R86S U1を買ってOpenWrtをインストールしてから今までずっとSPF+ポートが認識されていなかったので認識可能にした。
確認環境
- R86S U1
- OpenWrt 24.10.0
前提条件
- インターネット環境があること
手順
- 認識されているかどうか確認し、何も出てこなければ次のステップへ
dmesg | grep mlx4
- ドライバをインストール
opkg install kmod-mlx4-core
- 再び認識されているかどうかを確認する
dmesg | grep mlx4
なぜこれをしようと思ったか?
最初はeth0, eth1との排他制御かと考えていたが、RJ45とSPF+でNICが分離している構造上ありえないので、有効化できるはずだと思ったためやってみた。ポートはあればあるほど都合がいいし、RJ45が使えればSPF+に対応してない機器もつなげて便利なので。
有効化したSPF+ポートをLANに繋ぐ方法
機材不足で未検証だが、基本的にはOpenWrtでR86S U1のeth2ポートをLANに繋ぐ方法でLANに繋ぐものが出来ると思う。
参考までに有効化したSPF+ポートはeth3, eth4として認識されていることを確認している。これはdmesg | grep mlx4
すると分かる。
さくらのレンタルサーバーにLet's EncryptのDNS-01 チャレンジの証明書を持ち込む方法。自動更新できないので実用性はないが、一時的に使う場合に有用。
前提条件
DNS-01 チャレンジの証明書を既に作っている。
やり方
- 発行した証明書をhomeに移す
sudo cp /etc/letsencrypt/live/<サイトディレクトリ>/*.pem . sudo chown $USER:$USER privkey.pem fullchain.pem
- さくらのコンパネから設定するドメインのSSL設定を開く
- SSL証明書の種類を選択→独自SSL
- 秘密鍵にprivkey.pemをアップロードする
- SSL証明書インストールでfullchain.pemの中身を張り付けて登録する
本記事はここ昨今のOpenWrtセットアップシリーズの続きである。
OCNバーチャルコネクトのIPoEでIPv4 over IPv6のMAP-E環境だと、IPv4ではWell-known portsが開けない。しかし、IPv6であれば、理論上全部のポートが使えるはずで、それであればサーバーを建てられるのではないかと考えたので、やってみた記録。
セキュリティを考慮し、サーバー以外にはアクセスできないよう、NATのような仕組みで構築する。
確認環境
環境 | 内容 |
---|---|
ISP | OCN光 |
ISP契約 | OCN 光 with フレッツ マンション・スーパーハイスピード 隼・プラン1・西日本 |
ISP接続方式 | OCNバーチャルコネクト(IPoE, MAP-E) |
RouterOS | OpenWrt 24.10.0 |
ServerOS | Ubuntu 24.04.3 LTS |
HTTPD | nginx 1.26.1 |
ドメインレジストラ | Value Domain |
前提条件
IPv4環境下でのHTTPSアクセスが可能で、かつ以下のセットアップが終わっているものとする。
今回の要件
ルーターのファイアウォールでサーバーマシンのみ穴をあけ、それを塞ぐ。つまりIPv4のNATにあったセキュリティの再現を行うことで、関係ない端末が攻撃されないようにする。
やり方
サーバーとDNSの設定
- nginxの設定を開き
listen [::]:443
を追加して再起動sudo service nginx restart
- サーバーマシンのIPv6(Global Unique Address, GUA)を控える
ip -6 addr | grep 'global dynamic' | perl -ale '$F[1] =~ /^([^\/]+)/; print $1;'
- Value DomainのDNS設定を開きAAAAレコードに、先ほど控えたIPv6アドレスを登録する
ルーターのファイアウォールに穴をあける
設定ファイルを編集する方法
vi /etc/config/firewall
で以下の行を追加config rule option name 'Allow-Server-IPv6' option src 'wan' option dest 'lan' option proto 'tcp udp' option dest_ip 'さっき控えたサーバーのIPv6アドレス' option dest_port '443' option family 'ipv6' option target 'ACCEPT'
service firewall restart
でfirewallを再起動する
LuCIでやる方法
- LuCIに入りNetwork→Firewall→Traffic Rulesを開く
Addボタンを押し、次の要領で入力して保存
General Settings項目 値 Name Allow-Server-IPv6 Protocol TCP│UDP Source zone wan Destination zone lan Destination address さっき控えたサーバーのIPv6アドレス Destination port 443 Advanced Settings
項目 値 Restrict to address family IPv6 only 穴をあけたIP以外が外部から疎通しないことを確認
- 穴をあけたIPが外部から疎通することを確認
備考
OCN光のIPoE(MAP-E)方式のIPはv4, v6ともに基本的に変動しない
結論から言うと引っ越しでもしない限り、v4が固定なのは知っていたが、v6も固定らしい。
v6のアドレスが変わる気配がないので、OCNのテクニカルサポートに聞いた結果、PPPoEは変動IPv4でルーター再起動時にIPが変わるが、IPoEであればIPv4, IPv6ともに半固定で通常は変わらないとのことだった。
つまりVLANやip6tablesがなくてもサーバーを公開できると言う事でOCN様々と言う事である。
IPv4アクセスをどうするか?
現状は2案検討している。
- どっかにペラのページを置いておき、「IPv6でアクセスしてください」みたいなお知らせページにしておく
- SNSなどのOGP対策で、簡単なプロキシを組んでおき、OGPだけ出るようにしておく
2のケースだとレンサバにv6側サイトのOGP取得用のCGIを置いておくとか、v6側サイト更新時にOGP付きのペラのHTMLを置いておくなどが検討できると思う。
Cloudflare Tunnelを使わない理由
Cloudflare Tunnelを使えればIPv4を利用でき、デュアルスタック対応もできるだろう、しかしなぜ使わないのかという話。
基本的にオンプレミス至上主義だからというのが答えにはなるが、実務的な理由もある。
まずCloudflare Tunnelを利用する場合、ネームサーバーを委任する必要があるが、CloudflareのDNSはさくらインターネットのSPFレコードを扱おうとするとバリデーションエラーを吐いて使えない。他にも、管理画面のUIがお世辞にもよくなく、言葉を選ばず言えばクソである点もある。勿論、余計なレイヤーを増やすことによる運用コストの増大もあるため、使わなくて済むのであれば、それに越したことはないという考えだ。
またCloudflareのWAF機能やhCAPTCHAがユーザーとして嫌いなのもあり、自分が嫌いなものをユーザーに提供したくないのもあるし、Cloudflareのエラー画面を見て嬉しく思う人もいないと思うので、あのインフラには乗りたくない思いもある。
IPv4のデュアルスタック対応としては、VPNにリバプロをかけるのも検討したが、レガシーに縋っていても仕方がなく、今のところはIPv6に注力する方向にしようとしている。世界のIPv6移行に末端からでも貢献出来たらいいなくらいの気持ちでやっていくのだ。
疎通検証に使える簡易サーバーの作り方
PHP
php -S "[::]:80"
でIPv6向けの簡易サーバーをサクッと立てられるので疎通検証をするときに便利。
Node.js
http-serverだとhttp-server -p 80 -a "[::]"
でいける。serveは未対応っぽい。
疎通確認に使えるcurl例
IPv6はURL形式が特殊なのでアドレス部分を[]
で囲んだ書式で投げる。これはブラウザで確認する場合でも変わらない。
curl -v "http://[aaaa:bbbb:cccc:dddd:eeee:ffff:gggg:hhhh]:80/"
ドメインを利用する場合に、リクエスト先をAレコードとAAAAレコードで明示的に分ける場合は、以下の書き分けができる。
# IPv4向け
curl -4 -v "http://example.com/"
# IPv6向け
curl -6 -v "http://example.com/"
複数ポートの開き方
option dest_port
に値を半角スペース区切りで追加すればよい。LuCIでも同じ書き方で通用する。
例:
option dest_port '80 443 8080'
連番で開ける場合は公式ドキュメントによると、'1024:65535'
のような書式にすれば、連番で開けられるようだ。
例:
option dest_port '8000:8999'
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基本的な考え方としてはWindowsマシンをWiFiのAPにした時と同じと思われる。ゲートウェイのDNSを参照するのでhostsを書き換えると成立する。
現状IPv6で行うのは現実的ではなさそうだ。
IPv6ではやる意味自体がないので本記事はIPv4向けだ。
確認環境
- OpenWrt 24.10.0
手順
SSHでやる方法
- hostsを開いてIPとドメインを紐づける
vi /etc/hosts
- DNSを再起動する
service dnsmasq restart
LuCIでやる方法
IPv6ではやる意味がない
IPv6だと外部DNSに登録したGUAとドメインの紐づけを利用してLAN内のアクセスが出来るためやる必要性がない。IPv6ではGUAを打っても、相手がLANの中にいれば外に出ずに、そのままつながる。これはtracertを打てば分かる。
今までLLMを使う場合、文書校正や整理、ERP辺りが多かったが、そろそろコード作成にも必要だなと感じたので取り組んでみた結果の初回の雑感。
Claude Opus 4との直接対話
LLMエージェントを使わない、チャットインターフェースでの直接対話で行ってみたこと。これはClaude Opus 4で行っている。
簡単なボイラープレートやプログラムが関の山
正直、LLMとの単純な対話で作れるのは3カラムのハンバーガーメニュー付きのような画面のボイラープレートや、WebでJSを使った画像判定スクリプトあたりが関の山だと感じている。
それ以上のものも作れる可能性はあるが、要件定義とコードレビューが大変なので厳しい気がしている。
プログラムの変換は苦手
まず私はTampermonkeyで5分ごとにAPIをポーリングし、結果をパースして条件に応じてOSに通知トーストを出す、400行ほどのスクリプトを作っている。
そこで、このソースコードを丸っと渡して、C#.NETに変換してほしいと頼んでみたが、これは失敗した。根本的にビルドが通らないコードが出てきて多少の修正でどうにかなるレベルでもなく、全くダメだった。
ファイル構成もよくなく、ModelやControllerレベルではファイル分割されているものの、1ファイルの中に複数クラスが納められていたり、何ともな結果だった。
TSDocを書いているため、上手く推論できればInterfaceやClassも作れると思ったが、これは難しいようだった。
特定の設定方法を書くのは得意
OpenWrtの特定の設定を書かせることは得意だった。これはそのまま適用できた。やはりスコープが限定されているのが得意だと感じた。
Claude Codeを少しつついてみた感想
ファイル保存などの手間がいらなくなる
当たり前だがローカルマシン上に結果を出力するため、チャットインターフェースのように頑張ってファイルを保存したり、ディレクトリを切る必要は全くなくなる。
ボイラープレートの作成は得意
PHPを利用したMVC構成で簡単なブログをフルスクラッチで作ってほしいといえば、それらしい形のものは出してくれた。
動くかどうかは全く試していないが、大まかなスケルトンを作って貰って、そっからいじっていくベースとしては使えるような気がした。
やっぱりプログラムの変換は苦手
adiaryのテンプレートエンジン部分をPHPに書き換えてほしいと依頼してみたが、やはり動かないものが出てきた。adiaryの設計が極めて複雑でコンテキストが読み取りづらいのはあると思うが、やはりこの手の作業は苦手なようだ。
現状で見えてきたこと
そこまで大して使ったわけではないが、とりあえず所感として。
恐らく小規模でコンテキストの薄いコードを書かせるのが筋がよさそう。これは複雑な要件をLLMに伝えるのは難しいし、考えるのも大変なのと、コード変換も400行レベルでも厳しいと感じたからだ。
つまり、既存システムの移行は苦手なのではないかと思っている。なのでWordPressをGoで作り直すみたいなことは相当難しいと思う。逆にSOLID原則やClean Architectureのような、スコープが狭く責務が明確なものは作りやすいのではないかと感じた。
また仮にLLMが全て書いてくれるとしても、人がレビューしないとバグがあった時に当たりをつけるのが大変とか、知らない仕様が紛れ込んだりとかもあるため、LLMに書かせすぎるべきではなく、あくまで補助ツール程度に留めておくのが良いと考えている。
LLMの制約を味方にする開発術という記事を見た感じ、複雑なタスクを段階的に分解し、LLMの処理可能な単位に分解することが重要だと感じている。つまりこれは疎結合のほうが向いているということだ。また標準化されていて、属人性がないコードのほうが制約が少なくなるので、LLMもやりやすくなるだろう。これは標準化されておらず、属人性が高いコードは往々にしてカオスで、判断軸がなく、LLMの思考がぶれるからだと思われる。
結局どうしていくか
正直まだどう実用化していくかの展望は見えていない。
何はともあれ使い続けていくことが大切な気はしているので、個人的にはClaude Codeを使い続けていきたい。少なくとも面倒なボイラープレートを書く部分については非常に優秀なので、大まかに作らせて微調整するみたいな用途では間違いなく活路がある。こういうのは引き出しが多ければ多いほど活用できるだろうから、基礎を忘れないように自学していくことも引き続き重要で、LLMに教えてもらうのもいいだろう。適切に使えばLLMからは多くの学びを得られる。