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少女漫画を紙で買ってみた感想

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ジャンル::雑記

紙の書籍の魅力といえばデバイスがいらないことや、パラパラ読めること、紙の質感があることなどがあると思う。しかしまだそれより先があるのではないかと思い、私はある一つの点を思いついた。現実世界の書店、とりわけオタク向け書店の存在だ。

とらのあな、メロンブックス、アニメイト、ゲーマーズをはじめとしていくつか存在するが、昨今では男性向けの書店が閉店する傾向がある。書籍は電子化により物理書店が減っているというのはオタク向けに限らず有名な話だが、実はオタク向けに限って言うと女性向けが比較的健在という話がある。例えば「とらのあな「ほぼ全店閉店」衝撃発表の理由とは? 店舗事業撤退の裏側を聞いてみた」という記事では、とらのあなが池袋の女性向け店舗だけ残したという話が出ている。

そこで私は一つの仮説を閃いた。男性向けと女性向けでは何か決定的な違いがあるのではないかということだ。女性は機械が苦手だから、みたいなのもゼロではないと思うが、どっちかといえば携帯小説など女性向けでも電子媒体は強い力を持つと思うし、創作分野においては女性のほうがデジタルに分を持つだろう。それでも紙媒体に何かがあるというのならそれは何だろうか?というのが気になったので私は早速スーパーに出向いた。

何故ならスーパーには女性向けの書籍が多いからだ。そもそも生鮮食品や生活雑貨が主たる商材であるスーパーに本がある。これは面白いことである。取り扱う必要性がないはずのものがあるということは売れているわけだ。

取り敢えず私は目を引いた雑誌を一冊手に取った。むしろこれだけアピールされていて買うなというほうがおかしい。今までは何となく気が引けて手に取ったことはなかったが、今回ついに手に取ってしまった。正直それが目的だったのでは?と言われたら、それも否定はできない。正直女性向け漫画にも興味自体はあった。というわけで集英社のりぼんを買った。恐らく小中学生向けの雑誌だと思う。男性向けでいえばコロコロコミックやコミックボンボン辺りが近い存在だろう。なおコミックボンボンはもうないらしい。通りで最近見ないわけだ。

今回購入した「りぼん」

さて早速だがまず表紙を見てみると付録がついていることが解る。推ししか勝たんうちわセットだ。電子書籍では物理的なおまけはつけようがなく、あっても精々期間限定アクセスのデジタルコンテンツ程度だろう。

デジタルおまけはサービスの会員登録に誘導されて迷惑な販促メールがくる懸念があるうえ、内容も微妙なので魅力が低いと思っている。しかし物理は違う。開けてみるとかなり本格的なセットになっていることがうかがえた。普通に出来がいいし、ちゃんと使えそうなレベルだ。アニメイトに売ってそうだし、買うと地味に高そうなやつ。しかし付録なのでタダに等しい。

付録の推ししか勝たんうちわセット

他にも折り込みページがあって見開けたり、作品ごとに紙の下地の色が違ったり、最後のページがイラストカレンダーになっていたり、クロスワードパズルのようなものがあり、懸賞応募ができるなど、何かと作りがよく、普通に尊い作りになっていて感動した。表紙だけでも十分に尊いのに一体どれほど尊さを追求してくれるのかという感じだ。尊み秀吉である。男性向けのこのクラスの雑誌がどうだったかが記憶にもうないので、今度そちらも見てみようとは思うが、ここまでではなかった気がする。

紙の下地がカラフルなことが解る断面
最後のページはカレンダーとして使えるようになっている

まぁここまで気分が高揚してしまっているのは、単に初めて見るものだからというのもあるとは思うし、付録も今回たまたまついていただけという可能性はあるし、そもそもこれは児童誌であって大人が読むものではないので、まともに扱うこと自体に無理があるが、紙本の魅力の一つとして数えること自体はできる気はする。特に前述したクロスワードパズルのようなものは紙に書いてこそだと思うので、これはいいものだろう。デジタルのマス目にキーボードで埋めるのは味わいがない。

しかしこの本を買って思ったのは表紙がパステル調で、ポップで非常にファンシーで、これはすごく心をくすぐられる要素が強いなというところだ。電子だとあんまこれは感動しないかもしれない。たぶん画面のフレームの一部であって、視界全体に移りこまないからかもしれない。

ちなみに単行本などは場所の都合で電子で買っているのだが、雑誌は紙で買うようにしている。紙のほうが読みやすいのと、部屋に転がしておくと目に留まって何度も読むからだ。電子はアプリを開かない限り見えないので文化から隔絶された感覚になる。PCだと寝転がって見れないし、スマホは小さい、タブレットは悪くないがそのために持ちたくないというのが正直なところだ。

また紙の本を見ていると発見があることもある。例えば今回気が付いたのは発行情報だ。りぼんには『(毎月3日発売)第70巻第6号』と書かれている。これはほかの雑誌ではどうだろう?と思い、モーニングを見てみたところ、『(毎週1回木曜日発行)(4月25日発売)第43巻第22号通巻2383号』と書かれていた。

りぼんの発行情報
モーニングの発行情報

恐らく巻数は発行年数で、号数は発行月数だと思うので、りぼんの場合は70年目の6月号であることが解る。モーニングは週刊誌なので22週目ということだろう。通号の有無に関してだが、これはモーニングがもともと第三種郵便物であった名残であると思われる。第三種郵便物には逐号番号の記載規定があるので、その名残。りぼんは第三種郵便物だった事がないか、名残がないかのどちらかだろう。

またモーニングにある「毎週1回木曜日発行」という、毎週一回と木曜日発行がダブっていて違和感を覚えるのも、これも第三種郵便物の書式規定によるものと思われる。恐らく週の発行回数を明示するために意図的に書くように定めたものなのだろう。

さてここまで内容について一切触れていないが、内容についても面白く、傾向としてはコミカルな表現が多く、恋愛ものが多い。ファンタジーやバトル、ギャグ物は少ない印象を受けた。

読者層としては2002年のJMPA読者構成データを見る限り、13歳未満が64.6%で過半数を占め、次いで13~15歳が31.2%、16歳以上が4.2%、性別では女性が100%となっている。

2002年のJMPA読者構成データ

対象年齢的には中学生以下が一般的で、中学生も多少読んでいる感じだろう。こういう場合、親が買い与えていると思われるので男性の読者比率が0%になっているのだと思う。とはいえ、内容的にはそこまで低年齢向けかというとそこまででもなく、振り仮名こそ振ってあるものの、その中身は意外と本格的だった。小学生がこの言葉やシチュエーションわかるんか?というのがそれなりに出てくる気がしたので、そこそこませている。登場人物は高校~社会人くらいなので、割と高めである。少年誌の登場人物が軒並み高校で時が止まっているのと比べると、これは対照的だ。男性向けだと、社会人が出てくるのは青年誌以降だろう。

絵柄は少女漫画的なのはそこまで多くなく、所謂萌え絵みたいなのが多めである。少女漫画チックなのはかなり少なく、どちらかというと萌え絵に寄ってきている。ディズニーとかも昔と比べるとそっちに寄ってきている気がする(アナ雪とか)ので、これは界隈の傾向なのかもしれない。基本的には男性でも普通に読める内容だが、女の子の夢みたいなのがふんだんに詰まり気味であるため、分別のつかない男児に読ませるのは妙な誤解を生んだりする可能性があり、微妙かもしれない。

作品的にはちびまる子ちゃんが連載されており、作者がすでにこの世を去った状態なのに連載が続いているのは凄いと思った。