ルックバックを見てきた
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OSシネマズミント神戸で見てきた。話題作だけあり、19時からのスクリーン8は満席の盛況で、日頃マイナー作品ばかり見ていると新鮮な光景だった。
本作の感想を一言でいうと、なんとも地味な作品と言うのが率直なところだ。予告は印象的だったのだが、作中で見ると微妙なシーンが多く、奇跡の一枚を切り抜いたような予告だったなと思った。
主な舞台は東北の田舎で、恐らく山形県だ。方言は出てこないが、いわゆる東北の訛りが強く出た作品で、方言好きには響く作品だ。
内容的には漫画を書く子供が成長し漫画家になっていく過程と、田舎で別れたかつての親友が連続殺人事件に巻き込まれて亡くなるといった内容で個人的には余りパッとしなかった。
ストーリーとしても突如として親友が死ぬことのなかったルートがパラレルワールドとして描かれるが夢オチで終わるなど、割と破天荒な描写があり、あまりよくわからなかった。
一番印象的だった部分は、自分の作品を美大にパクられたと主張するイッちゃってる感じの人物が美大に侵入し、親友を襲うシーンがあり、これは前述の連続殺人事件に繋がるのだが、まるで京アニ放火事件の様なあらすじで、チャレンジングな表現だなと感じた。
全体を通して良くわからない感じだったが、一般向けにはこういうのがいいのだろう。
アニメとしてみると動きのない一枚絵が多用されており制作費の削減なのかなというのが印象的だった。恐らく制作費に対する興行収入は良さそうだ。
正直なところ、トラペジウムとは対極な作品だなと思った。これはオーケストラや大物芸能人を入れたり、凝った演出を多様して制作費を上げた割に絶望的なまでに客が入っていないトラペジウムと、尺が短く作画コストを相当削っており、そこまで金がかかってなさそうなのに客入りが非常に良い本作との対比である。
またルックバックと何ら関係ない話で、ここで書くのも憚られる内容だが、ルックバックの映画予告では長井龍雪、岡田麿里、田中将賀の超平和バスターズ、あの花コンビによる「ふれる。」という作品が出ると告知が出ており、こちらは大いに気になるので、早く上映予定日が出て欲しいところだ。