直湯調理による漆器椀の摩耗を抑える
漆器椀をカジュアルに使っていると、内側の底の漆が剥げてくるので、これを抑制する方法について。
写真だとややわかりづらいが、底が白っぽくなっている。
これはレトルト味噌汁とかを作るときにお湯をそのまま入れていたことに起因する。漆器の特性として熱に弱いというのがあるので、熱湯を注ぐと漆塗装が剥げてきやすい。
そこでどうやってこれを防ぐかだが、熱湯を入れないのが一番単純な方法になる。とはいっても、それでは普段使いの器として使いづらいので、回避する方法を考えた。
まず、漆器がどのような条件に弱いのかという点についてだが、千鳥という漆器商が漆の耐熱温度についての記事で検証した内容では以下のようにあった。
90℃、95℃、100℃と三段階に分けて試したのですが、90℃、95℃では、4点いずれにも変化は見られませんでした。
しかし100℃では、4点すべてに、長さ5mm程度の筋が数本~十数本現れました。
つまり100度だと危険な可能性がある。また記事の内容を読む限り95度以下が推奨されているようだった。
基本的にポットやケトルから器に湯を注ぐ場合、ある程度の高さから注ぐため、多少は冷えた温度になると思われるので、湯温95度が注がれるときの温度くらいが耐えられる限界だと考えると無難だろう。つまり保温中の電気ポットなら基本90度なので問題が起きることは少ないと思われる。
ではケトルではどうか?ケトルは基本沸騰させ保温しないので100度近くなる。かといって95度まで下げるのも手間だ。
そこで私が考えた方式としては、まず器に水道水を軽く張っておき、その上にレトルト味噌汁などを載せ、その上から湯を注ぐことを考えた。
水はこの程度張っておけばよいだろう。この水を緩衝材として利用するわけだ。
そして水の上に具をのせる。
そして具の上からお湯をかければ摩耗が少なくなるのではないかと考えた。
この方式で三ヶ月くらい続けているが、今のところ摩耗が止まっている気がするので、それなりに成功していると思う。
また連続で調理する場合は、ケトルの湯は温めなおさずにやっておくと多少温度が下がるので、より器に優しくなるだろう。
この方式で調理する場合、中身が熱くなりすぎないので食べやすいのもメリットだ。100度近い湯で作ったインスタント味噌汁なんかは熱くて食べるのが難しいので、こういう風にすると塩梅が良くなるとすると、一石二鳥でもある。



