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依存ライブラリの関係でESLint v9への移行はできていないが、取り合えずFlat configに移行した。ESLintは7.9.0から8.57.0に更新している。
確認環境
Flat configになってからeslint:recommended
は@eslint/jsに移った模様。
Env | Ver |
---|---|
@eslint/js | 9.2.0 |
@lycolia/eslint-config | 0.9.1 |
@swc/jest | 0.2.31 |
@types/jest | 29.5.11 |
@types/node | 20.11.5 |
eslint | 8.57.0 |
eslint-plugin-jest | 28.5.0 |
jest | 29.7.0 |
prettier | 3.2.5 |
typescript | 5.4.5 |
typescript-eslint | 7.8.0 |
元の設定
{
"extends": [
"eslint:recommended",
"plugin:@typescript-eslint/recommended",
"plugin:jest/style",
"plugin:jest/recommended",
"@lycolia/eslint-config",
"prettier"
],
"plugins": [
"@typescript-eslint"
],
"parser": "@typescript-eslint/parser",
"parserOptions": {
"project": "./tsconfig.json"
}
}
やったこと
ESLintなど必要ライブラリのアップデート
npm i -D eslint @eslint/js eslint-plugin-jest jest prettier typescript typescript-eslint @lycolia/eslint-config
新設定の作成
eslint.config.js
を作成
extendsの設定
今までextends
に書いていたものはrequire
でモジュールを参照してmodule.exports = []
の配列の中に書いた。typescript-eslintとeslint-plugin-jestの対応が何とも言えない。なお、この状態だとtypescript-eslintが正常に動かない。
const eslint = require("@eslint/js");
const eslintTypeScript = require("typescript-eslint");
const eslintJest = require("eslint-plugin-jest");
const eslintLycolia = require("@lycolia/eslint-config");
module.exports = [
eslint.configs.recommended,
eslintTypeScript.configs.recommended[0],
eslintJest.configs["flat/style"],
eslintJest.configs["flat/recommended"],
eslintLycolia,
];
設定が競合して都合が悪かったので、この時にPrettierの設定を削除しているが、Flat config化とは特に関係ないので無視してよい。
@lycolia/eslint-configは私が作っているカスタム設定だが、これは特に何もせずとも使えた。
.eslintignore対応
extendsしたオブジェクトの次にオブジェクトを記述し、そこにignores: []
を追加し、その中に同じことを書いた。恐らく根っこの配列はESLintの設定オブジェクトの羅列で、最終的に後勝ちでマージされる様に出来ているのだろう。
const eslint = require("@eslint/js");
const eslintTypeScript = require("typescript-eslint");
const eslintJest = require("eslint-plugin-jest");
const eslintLycolia = require("@lycolia/eslint-config");
module.exports = [
eslint.configs.recommended,
eslintTypeScript.configs.recommended[0],
eslintJest.configs["flat/style"],
eslintJest.configs["flat/recommended"],
eslintLycolia,
{
ignores: [
'dist/*',
'coverage/*',
'**/*.d.ts',
'/src/public/',
'/src/type',
'*.config.js'
],
}
];
TypeScript対応
eslintTypeScript.config()
でESLintの設定配列全体を引数としてラップし、languageOptions
の中身を移植した。旧設定にあったplugins
は公式のドキュメントを見る限り不要になっている模様。
const eslint = require('@eslint/js');
const eslintTypeScript = require('typescript-eslint');
const eslintJest = require('eslint-plugin-jest');
const eslintLycolia = require('@lycolia/eslint-config');
module.exports = eslintTypeScript.config(
eslint.configs.recommended,
...eslintTypeScript.configs.recommended,
eslintJest.configs['flat/style'],
eslintJest.configs['flat/recommended'],
eslintLycolia,
{
ignores: [
'dist/*',
'coverage/*',
'**/*.d.ts',
'/src/public/',
'/src/type',
'*.config.js'
],
languageOptions: {
parser: eslintTypeScript.parser,
parserOptions: {
project: './tsconfig.json'
}
}
}
);
旧設定の削除
.eslintrc
と.eslintignore
を消した。
ESLint v9対応
typescript-eslintが対応していないため、現時点ではできなかった。
変更差分まとめ
-{
- "extends": [
- "eslint:recommended",
- "plugin:@typescript-eslint/recommended",
- "plugin:jest/style",
- "plugin:jest/recommended",
- "@lycolia/eslint-config",
- "prettier"
- ],
- "plugins": [
- "@typescript-eslint"
- ],
- "parser": "@typescript-eslint/parser",
- "parserOptions": {
- "project": "./tsconfig.json"
+const eslint = require('@eslint/js');
+const eslintTypeScript = require('typescript-eslint');
+const eslintJest = require('eslint-plugin-jest');
+const eslintLycolia = require('@lycolia/eslint-config');
+
+module.exports = eslintTypeScript.config(
+ eslint.configs.recommended,
+ ...eslintTypeScript.configs.recommended,
+ eslintJest.configs['flat/style'],
+ eslintJest.configs['flat/recommended'],
+ eslintLycolia,
+ {
+ ignores: [
+ 'dist/*',
+ 'coverage/*',
+ '**/*.d.ts',
+ '/src/public/',
+ '/src/type',
+ '*.config.js'
+ ],
+ rules: {
+ semi: ['error', 'always']
+ },
+ languageOptions: {
+ parser: eslintTypeScript.parser,
+ parserOptions: {
+ project: './tsconfig.json'
+ }
+ }
}
-}
+);
- 投稿日:
ローカルで動作するNode.jsのライブラリ(node_modules
)欲しくないですか?欲しいですよね?という訳で作ってみました。
要件としてはTypeScriptで実装出来、Jestでテスト可能で、ESLintでLintが可能というところです。
確認環境
Env | Ver |
---|---|
@swc/cli | 0.1.62 |
@swc/core | 1.3.93 |
@swc/jest | 0.2.29 |
@types/jest | 29.5.5 |
@types/node | 20.8.6 |
@typescript-eslint/eslint-plugin | 6.7.5 |
@typescript-eslint/parser | 6.7.5 |
eslint | 8.51.0 |
eslint-config-prettier | 9.0.0 |
eslint-plugin-jest | 27.4.2 |
jest | 29.7.0 |
jest-watch-typeahead | 2.2.2 |
prettier | 3.0.3 |
ts-jest | 29.1.1 |
typescript | 5.2.2 |
Node.js | 20.8.0 |
npm | 10.1.0 |
サンプル実装
https://github.com/Lycolia/ts-library-example
実装について
フォルダ構成
monorepoでmainからlibrary/singleやlibrary/multi/hoge, piyoを参照するような構成です。
root
└─packages
├─library // ライブラリ側
│ └─packages
│ ├─multi // 複数ファイルのライブラリ
│ │ └─src
│ │ └─utils
│ │ ├─hoge
│ │ └─piyo
│ └─single // 単一ファイルのライブラリ
│ └─src
└─main // ライブラリを使う側
└─src
└─libs
実装時のポイント
これが全てというわけではないと思いますが、一旦今回作ったもののポイントを解説していきます。利用側がtsc
を利用しない場合、ライブラリ側と利用側で構成は別々になります。
またこの実装はエディタにVSCodeを利用し、import
するパスが相対パスであることを前提に説明しています。
ライブラリ側のポイント
ビルドに関して
まずビルドに関してはtsc
でやります。
これはTypeScriptで開発するためにはビルド成果物として.d.ts
ファイルが必要になるのと、Jestを通すためにビルド成果物がCommonJS形式(以下CJS)である必要があるためです。CJSが吐けるなら何でもいいとは思いますが、.d.ts
も必要になるので、tsc
を使うのが無難な選択肢だと思います。
テストファイルを出力したくないので、tsconfig.json
はビルドと開発で分けます。
またtsconfig.json
は各ワークスペースのルートに置いて置く必要があります。これはTypeScriptがtsconfig.json
のパスを起点として動作するためです。
ビルド用の設定ポイントとしては以下の通りです。
"compilerOptions"
"module": "NodeNext"
- これがないとパス解決が上手く行きません
"moduleResolution": "NodeNext"
- これがないとパス解決が上手く行きません
"declaration": true,
.d.ts
の出力に使います
"outDir": "./dist",
- ビルド成果物の出力先です
"exclude": ["src/**/*.spec.ts"]
- ビルド時にテストファイルは不要なので無視します
"include": ["src/**/*"]
- 参照するソースコードです
Jestに関して
ビルドにtsc
を使うため、Jestのローダーとしてもts-jestを利用します。公式ではbabelが推奨されているようですが、構成方法が不明だったので諦めました。BabelはJest公式の案内通りにやっても多分上手く行きません。
jest.config.js
には以下の設定を追加します。
preset: 'ts-jest'
開発用の設定について
開発とビルドでtsconfig.json
を分けるので、開発用のも必要です。これはビルド用から"exclude": ["src/**/*.spec.ts"]
を抜くだけです。
ライブラリを外部参照させる方法
基本的にはpackage.json
に外部参照させるための定義を書くことによって行います。
この辺りの仕様はdocs.npmjs.comにはなく、nodejs.orgにあります。
単一ファイルの外部参照
単一ファイルを外部参照(import出来るように)するときに使う手法です。
import
をimport { hoge } from '@my-lib/example'
みたいな書き方をしたい時に必要になるやつです。
以下の様にビルド成果物の.js
のパスをpackage.json
に追加してやると出来るようになります。
"main": "./dist/index.js",
以下の書き方でも同様に可能です。
"exports": {
".": {
"default": "./dist/index.js"
}
},
上記には他にtypes
というフィールドがあり、本来ここに.d.ts
を追加するのですが、TypeScriptが解決してくれるので、なくても動きます。一応ない場合はファイル探索を行うようなので、あった方が少しだけパフォーマンスが上がるかもしれません。
複数ファイルの外部参照
複数ファイルを外部参照(import出来るように)するときに使う手法です。
基本的に何もしなくてよいですが、import { hoge } from '@my-lib/example'
みたいな書き方もしたい場合は以下の記述が必要です。
"main": "./dist/core/index.js"
ここで指定していないものはimport { hoge } from '@my-lic/example/dist/hoge'
みたいにして参照します。dist
がダサくて嫌な場合は適当な名前に変えます。
参考までに@actions/githubはバージョン6.0.0時点でdist
に相当する部分をlib
にしており、import { Context } from '@actions/github/lib/context';
の様にして参照するようになっています。
exports
を使ってdist
を隠すことも出来るとは思うのですが面倒なので試してません。
ライブラリ側を利用する側のポイント
今回利用する側はビルドにswcを使う想定ですが、たぶんなんでも動くと思います。参考までにswc-loader + webpackでも動きました。
開発用の設定について
tsconfig.json
に以下の設定があれば恐らく最低限大丈夫だと思います。
"compilerOptions"
"module": "NodeNext"
- これがないとパス解決が上手く行きません
"moduleResolution": "NodeNext"
- これがないとパス解決が上手く行きません
"include": ["src/**/*"]
- 参照するソースコードです
ライブラリのインストール方法について
以下のように相対パスを指定するとインストールできます。
npm i ../package/library/package/single
消すときはパッケージ名を指定すれば消せます。
npm un @lycolia/library-example-single
試したけどダメだったやつら
色々してる過程で試行錯誤した名残。
ライブラリ側のJestでbabelを使おうとやったこと
以下の二通りの設定は試しましたが、どっちもダメだったので諦めました。何よりtscを使うならts-jestの方が楽なのは確定的に明らかですし…。
presets: [
['@babel/preset-env', {targets: {node: 'current'}}],
'@babel/preset-typescript',
],
presets: [
['@babel/preset-env', {targets: {node: 'current'}, modules: 'commonjs'}],
'@babel/preset-typescript',
],
ライブラリ側をswcでビルド
.swcrc
を以下の設定にしても
"module": {
"type": "commonjs"
},
以下の出力がされるため、jest.spyOn()
が上手く動かない(get
が邪魔でhello
が見れない
"use strict";
Object.defineProperty(exports, "__esModule", {
value: true
});
Object.defineProperty(exports, "hello", {
enumerable: true,
get: function() {
return hello;
}
});
const hello = (param)=>{
console.log(param);
};
どの道これでは.d.ts
が出せないので、あんま意味ないなと…。
参考にしたもの
実装方法は@actions/githubが一番単純で参考になると思います。
- 仕様
- 実装
- Jest周り
実装はビルド成果物とビルド前のコード、package.json
やtsconfig.json
辺りがどうなっているのかを参考にしました。