確認時のApache2のバージョンはApache/2.4.58 (Ubuntu)
Apache2のインストール
sudo apt -y install apache2
公開ディレクトリを触りやすくする
公開ディレクトリの所有者はデフォルトだとroot:rootで、そのままでは扱いづらいため自分自身でも手軽に扱えるように権限を調整する。
# 公開ディレクトリを見たりいじる為に自分をwww-dataに入れる
sudo usermod -aG www-data <自分のユーザー名>
# 公開ディレクトリを扱いやすくするためwww-data:www-dataに変える
sudo chown -R www-data:www-data /var/www
# 公開ディレクトリを扱いやすくするためにグループに全権限を付与する
sudo chmod -R g+rwx /var/www
mod_rewriteやmod_cgiを使えるようにする
CGIの実行に必要なPerlなどのランタイムは必要に応じて別途入れておく。PHPは一般的にCGIとして実行しないため、次項の方法で動かせるようにする。
sudo a2enmod rewrite
sudo a2enmod cgi
sudo service apache2 restart
PHPを使えるようにする
バージョンの部分は適宜書き換える。PHP本体をインストールしていない場合は別途インストールしておく(依存解決で勝手にインストールされるかもしれないが)
sudo apt install -y libapache2-mod-php8.3
sudo a2enmod php8.3
sudo service apache2 restart
nginxでhttps://example.comを受けて、https非対応のApache2にリバプロし、Apache2側でもhttps://example.comでアクセスされているように振舞わせる方法。取り敢えず最低限こんだけあると無難だろうという内容。
Apache2(後段)の設定
/etc/apache2/ports.conf
80や443を開けるとnginxと衝突するため、適当にずらしておく。
Listen 8080
/etc/apache2/sites-enabled/001-example.conf
ServerNameは外側と同じものにする。
<VirtualHost *:8080>
ServerName example.com
ServerAdmin webmaster@localhost
DocumentRoot /var/www/html
ErrorLog ${APACHE_LOG_DIR}/example-error.log
CustomLog ${APACHE_LOG_DIR}/example-access.log combined
</VirtualHost>
nginx(前段)の設定
/etc/nginx/nginx.conf
httpセクションにupstream apacheを追記することで、conf.d/配下の設定ファイルから共通的に参照できるようにする。同じことを複数の設定ファイルに書くと構文エラーで起動しなくなる。
user nginx;
worker_processes auto;
error_log /var/log/nginx/error.log notice;
pid /var/run/nginx.pid;
events {
worker_connections 1024;
}
http {
include /etc/nginx/mime.types;
default_type application/octet-stream;
log_format main '$remote_addr - $remote_user [$time_local] "$request" '
'$status $body_bytes_sent "$http_referer" '
'"$http_user_agent" "$http_x_forwarded_for"';
access_log /var/log/nginx/access.log main;
sendfile on;
keepalive_timeout 65;
upstream apache {
server [::1]:8080;
}
include /etc/nginx/conf.d/*.conf;
}
/etc/nginx/conf.d/example.conf
ここでは/etc/nginx/nginx.confで設定したupstreamにプロキシする設定を作っている。
proxy_set_header Host $host;はnginxが受けたホストヘッダをそのままApacheに飛ばすことで、Apache側がバーチャルホストでルーティングできるようにしている。Apacheとnginxで別々のホスト名にすることもできるが、そうした場合、Apache側はApache側で定義したホスト名で動作するため、CGIなどのスクリプトを動かすときに支障があるうえ、Apache側のホスト名をhostsに書かないと疎通できないこともあり、手間なので基本的に前段のドメインに合わせておくのが無難だ。
proxy_set_header X-Real-IP $remote_addr;はnginxにアクセスしてきたクライアントのIPをApacheに渡すための設定。そのままだとnginxのIPが渡ってしまう。
proxy_set_header X-Forwarded-Proto $scheme;もホストヘッダの転送と似ていて、nginxが受けたプロトコルスキーマをApacheに飛ばすための設定。こうしておくとApache側はhttpで受けているのに、httpsでアクセスされたものとして認識させることが出来るため、プロトコルスキーマ付きでURLを生成するCGIがいるときに都合がいい。単にスキーマを誤魔化しているだけなので実際は暗号化されていない。
server {
listen [::]:443 ssl;
server_name example.com;
ssl_certificate /etc/letsencrypt/live/example.com/fullchain.pem;
ssl_certificate_key /etc/letsencrypt/live/example.com/privkey.pem;
access_log /var/log/nginx/example.access.log;
error_log /var/log/nginx/example.error.log;
location / {
proxy_pass http://apache/;
proxy_set_header Host $host;
proxy_set_header X-Real-IP $remote_addr;
proxy_set_header X-Forwarded-Proto $scheme;
}
}
余談:HTTP通信に用いられるHOSTヘッダーについて
HTTP通信で利用されるドメインは単にHOSTヘッダーにドメインを書いているだけなので、以下のようなことをするとhostsを書かなくとも疎通できる。
curl -H "HOST: lycolia.info" http://"[2403:3a00:101:13:133:167:8:98]"
これは一般的なHTTPクライアントの仕組みとして、まずドメインをDNSに問い合わせ、IPを取得したのち、ドメインをホストヘッダーに載せてIPアドレス宛にHTTP要求を出しているからだと思われる。
hostsの書き換えができない環境で、任意のドメインに対してHTTP要求を出したい時にも重宝するので、覚えておくと何かと役に立つ。