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普段でWeb系のコードを書いているときに、こういうのがよいのではないか?と考えていることを雑に書いてゆく。いわゆるクラスを使わず関数を主体にして実装するなんちゃって関数型モデルみたいなやつの話。雑に書いているのでところどころ変なかもしれない。コードはNext.jsを題材にして書いている。
端的に言うとSOLIDを軸に、適切にDRY、KISS、YAGNIといった一般的な設計原則を織り込み、MVCのように役割分担のあるアーキテクチャを利用することや、実装方式を統一することを意識している。
実装方式の統一
実装方式、コーディングスタイルを統一することで、微妙な書き方の差異に起因する不具合や、レビュー時のコスト、新人が来たときの迷いを減らせる。恐らくこれこそが最も重要な設計原則だと思う。
例えば以下のコードは書き方は違うがやりたいことは似ている処理群だ。もしチームに新人が来た場合、新人はどちらを書けばよいだろうか?レビューの時に複数の実装パターンが混ざったときにレビュアーはどう対応すればいいだろうか?
// undefinedの判定方法の違い。よほど特殊なことをしているのでなければ、基本的に後者でいい
if (typeof hoge === 'undefined') { }
if (hoge === undefined) { }
// 関数の定義方法の違い。どちらかに統一するほうが望ましい
function func1(param: T) { }
const func1 = (param: T) => {}
// 仮引数の定義方法の違い。これは分割代入とそれ以外で致命的に振る舞いが変わることがあるので統一することが望ましい
const func2 = ({ hoge, piyo }: { hoge: string, piyo: number }) => {}
const func2 = (param: { hoge: string, piyo: number }) => {}
type Func2Param = {
hoge: string;
piyo: number;
}
const func2 = (param: Func2Param) => {}
何よりこれらの処理は同じような処理に見えて、微妙に振る舞いが変わるものがある。それを意識せずコードスタイルとして表現していた場合に不具合を引き起こすトリガーになりやすい。特に分割代入はオブジェクトの参照が切れるので予期せぬ動作になりやすいし、関数のスコープが長くなってきたときに由来が解りづらくなるケースがある。逆に分割代入をしないことによって変数名が冗長になることもある。
こういった問題を解決するために、コードの書き方をあらかじめチームで決めておくのがよい。特にチーム開発でコードの書き方に秩序がないプロジェクトは品質が低い傾向があると感じる。例えば車のタイヤを全て別のメーカーにしていても車は走行できるが、基本的にメーカーが違う場合、品質などの差異があるので、追々予期せぬ問題が発生する可能性がある。それと同じ問題がコードにもあると私は考えている。
他にも同じことがしたいのに複数の実装方法があるとgrepしづらかったり、直感的ではないなど、コードを読んだ人間の認知負荷の増大に繋がるため、基本的には統一されていたほうがよいだろう。
MVCのように役割分担のあるアーキテクチャ
私が普段考えているレイヤリングはMVCとClean Architectureを足して二で割ったようなものだ。DDDや厳密なClean Arctectureだと複雑で重くなりがちなので、このくらいが丁度いいのではないかと考えている。これでも十分複雑なのは承知している。
コンポーネント | 役割 |
---|---|
Adaptor | APIコールなど、外部と接続するためのアダプタ関数。呼び出し処理以外を一切含まない。 ここでデータの操作や例外処理は行わず、必要な場合は呼び出しの前後で行う |
Util | 全体的な共通処理や、画面単位の細かいロジック類 |
Controller | 画面で利用するイベントコールバック処理。useEffect() みたいなのもここ |
State | 画面で利用する状態 |
View | 画面のビュー、ほぼ純粋なJSX/TSXで、booleanによる表示分岐のうち、単純なもののみ扱う。ネストしたり、複合条件を使った分岐は扱わず、必要に応じてUI Components側に移譲する |
UI Components | 画面のビューで利用するUI部品、状態はすべてprops経由で受け取り、自身では持たない |
Usecase | Pageコンポーネントに埋め込む存在。画面のController, State, Viewの繋ぎ合わせと、Pageコンポーネントから来たgetServerSideProps() やgetStaticProps() の結果を適切なコンポーネントに注入する |
Page | ページコンポーネント。Usecaseコンポーネントの埋め込みとgetServerSideProps() やgetStaticProps() の呼び出しのみを行う。 |
getServerSideProps getStaticProps |
getServerSideProps() やgetStaticProps() で処理するコードを書く |
SOLIDを意識する
リスコフの置換原則と、インターフェース分離の原則については、今回のケースでは無視でいいと思っている。
原則 | 効能 |
---|---|
単一責任の原則 | 関数の実装を単一責務として切り出すことで、関数の肥大化を防げ、再利用性を高めることができるほか、単体テストが書きやすくなる |
開放閉鎖の原則 | 関数のインターフェースを抽象化し、不変のものとすることで仕様変更などの変化に対応しやすくなる |
依存性逆転の原則 | その関数に必要な依存性をインターフェース経由で注入することで、関数内の処理が関数本体に依存しなくなり、疎結合になるほか、注入する依存性をモックなどに変えることでテストが容易になる |
単一責任の原則
一つの関数には一つの責務だけを持たせようという原則だ。
一例としてReactでよくみられるreducerは以下のように書ける。これはreducerはaction.type
に応じた関数を呼び出すことを責務として、実際の処理は関数に移譲するといった内容だ。
const reducer = (state, action) => {
switch (action.type) {
case 'update_account':
updateAccountProc(state, action.payload);
break;
...
}
}
この実装であればreducer関数のテストは呼び出す関数をすべてモックしておき、action.type
に応じた関数が、想定通りの引数で呼ばれているかどうかを確認するだけでいい。各関数は関数単体でテストが書けるのでシンプルだ。
もしこれが関数呼び出しではなく、処理がベタで書いてあると単体の規模が大きくなり、コードの見通しが悪くなり、比例してテストコードも長くなり、個人的にはあまりよくないと思っている。コードの見通しは良いほうがよいし、責務ごとに関数を切ることでコードマージ時のコンフリクトの規模を抑えられることや、Feature flagを導入しやすくなるなど、利点は多いと思う。
欠点としては細切れになることによって、パッと見何をしているかわかりづらくなることがあると思うが、適切に抽象化し、関数名をちゃんとつけていれば基本的にそこは考慮しなくてよいと考えている。
開放閉鎖の原則
この原則は拡張に対しては開かれており、修正に対しては閉じられていないといけないということだ。
例えば以下のコンポーネントではUsernameという単語がAccountNameに代わったときにPropsを書き換える必要があるが、もしもuserName
というワードを使わずにonChange
やvalue
といった抽象的な用語にしておけば、変更を不要にできる。
type Props = {
onUserNameChanged: (username: string) => void;
userName: string;
}
export const UserNameInputField = (props: Props) => {
const onChange = (event: React.ChangeEvent<HTMLInputElement>) => {
props.onUserNameChanged(event.target.value);
};
return <input type="text" onChange={onChange} value={props.userName} />;
}
多くのライブラリやAPIではメソッド名やプロパティ名は汎用的な名称になっていることが多く、アップデートで名前が破壊されることはそこまで多くない。こういった風に実装しておくことで内部実装への影響なく処理ができるという寸法だ。
依存性逆転の原則
これは下位コンポーネントに実装を持たせず、上位コンポーネントから中小を介して実装を注入する原則だ。
例えば以下のような実装がある場合、「この辺りに長い色んな処理があるものとする」の部分を仕様変更などで書き換えないといけなくなることがある。
type Props = {
onChange: (value: string) => void;
value: string;
}
export const UserNameInputField = (props: Props) => {
const onChange = (event: React.ChangeEvent<HTMLInputElement>) => {
/**
* この辺りに長い色んな処理があるものとする
*/
props.onChange(event.target.value);
/**
* この辺りに長い色んな処理があるものとする
*/
};
return <input type="text" onChange={onChange} value={props.value} />;
}
しかし、props.onChange
の中に前後の処理を挟んでいれば、これを回避することができるし、onChangeの中に処理がうじゃうじゃあるのも責務として過剰だと思うので、親からonChangeに対し何かしらの処理をすることが自明な関数を注入することで、こういった問題を回避できる。
DRYについて
この原則については、基本的に過度に意識する必要はなくシステム全体の共通部品以外は二重実装を許容して構わないと考えている。
これは余りにもDRYにしすぎると、仕様変更などで影響箇所が広がりすぎて修正が困難になるからというのと、共通部品が多すぎると探すのが大変で、最悪自力で実装されるケースもあるためだ。
KISSについて
程度問題ではあるが、DDDのような冗長で難解な設計原則は避け、ある程度単純なものにしたほうがいいというのは思っている。
べた書きをすることでコードジャンプが減って見通しがいいという意見は行き過ぎだと考えている。
YAGNIについて
これは技術選定フェーズで主に使うもので、何かの技術を入れるとき、その技術である必要がなければ使わないのがよいと考えている。
例えばWeb画面からAPIを叩くときにGraphQLを採用するケースがよくあると思うが、RESTやWebAPIで済むならそちらのほうがよい可能性がある。
GraphQLはWeb標準ではなく、ライブラリによって実装もまちまちで、複雑な仕組みが絡み合っており、全容を理解するのはなかなか難しいうえに、HTTPの上にあるため、使いこなすためには基礎の理解が必要だ。スキーマ設計も難しく、単純にやるとWebAPIと特に変わらないものができてしまう。そう考えたときに、絶対にGraphQLでないといけないというケースがないのであれば、より簡単な技術を使ったほうがよいと思っている。
複雑なものを作っている時間で休憩でもしたほうが頭がすっきりするだろう。
処理の境界を挟んだ時に影響が波及しないようにする
これはAPI通信など、外部から貰ってきたデータがあったときに、内部向けにデータ変換を行うということだ。
例えばAPIからisHoge, isPiyo, isFuga
というデータが来るパターンがあり、この三つのフィールドはいずれか一つしかtrue
にならないケースがあるとして、画面ではこれに対応するラジオボタンを持っている場合、true
だった項目を文字列として持っておくと便利だ。こういった場合に、使う場所で毎回変換処理を挟むと将来的に修正漏れが起きるリスクが増えたり、個々の場所で微妙に違う実装になって実装方式に統一がなくなったり。そもそも出現箇所が増えて認知負荷が増えるなど厄介だ。
これを防ぐために、一番最初にレスポンスを受けた時点で変換処理を挟み、以後それを引き回すというのがよいと考えている。APIに戻すときはisHoge, isPiyo, isFuga
のフォーマットに戻す必要があるのが、その場合はAPIを叩く前に逆変換の処理を挟むと、データ変換処理が入り口と出口だけに存在することになり、データフローがシンプルになる。
他にもAPIと画面の境界でENUMの内容を変換する処理を入れておくとAPI側がしれっとリファクタなどで名称変更をしたときに、異常値を検出しやすくなるし、画面の開発者は基本的にAPIのことを考えなくてもよくなるので楽になると思っている(境界部分を設計する人間だけが考えればよくなる)
あとがき
雑に書こうとしたものの、結局まとまりきらず、まとめようとしても永遠に終わらなかったので一旦吐き出してみた。多分全部話そうとすると発散しすぎて収拾がつかなくなるので、個々について深ぼったことを書いて、最後にそれをまとめたほうがいいのかもしれない。
といっても何を書くかが問題になってくるので、日々思ったことを雑にアウトプットしつつ、あとで振り返ってまとめていくのがいいのかもしれない。
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adiaryをnginxの上で動作させつつ開発する方法をメモしておく。
前提条件
動作URLとしてはhttps://hoge.example.com/adiary
のようなサブドメイン付きのサブディレクトリとする。
adiaryはネイティブでfcgiをサポートしているらしいが、そこは無視して一般的な環境で起動するのがゴール。
SSLで動かす設定を書いているため、nginxでローカル開発環境向けのhttps環境を作るも参考にすること。
特別な設定は不要で、サブドメインモードにしなくとも動く。
確認環境
Env | Ver |
---|---|
OS | Ubuntu 22.04.3 LTS |
nginx | 1.24.0 |
fcgiwrap | 1.1.0-12 amd64 |
adiary | 3.50n |
手順
nginxはインストールされており、既に稼働している状態として話を進める
# adiaryを格納するディレクトリを作成する
sudo mkdir -p /usr/share/nginx/html/sites
# 既にどっかに展開済みのadiaryをディレクトリに突っ込む
sudo cp -R adiary /usr/share/nginx/html/sites
cd /usr/share/nginx/html/sites
# 所有権とパーミッションの調整
sudo chwon -R $USER:$USER adiary/
cd adiary/
sudo chmod -R 777 __cache/
sudo chmod -R 777 data/
sudo chmod -R 777 pub/
# Image::Magickを入れる
sudo apt install -y libimage-magick-perl
# nginxでCGIを動かすために、fcgiwrapをインストールする
sudo apt install fcgiwrap
# /etc/nginx/conf.dに設定ファイルを作成
cat <<'EOF' | sudo tee -a /etc/nginx/conf.d/hoge.example.com.conf
server {
listen 443 ssl;
server_name hoge.example.com;
ssl_certificate ssl/hoge.example.com.pem;
ssl_certificate_key ssl/hoge.example.com-key.pem;
access_log /var/log/nginx/hoge.example.com.access.log;
error_log /var/log/nginx/hoge.example.com.error.log;
# マルチテナント用にこう書いている
root /usr/share/nginx/html/sites;
# /usr/share/nginx/html/sites/adiaryにadiary一式が入っている想定
location / {
index index.html;
}
location /adiary {
index adiary.cgi;
}
# fastcgi用
location ~ \.cgi$ {
gzip off;
fastcgi_pass unix:/var/run/fcgiwrap.socket;
include /etc/nginx/fastcgi_params;
fastcgi_param SCRIPT_FILENAME $document_root$fastcgi_script_name;
}
}
EOF
# nginxの設定を再読み込みする
sudo service nginx restart
トラブルシューティング
403エラーで起動せず、エラーログにパスがないと出る
以下のコマンドを叩き、パスが整合するまで設定を調整する
sudo strace -f -e trace=file -p $(pidof fcgiwrap)
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インストール
https://learn.microsoft.com/en-us/dotnet/core/tools/dotnet-install-script
wget https://dot.net/v1/dotnet-install.sh
chmod 755 dotnet-install.sh
./dotnet-install.sh
echo 'export DOTNET_ROOT=$HOME/.dotnet' >> ~/.zshrc
echo 'export PATH=$PATH:$DOTNET_ROOT:$DOTNET_ROOT/tools' >> ~/.zshrc
Hello world
https://learn.microsoft.com/en-us/dotnet/core/tools/dotnet
dotnet new console -o myapp
dotnet build myapp/myapp.csproj
./myapp/bin/Debug/net6.0/myapp
- 投稿日:
公式のドキュメントには書かれていない気がするがDockerだけあればセットアップ可能。WSL2でのセットアップが面倒なVargantは不要
本記事ではWSL2内のUbuntuの中でDockerとDocker Composeを使った構築法について記述する。Windows向けのDocker Desktopは使用しない
前提
- WSL2のUbuntuにVSCodeで接続して作業
- 起動してログイン、トゥート、設定と言った最低限の画面操作が可能な程度まで
確認環境
Env | ver |
---|---|
Mastodon | v3.5.3 |
Docker | 20.10.21, build baeda1f |
Docker Compose | v2.12.2 |
Ubuntu | 20.04.5 LTS |
WSL2 | 1.0.3.0 |
DevContainer | v0.266.1 |
VSCode | 1.73.0 |
手順
git clone https://github.com/mastodon/mastodon.git
- 最新版などバージョン指定が必要な場合は追加で
tag
をチェックアウトする
- 最新版などバージョン指定が必要な場合は追加で
- VSCodeでClone先を開く
- Reopen Containerする
- セットアップが走るので暫く待つ
foreman start
を流す- http://localhost:3000/ へアクセス
操作方法
ユーザーを作ったりしたい場合、Using the admin CLIが参考になる
一例としてユーザー作成は次の書式で行ける
./bin/tootctl accounts create foo --emaill foo@example.com --confirmed
トラブルシュート
DB接続エラーが出る
ActiveRecord::ConnectionNotEstablished at /
could not connect to server: No such file or directory
Is the server running locally and accepting
connections on Unix domain socket "/var/run/postgresql//.s.PGSQL.5432"?
上記のエラーが出る場合、ビルドしたDockerイメージが壊れてるので以下のコマンドで全て消して作り直すとうまく行く
docker rm -f `docker ps -a -q`
docker rmi `docker images -q`
docker system prune
他のMastodonインスタンスが動かない
複数のMastodonインスタンスのDocker環境を同居させると多分コンフリクトする
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ローカル環境用の開発ドメインをhttps化する時に使えるやつ
例えばローカル環境に複数のサービスがいて、それぞれをhttps://*.example.com/
のようなドメインで管理したい時に使える
確認環境
同じことをすればLinuxとかでも応用できると思う
Env | Ver |
---|---|
nginx | 1.19.8 |
mkcert | 1.4.3 |
Windows 10 Pro | 19043.1415 |
手順
- mkcert の導入とワイルドカード証明書の作成
choco install mkcert # mkcertを認証局として登録 mkcert -install # 証明書を作成するドメインを列挙 mkcert example.test *.example.test mv _wildcard.example.com+1.* C:/nginx/conf/.ssl/
nginxの設定に証明書を記載
server { server_name dev.example.com; listen 443 ssl; ssl_certificate ssl/_wildcard.example.com+1.pem; ssl_certificate_key ssl/_wildcard.example.com+1-key.pem; ... }