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冷蔵庫とトレードオフと銀の弾丸

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ジャンル::雑記

世の中には大抵の事柄にトレードオフがあると思う。

例えば冷凍冷蔵庫(以下、冷蔵庫と表記する)には霜取り機能付きと、霜取り機能なしがある。霜取り機能というのは冷蔵庫に発生する霜をとる機能で、本来冷蔵庫は外気温との差で内部で結露が起る。そして冷蔵庫は庫内全体を冷やすために強力な冷却機構を備えており、氷点下まで下がる部分を持つ。ここが結露すると、水が凍り霜ができるという流れだ。放っておくと霜は無限に増え続け、そのうち庫内を埋め尽くしてしまうので定期的に霜をとる必要がある。

そこで登場したのが霜取り機能付き冷蔵庫だ。一般的な冷蔵庫はこちらが主流だ。一見すると霜をとる手間が省けて便利な冷蔵庫で、何の問題もないかもしれない。

しかし、霜取り付き冷蔵庫にも欠点がある。それは氷が消えることことだ。これは霜取り機能というのは霜という名前の氷を除去する機能なので、氷も消してしまうのである。試しに霜取り機能のない1ドア冷蔵庫の冷却版と、霜取り機能のある冷凍庫で氷を作ってみるとわかるのだが、後者は氷が気づいたら消えており、前者は消えない。つまり作った氷を保持しておくには霜取り機能がない方が都合がいいのである。氷はすぐに作れないため、いつでも氷が欲しい場合は霜取り機能がない方が都合がいい。

といったように、冷蔵庫を一つ見てもこういったトレードオフがある。世の中の変化というのは大抵どんなことでもトレードオフがあると思う。開発でいうと密結合なコードと疎結合なコードにもあるし、何かを変えるということは何かしらのトレードオフがあり、銀の弾丸はないものだと感じる。銀の弾丸というのは絶対的な唯一無二の回答であり、要するにほかの選択肢の存在がない存在だと思う。なので、もし銀の弾丸があるとしたら、それは絶対的な価値観を規定し、選択肢を消し去ることで初めて成立するのではないかと感じる。なぜなら選択肢がないということは、逆説的に必然的に銀の弾丸になるからだ。