、そちらにも衝撃を受けている。見る作品を選んでいるため、別に6000人アニメ映画族[1]と言う訳ではないが、一翼を担っている自覚はある。

これだけ書いても全然足りないくらい本作はメタい要素が多く、非常にエモく、言語化しようにも情報量が多すぎる作品なので、間違いなく劇場で観る価値のある作品だと思う。非常に情報量と熱量がある作品だし、これだけの要素をきれいにまとめ上げ、終わりもすっきりしている作品は中々ないと思う。本当に後味が非常に良かった。

最後に個人的に最も刺さったシーンであるワールドイズマインの劇中シーンと、終盤のMVの二つを置いておく。もうこの二つだけでも最高だ…。


  1. どれだけ売れないアニメ映画でも初週観客動員数が約6000人程度あると言われており、逆説的にどんな作品でも観る固定層のこと