2026/06/26(金)nginxに未定義のホスト名で要求が来たときにエラーを返せるようにした
投稿日:
nginxのバーチャルホストを増やしたり減らしたりしていて未定義のドメインにアクセスしたとき、最も若い設定ファイルに飛ばされることに気づいた。
これだと未定義のバーチャルホストを叩いたときに変なところに飛んでいくので、エラーにするようにした。
起きていた現象
git.lycolia.infoの設定をnginxから削除し、DNSにレコードが残っている状態でhttps://git.lycolia.infoを叩くと他の特定のドメインでホストしているサイトに飛ばされる状態になっていた。
例えば/etc/nginx/conf.d/access-analizer.confがあるとした場合、未定義の任意のドメイン名を叩くと、この設定ファイルで定義した場所が表示される状態だった。リダイレクトなどはなく、URLそのままで表示される感じ。
確認環境
- nginx/1.26.1
対処方法
/etc/nginx/conf.d/default.confなど、適当に設定ファイルを作って次の設定を記述すると対処できる。
server {
listen 80 default_server;
listen 443 ssl default_server;
listen [::]:80 default_server;
listen [::]:443 ssl default_server;
ssl_reject_handshake on;
return 444;
}
default_serverと書くと、未定義のホストに対するアクセスがすべてここに吸収される。
server_name ""にしておくとIP直打ちのアクセスもトラップできるらしいが、手元で確認した感じは、あってもなくても機能するように見えたので付けていない。
ssl_reject_handshake onにしておくことで、未定義のホストに対してHTTPSでアクセスしてきたときに、ハンドシェイクをせず突き返す事ができるようだ。わずかではあるもののサーバーの負荷やネットワークのトラフィックが抑えられそうだ。
以下のようにlistenの443にsslをつけなくても同じように動いたが、違いはよく分かっていない。
server {
listen 80 default_server;
listen 443 default_server;
listen [::]:80 default_server;
listen [::]:443 default_server;
ssl_reject_handshake on;
return 444;
}
余談がうちのサーバーは外向きに80番ポートを開けていないので、80に対して制御を入れているのはもっぱらローカル用だ。開発環境を増減させてる時に変なところに繋がると面倒なので入れている。
検証結果
この設定をしたことで次のようなHTTP要求をすべてエラーで返せるようになった。
curl -H "Host:hoge.lycolia.info" "https://[2400:4153:8f01:c800:c14b:3f7a:2b54:353a]"
curl: (35) error:14077458:SSL routines:SSL23_GET_SERVER_HELLO:tlsv1 unrecognized name
curl "https://[2400:4153:8f01:c800:c14b:3f7a:2b54:353a]"
curl: (35) error:14077458:SSL routines:SSL23_GET_SERVER_HELLO:tlsv1 unrecognized name
curl -H "Host:hoge.lycolia.info" "https://180.33.219.150"
curl: (35) error:14077458:SSL routines:SSL23_GET_SERVER_HELLO:tlsv1 unrecognized name
curl "https://180.33.219.150"
curl: (35) error:14077458:SSL routines:SSL23_GET_SERVER_HELLO:tlsv1 unrecognized name
但しhttpスキーマにして443ポートに投げるとHTMLが返ってくるようだった。まぁ別にいいかと思ったが、サーバーのバージョンが出てると微妙な気がしたのでserver_tokens off;を/etc/nginx/nginx.confに足しておいた。記事で明かしているとはいえ、悪意のあるBOTが機械的に叩いてきたときに見られると余りよくない。
curl -H "Host:hoge.lycolia.info" "http://[2400:4153:8f01:c800:c14b:3f7a:2b54:353a]:443"
<html>
<head><title>400 The plain HTTP request was sent to HTTPS port</title></head>
<body>
<center><h1>400 Bad Request</h1></center>
<center>The plain HTTP request was sent to HTTPS port</center>
<hr><center>nginx/1.24.0 (Ubuntu)</center>
</body>
</html>
curl "http://[2400:4153:8f01:c800:c14b:3f7a:2b54:353a]:443"
<html>
<head><title>400 The plain HTTP request was sent to HTTPS port</title></head>
<body>
<center><h1>400 Bad Request</h1></center>
<center>The plain HTTP request was sent to HTTPS port</center>
<hr><center>nginx/1.24.0 (Ubuntu)</center>
</body>
</html>
curl -H "Host:hoge.lycolia.info" "http://180.33.219.150:443"
<html>
<head><title>400 The plain HTTP request was sent to HTTPS port</title></head>
<body>
<center><h1>400 Bad Request</h1></center>
<center>The plain HTTP request was sent to HTTPS port</center>
<hr><center>nginx</center>
</body>
</html>
curl "http://180.33.219.150:443"
<html>
<head><title>400 The plain HTTP request was sent to HTTPS port</title></head>
<body>
<center><h1>400 Bad Request</h1></center>
<center>The plain HTTP request was sent to HTTPS port</center>
<hr><center>nginx</center>
</body>
</html>
おまけで80番を叩いて見たらそもそも繋がらなかった。ルーターで塞いでるのでnginxに届いていない。
curl -H "Host:hoge.lycolia.info" "http://[2400:4153:8f01:c800:c14b:3f7a:2b54:353a]"
curl: (7) Failed to connect to 2400:4153:8f01:c800:c14b:3f7a:2b54:353a port 80 after 4 ms: 接続が拒絶されました
curl "http://[2400:4153:8f01:c800:c14b:3f7a:2b54:353a]"
curl: (7) Failed to connect to 2400:4153:8f01:c800:c14b:3f7a:2b54:353a port 80 after 8 ms: 接続が拒絶されました
curl -H "Host:hoge.lycolia.info" "http://180.33.219.150"
curl: (7) Failed to connect to 180.33.219.150 port 80 after 7 ms: 接続が拒絶されました
curl "http://180.33.219.150"
curl: (7) Failed to connect to 180.33.219.150 port 80 after 6 ms: 接続が拒絶されました
あとがき
HTTPステータスコードに444なんてあったっけ?と思ったらnginxの特殊コードの様で、このコードが指定されるとnginxはレスポンスを返さず、その場でTCPコネクションを切るらしい。
前述のdefault_serverのマニュアルを読み返すと軽く触れられていることに気がついたのでドキュメントを漁ったら根拠が出てきた。
公式ドキュメントのreturnに以下のようにあるため、コネクションを閉じ何も返さないという事は間違いなさそうだ。
Stops processing and returns the specified to a client. The non-standard code 444 closes a connection without sending a response header. code
あとがきのあとがき
80に対して設定するとnginx_exporterにホスト名を指定できない関係上、上手くいかなくなるので80向けの設定は後日外した。
恐らくstub用のvhostにsocketを指定してnginx_exporterから読めるようにしたらいい気はするのだが、面倒なのでそれはまた今度やろうと思う。
2026/06/25(木)自宅サーバーの一部がダウンしたが監視を入れていてよかった話
投稿日:
仕事を終えて自分のサイトを見ると一部がダウンしておりGrafanaを見てみたらディスク使用率が100%になっていた。Mastodonがダウン、Grafanaも不安定な状態だった。
Prometheusのsyslog集めが強すぎてストレージパンクしたかな?と思ってPrometheusを止めてみたが効果はなかった。
ディスク占有しているやつを探す
ひとまずディスクを占有している主を突き止めるため、ディレクトリ単位の容量を出して突き止めることにした。犯人はForgejoだった。
犯人探しに使った軌跡
sudo du -xh --max-depth=1 /
sudo du -xh --max-depth=1 /var
sudo du -xh --max-depth=1 /var/lib
sudo du -xh --max-depth=1 /var/lib/forgejo
sudo du -xh --max-depth=1 /var/lib/forgejo/data
sudo du -xh --max-depth=1 /var/lib/forgejo/data/repo-archive
一次対応としてForgejoへの外部アクセスを遮断
取り敢えずForgejoが攻撃されてると面倒だなと思い、nginxの設定を書き換えてForgejoへの外部接続を拒否した。
次にrepo-archiveはキャッシュらしいのでForgejoの管理画面から消すことにした。すると即座にディスクは空き、全てが元に戻った。
犯人捜し
一旦サーバーは安定状態になったので犯人を捜すことにした。
まずはForgejoのログを見たのだが役に立たなかったので、次に私はGrafanaのLokiからnginxのログを引くことにした。
そしてLokiからnginxのログを見たらすぐに分かった。meta-externalagent、つまり悪名高いFacebookのクローラーだった。過去にこのブログにやってくる海外IPのBOTの挙動を軽く調べたでも出したが、こいつはやたらアクセスしてくる。
しかし何故Facebookのクローラーがなぜ…?と思ったがURLを見てすぐわかった。アーカイブにアクセスしているのだ。
もしかしたらForgejoはアーカイブURLにアクセスされるとその都度.zipや.tar.gzを生成しているのかもしれないと思って調べたらその通りだった。そんなクソみたいな仕様ある…?と思ったが、アーカイブを作るなら他に方法はない。
ForgejoはGitHubと違ってパス単位に作れるため、パスが多いリポジトリほど大量に作れるし、過去のバージョンを参照されたら事実上ほとんど無限に生成できる。そりゃパンクする。
Forgejoはどう思っているのか?
こんなのほとんど脆弱性である。しかもディスククォーターを設定したところでどうにもならない。ダウンロードできなくなって詰むだけだ。定期的にクリアしてもいいがSSDの寿命が縮んでしまう。
そこでForgejoの人たちはどう思っているのか調べてみたら案の定課題が起票されていた。最後の奴に至ってはメインコントリビューターの一人と思われるGusted氏の起票である。
結局どうすることにしたか
リポジトリの中身をzipで落としたい需要というのはどうしても出てくるし、それは仕方がない。しかし世代ごとパスごとに作ってしまうとなると、その数は無数になりすぎてしまう。
そしてダウンロードさせる以上どこかにデータを置く必要はある。仮に定期的に消すとしてもストレージの消耗は避けられない。
結論としてForgejoは撤去し、成果物は配布ページを作ってそこでzip配信するのが無難だなと思った。
簡単なコードについてはゴミ箱みたいな場所を作ってそこに転がしておくのもいいだろう。
明らかに利用者がいるValueDomainの奴とかもあるので、ひとまず土曜日にページを作って配信しようと思った。
meta-externalagentのアクセス推移
全部で何アクセス化までは見れていないが万単位でアクセスされてそうなので無茶苦茶だなと思った。
metaは最早攻撃者にも近いと思う。
経緯とか
18時頃にメトリクスが切れているのは多分書き込めなくて一時的に死んだからと思われる。再開できた理由は不明。この時点でネットワークトラフィックも死んでおりまともにアクセスできない状態だったと思われる。
19時半頃に手当を開始したが、FacebookのクローラーはForgejoを遮断するまでダウンロード不能(statできずにエラーを吐いていた)になったURLにひたすらアクセスしていた。
あとがき
今回の障害はいい勉強になった。
ディスク容量の急増という障害があることと、単にログとメトリクスを集めているだけでも解ることがあることが知れた。
勿論、閾値を設定した上での発報や、毎回クエリを叩かなくていいダッシュボードがあればよりよいと思うが、単に監視装置を置いているだけでもこうやって知ることができるのだなというので、いい経験になった。
2026/06/24(水)ForgejoでWebUIからのコミットに署名させる
GitHubではWebUIからPRのマージやファイル編集をしたときにコミットに署名がつくが、これをForgejoでもやる方法。
確認環境
- Forgejo 15.0.3
やり方
基本は公式にあるInstance Commit Signingの通り。
- 署名用のSSH鍵を作る
ssh-keygen -t ED25519 -f forgejo ssh-keygen -y -f forgejo > forgejo.pub sudo mv forgejo* /etc/forgejo sudo chown git:git /etc/forgejo/forgejo sudo chown git:git /etc/forgejo/forgejo.pub /etc/forgejo/app.iniに設定を足す[repository.signing] FORMAT = ssh SIGNING_KEY = /etc/forgejo/forgejo.pub SIGNING_NAME = "Example Git Instance" SIGNING_EMAIL = "noreply@git.example.com" INITIAL_COMMIT = pubkey WIKI = pubkey CRUD_ACTIONS = pubkey MERGES = pubkey- Forgejoを再起動する
sudo systemctl restart forgejo.service
結果
コミットに署名がつき、自分のアイコンが出るようになった。
但しGitHubとは違い、Forgejoが署名したことが分かる見た目になっている。
実はGitHubでもWebUIからの修正にはGitHubの鍵で署名が行われているのだが、GitHubではUI上その区別がない。Forgejo はその区別があるため、より明確な表示になったといえる。
あとがき
コミット履歴のアイコンにForgejoがいるのが気に食わなかったので、自分のアイコンで上書きできてよかった。これで履歴の気味悪さを忘れてWebUIから気軽に治せる。
署名なしコミットは文字やアイコンが大きく、行も広くなるため、表示がしっくりこなかったので丁度よくなった。
2026/06/23(火)MSYS2のGitを高速化する
MSYS2のGitって遅いよな~とつぶやいていたら公式から早くする方法があるよと紹介されたので、その時にやったこと。
この手順は私個人の環境に深く紐づいている。
確認環境
| Env | Ver |
|---|---|
| MSYS2 | msys2-x86_64-20260322 |
手順
- 起動スクリプトを直す
@echo off -set MSYSTEM=MSYS +set MSYSTEM=UCRT64 set MSYS2_PATH_TYPE=inherit set CHERE_INVOKING=1 C:\env\msys64\usr\bin\zsh.exe -l %* - パッケージのアップグレードを行う
pacman -Syu - もっかいやる
pacman -Syu - 既存のgitを消す
pacman -S git - UCRT用のgitを入れる
pacman -S mingw-w64-ucrt-x86_64-git - MSYS2用のGitプロンプトを廃止
- MSYS2ではWindowsのGitを使用しており、プロンプトを出すためだけにMSYS2のGitを使っていたが、これをやめた
参考リンク
- Native Git Now Available in MSYS2
- 倍速くらいになると書かれている
あとがき
Windows側に入ってるGit for windowsも消していい気がしてきた。まぁそもそもGit作業は今のところUbuntu実機で行っている関係もあり、滅多に使わないのだが…。ただVSCodeでパスフレーズ付きのカギを扱うときにはあった方が良さそうだし、コミット用にはあった方が良さそうな気もする。
しかし過去情報の断面を残したいがために、出来るだけ過去記事の状態を保っているが、MECEでなくなりすぎていて大変なので、そろそろWiki的な何かを作った方がいい気がしてきた。
絶対に次にフルセットアップするときにこの状態に戻せない気がしている。
ところでMSYS2公式から助言をもらえたのはFediverseをやっていたお陰な気がするので、これはとても良い出来事だったと思う。
実行環境的にMSYSはCygwinでUCRT64はWindowsネイティブで速そうなので実行環境はMSYSTEMよりUCRT64のがいいのかなとか思った。
2026/06/22(月)nginxで設定をモジュール化して再利用する
PHP-FPMとかの設定がvhostに散らばってて一元化したかったけど/etc/nginx/nginx.confにlocationディレクティブを書くと構造上エラーになるため、再利用可能なモジュールと切り出し各vhostの設定から呼び出して解決したログ。
確認環境
- nginx/1.26.1
やり方の一例
PHP-FPMを設定する例
/etc/nginx/snippetsに適当な名前で.confを作る- 例:
/etc/nginx/snippets/php-fpm.conf
- 例:
- 作ったファイルに設定を書く
location ~ ^.+\.php$ { fastcgi_pass unix:/var/run/php/php8.3-fpm.sock; fastcgi_index index.php; include fastcgi_params; fastcgi_param SCRIPT_FILENAME $document_root$fastcgi_script_name; fastcgi_param HTTPS on; fastcgi_param SERVER_PORT 443; } 読み込みたいvhostの
.confから参照するserver { listen [::]:443 ssl; server_name hoge.example.com; # ワイルドカード証明の設定も外出ししておくと共通化できて便利 include snippets/cert.conf; client_max_body_size 100M; root /var/www/hoge; index index.php; location / { index index.php; try_files $uri $uri/ =404; } include snippets/php-fpm.conf; }






