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映画館で映画を見る理由

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ジャンル::雑記映画

もともと映画館というのはテレビがなかった時代に興行を見る場だったと見聞きしたことがある。テレビが普及し、そしてインターネットが普及した結果、テレビが衰退したといわれ、インターネット配信も増えてきた今では映画館の価値というのは相対的に低下していると考えている。そんな中、個人的に映画館で映画を見る理由は何かというのを書いていく。

まず一つ目は大きなスクリーンと迫力のある音響だ。これは家では中々味わえない体験で、これを目的に映画館に来ている人も少なくないことだろう。またこの部分は映画館や、シネコンのスクリーンによっても違うので、映画館やスクリーン巡業をするオタクがいるほどのものにもなっている。なぜか全国津々浦々の映画館やスクリーンを知り尽くしたオタクとかいる。

次に映画館独特の雰囲気を体験できるところだ。これは映画館によってだいぶ変わってくるが、シネコンだと独特の匂いや、ひんやりした空気感、静寂みたいなのがあって、私はこれが好きだ。幕間や上映終了後のこの雰囲気を楽しみに行くのも一つだ。特に上映終了後の空気を吸いながら家に帰るのは至高の体験の一つだ。他にも上映中のポップコーンの香りや、観客のざわめき・笑い声、コンビニの袋をくしゃくしゃする・後ろから蹴られるなどの不快感も混みで、その回にしかない、一期一会な上映体験を得るのも侘び寂がある。経験した中で過去最悪だったのは神戸国際松竹でARIA The CREPUSCOLOを鑑賞していた時に後ろの列でおじさんが床に転がって寝ていたことだ。しかも大きないびきをかいて寝ていた。こんな光景は中々忘れることができないし、無駄に頭に焼き付くので面白い。いや、観ているときはただただ不快でしかないのだが、家でネット配信を見ていたらこんな体験はできない。

他にもオタクと映画館について話し合ったり、遠方のオタクを地元の映画館に呼び込んだりというのもするのだが、普段映画館で映画を見ているからこそできる活動の一つだ。こういうのも楽しい。つまり、私は映画館で映画を見ることそのものより、そこに付随してくる要素を楽しんでいるのだろう。特にトラペジウムについてはXで多くのオタクたちと大いに過熱し盛り上がったので、あれはよかった。正直トラペジウムという作品自体は私の中でそこまでの存在ではないが、それで盛り上がった熱気というのは格別だった。まるで往年のインターネット、そう、インターネットがまだ黎明期だったころ、今ほど細分化しておらず、2chやはてなみたいなのがネットの中心にあって、似たようなパソコンオタクたちが集まっていたころに、ネット全体が熱を帯びて何か一つに向かっていたような、あのころの体験を呼び起こしてくれるような作品だった。

鑑賞外の要素であれば、アニメ映画に限ってだが、誰によっていつ公開されたどの作品を観たかを記録しているし、映画館で何かを見たときは、いつどこで何を見たかも記録している。下図はその記録内容だ。最初は映画館で鑑賞したアニメ映画作品だけを記録していたのだが、いつ何処で観たかの情報が欲しくなったので、観た作品の記録と、観た場所の記録を分けている。これをクロス集計すれば封切日に見た割合を出すことや、私が映画を観ることになった2019年以前の作品をいつ観たかというのも出せる。単体でもどこのスタジオの作品を多く見ているかや、どこの映画館によく行っているか、よく行く映画館の変遷など、様々な要素を見ることができる。

そんなことに何の意味があるのかといわれると分からないが、集計が楽しいのでやっている。なお、本記事の執筆時点では下図が上手く拡大できないため全体を見る場合、上手いことして拡大してほしい。

過去に映画館で鑑賞したアニメ映画作品の記録
過去に映画館で映画作品を鑑賞した記録

結論としては、私は映画作品を見るためだけではなく、映画作品を見ることによって得られる副次的な要素を楽しむために、映画館に行っているのだと思う。