- 投稿日:
関数の仮引数にthis
が入っているタイプの奴。FastifyのsetErrorHandlerに渡す関数のテストをする時に詰まったので書いておく。滅多に遭遇しないケースだと思う。
確認環境
Env | Ver |
---|---|
jest | 29.7.0 |
typescript | 5.3.3 |
実装コード
export class HogeServer {
constructor() {
console.log();
}
}
interface HogeServerInstance {
setErrorHandler(
handler: (
this: HogeServer,
error: unknown,
callback: (code: number) => void
) => void
): HogeServer;
}
// 型定義にthisが入っていてテスト時に上手くいかない
// const handle: (this: HogeServer, error: unknown, callback: (code: number) => void) => void
type HandlerFunc = Parameters<HogeServerInstance['setErrorHandler']>[0];
export const handle: HandlerFunc = (err, cb) => {
if (err instanceof Error) {
cb(500);
} else {
cb(200);
}
};
export const fuga = (s: HogeServerInstance) => {
s.setErrorHandler(handle);
};
テストコード
import { HogeServer, handle } from '.';
describe('handle', () => {
it('errがErrorインスタンスの時', () => {
const thisMock = {} as unknown as HogeServer;
const err = new Error('error-hoge');
const cbFn = jest.fn();
// .call()を使うことでthis付きで呼び出せる
handle.call(thisMock, err, cbFn);
expect(cbFn).toHaveBeenCalledWith(500);
});
it('errがErrorインスタンスではない時', () => {
const thisMock = {} as unknown as HogeServer;
const err = 1234;
const cbFn = jest.fn();
handle.call(thisMock, err, cbFn);
expect(cbFn).toHaveBeenCalledWith(200);
});
});
- 投稿日:
今回は何故単体テスト書くのかというのを個人的な見地から書いていく。TypeScriptとJestで記述するが、他の言語でも応用は可能だと思う。
単体テストとは何か?
関数やクラスのメソッドを単体としてみた場合の振る舞いを確かめるものである。以下はその一例だ。
hoge.ts
export const joinString = (string1: string, string2: string) => {
return `${string1}${string2}`;
};
hoge.spec.ts
import { joinString } from '.';
describe('joinString', () => {
it('引数として渡した文字列が正しく結合されること', () => {
const actual = joinString('123', 'abcd');
expect(actual).toBe('123abcd');
});
it('第一引数が空文字の時に第二引数のみが出力されること(空文字が結合されること)', () => {
const actual = joinString('', 'edfg');
expect(actual).toBe('edfg');
});
it('第二引数が空文字の時に第一引数のみが出力されること(空文字が結合されること)', () => {
const actual = joinString('zxcvb', '');
expect(actual).toBe('zxcvb');
});
});
何のために単体テストを実装するか
- 実装されているコードが実装者の意図通りに動いていることを証明するため
- いわゆるテストコードが仕様書になるってやつです
- 実装コードの改修時に元々の意図と異なる状況(不具合など)が発生した場合に、それを検知するため
- 初回実装時であってもコードを直したときに予期せぬ不具合を防ぐため
- 動作確認した後にちょろっと直すことはよくあると思うが、そういう時に動作を担保するのに使える
- 他にも実装時にコードを思案しながら書いているときに、動作確認をする手間を省くのにも使える
何故単体テストなのか?
結合テストやe2eテストではなく、何故単体テストをするか、これは実務面では結構出てくる疑問だと思うので、以下で説明する。
まず単体テストは一般的に結合テストやe2eテストに比べ、実行速度が速く、コードを修正したときに素早く回し、デグレードしていないかの確認に使うときに有益である。これは単体テストは実際にサーバーを起動したり、ヘッドレスブラウザでUI操作を行うなどしないためだ。他にも同じ処理を何度も見るのでテストのオーバーヘッドが膨らみ、実行時間が落ちるといったこともある。単体テストであれば簡単なロジックの実行しかしないし、結合部分はすべてモックにするため高速に実行できる利点がある。
次に結合テストやe2eテストは共通処理を一個直すと、それを使っている処理のテストをすべて直す必要があり、保守性がよくない。単体テストは基本的に直した箇所のテストコードを直すだけなので保守性が高い。
最後に単体テストでは基本的に関数単体を見るためテストコードが肥大化しづらく、見通しが良いので何をテストしているのかが結合テストやe2eテストと比べて分かりやすい。またスコープが関数単体であるため、カバレッジが取りやすく、いわゆるC0, C1, C2と言われる、命令網羅、分岐網羅、条件網羅の三点を網羅しやすい。結合やe2eでは共通処理の全機能を使うとは限らないため、この網羅がしづらい。
単体テスト向きの設計は何か?
これについてはSOLID原則を使った設計が一番無難だと考える。画面であれば更にMVCモデルを使うのがよい。
SOLIDにする利点
- S:単一責任の原則で関数の責務を切り分けることで、関数の責務を小さくすることができる。責務が小さい関数はテストケースが少なく、テストコードを書きやすく保守しやすい
- O:閉鎖解放の原則により、関数を呼ぶ関数自体を不変にでき、テストの保守性を向上することができる
- L:特にテストには貢献しない
- I:特にテストには貢献しない
- D:依存逆転の法則により、関数内で呼び出す関数をモックやスパイといったテストオブジェクトに置換できるため、テスト容易性が向上する
MVCにする利点
基本的に画面の実装は密結合になりやすい。密結合になっているとテストが書きづらいのでModelとViewとControllerに分けてテストをしやすくするのが目的だ。きちんと分けた場合、Viewは文字列が出ているか、表示項目が出ているかみたいなテストだけでよく、Modelはビジネスロジックのテストをするだけでいいし、Controllerは互いの橋渡しができているかを見ればいい。このため、テストコードをシンプルにできるのが利点だ。
欠点は画面の項目数が多い場合、インターフェースがそれに応じて肥大化するため、画面に仕様変更が入ったときに保守性が悪くなることだ。ここは品質とのトレードオフで許容するしかないと思う。
単体テストで処理の結合部をどう見るか
一つの関数で完結している関数はそれでいいとして、他の関数を呼んでいる関数をどのように単体テストするかという部分。よくあるパターンとしては他の関数ごとテストしてしまうことだが、これでは結合観点になってしまう。
この部分については呼び出す関数をモックすることで単体観点で確認することが出来る。呼び出す先の関数が単体テストで網羅されていれば、その関数の振る舞いは正しいはずなので、呼び出す側としては呼び出す関数をモックして、関数が正常終了したケースと、異常終了したケースでカバレッジが取れるようにテストすればよい。これは例えば次のようなテストを書くことが出来る。
index.ts
import { isEmpty } from './lib/string-util';
export const validate = (hoge: string) => {
if (isEmpty(hoge)) {
throw new Error('空です。');
} else {
// 何もしない
}
};
index.spec.ts
import { validate } from '.';
import * as empty from './lib/string-util';
jest.mock('./lib/string-util');
describe('validate', () => {
it('hogeが空文字の場合、例外がスローされること', () => {
jest.spyOn(empty, 'isEmpty').mockReturnValueOnce(true);
expect(() => {
validate('aaaa');
}).toThrow(new Error('空です。'));
});
it('hogeが空文字でない場合、例外がスローされないこと', () => {
jest.spyOn(empty, 'isEmpty').mockReturnValueOnce(false);
expect(() => {
validate('aaaa');
}).not.toThrow(new Error('空です。'));
});
});
このテストではisEmpty()
の実際の振る舞いを一切見ていないため、validate()
の単体テストということが出来る。但しisEmpty()
のテストが漏れていると機能しないため、これをきちんと機能させる場合、呼び出し先の関数の単体テストも必須だ。
単体テストに出来ない事と、単体テストの意義
単体テストは単体を見るものなので、当たり前だが単体しか見ることが出来ない。結合観点やe2e観点はなく、単体テストが通っているからデグレやバグがないという通りはない。
基本的に単体テストは動作確認が人間がやり、カバレッジが網羅できており、テストしている内容も正しければ以後のテストを工数を削るためのものである。過去に行った動作確認でテストが通っていて、今も通っているのだから恐らく動作しているだろうということを見るためのもので、単体テストが通っているからデグレがないとか、そんなことの保証はない。
では単体テストを何のためにするかだが、複数の確認工程鵜を作ることでバグを作りこむことを防ぐ役割が一つだ。例えば単体テスト+結合テスト+e2eテスト+人による動作確認やテストと言ったように多層の防御があれば、不具合が起きる可能性を減らすことが出来る。もう一つはコードの仕様となることだ。実装を見て意図が読み取れないコードであってもテストコードがあればわかることもあるだろう。つまるところ実装品質を保つための防御機構の一つとみなすことが出来る。
単体テストを書くときにやったほうがいいこと
テストコードの動作確認をする
テストコードを書いても、そのテストコードが有効に動いているかどうかの観点が抜けていると有意なものとならないので、テストコードの動作確認は必要だ。偶にテストコードは動いているが、偶々テストがパスしてそれっぽく動いているだけみたいなこともある。TDDでやってもこれは起きえる。
期待値や結果値をいじって落ちるかどうかや、パラメーターなどの条件をいじって落ちるかは見たほうが良い。何をしてもパスする場合、そのテストコードは無意味である。
境界値テストを書く
文字列の入力パターンを見るテストや組み合わせテストではカバレッジを網羅していてもテストケースが漏れていることがある。例えば次のテストコードはカバレッジ100%だがtrueになる場合のテストが不足している。もしも関数の中身が必ずfalse
を返す実装になっている場合に、これを確かめることが出来ない。実装を知っているからこれでいいとみなすのではなく、基本的には実装を知らない体で書いた方が良い。とはいえ、限度はあるので現実的に起きうる条件でテストするのが無難だろう。この辺りはSIerで堅めの開発をしていると身に付きやすいのだが、個人の感性に左右される部分であり難しいところでもあると思う。
index.ts
export const isEmpty = (str: string) => {
return str === '';
};
index.spec.ts
import { isEmpty } from '.';
describe('isEmpty', () => {
it('空文字でない時にfalseが返る事', () => {
const actual = isEmpty('aa');
expect(actual).toBe(false);
});
});
変数を型で縛る
例えば以下の実装であれば引数は文字列型なので文字列以外が来ることは考えなくていい。
export const isEmpty = (str: string) => {
return str === '';
};
しかし以下の実装では何が来るかわからない。テストとしてはありとあらゆる値が来ることを想定して書かないとリファクタリングに耐えられないだろう。そんなテストは書きたくない。そもそも実装からどれほどテストを書けばいいのか予測し辛いのもある。
export const isEmpty = (str: any) => {
return str === '';
};
もしどうしても何が来るかわからない場合はunknown
にしておくとよいだろう。何故なら以下のコードはエラーになるからだ。
export const isEmpty = (str: unknown) => {
return str === '';
};
また全体的にきちんと型で縛っておくと、改修などで型が変わった時に実装コードやテストで型不整合が発生する機会が増え、型チェックでエラーが発生するため、未然に不具合を防ぎやすくなる筈だ。
- 投稿日:
親クラスをモックして子クラスの単体テストをしたいときに
確認環境
Env | Ver |
---|---|
@swc/cli | 0.1.65 |
@swc/core | 1.3.105 |
@swc/jest | 0.2.31 |
@types/jest | 29.5.11 |
jest | 29.7.0 |
typescript | 5.3.3 |
サンプルコード
コードのフルセットは以下
https://github.com/Lycolia/typescript-code-examples/tree/main/mocking-base-class-with-extension-class-swc-ts
ディレクトリ構成
src
├─BaseClass
│ └─index.ts
└─ChildrenClass
├─index.ts
└─index.spec.ts
src/BaseClass/index.ts
親クラス。この例は抽象クラスだが別に具象クラスでも何でもいいと思う
export abstract class BaseClass {
constructor(
private baseValue: string,
private ctx: { [key: string]: unknown }
) {}
public hoge<ResultT>(payload: { [key: string]: unknown }) {
// テスト走行時には全て無効な値を流し込むため
// それらの影響で落ちないことの確認のために、オブジェクトの子を意図的に書いている
console.log(this.baseValue, this.ctx.hoge, payload.piyo);
// サンプルコードなので戻り値はスタブ
return {} as ResultT;
}
}
src/ChildrenClass/index.ts
子クラス
import { BaseClass } from '../BaseClass';
export class ChildrenClass extends BaseClass {
constructor(baseValue: string, ctx: { [key: string]: unknown }) {
super(baseValue, ctx);
}
public piyo<ResultT>(payload: { [key: string]: unknown }) {
try {
// このsuper.hoge()をモックして、
// catchの中に流れるかどうかを確認するのが目的
return super.hoge<ResultT>(payload);
} catch (err) {
// 実際はロガーが動くような部分だが、サンプルコードのためconsole.logで代用する
console.log(err);
throw err;
}
}
}
src/ChildrenClass/index.spec.ts
子クラスのテスト
import { ChildrenClass } from '.';
import { BaseClass } from '../BaseClass';
describe('fetch', () => {
it('親のfetchが呼ばれ、親の戻り値が返ってくること', () => {
// 子が正しくreturnしてくるかどうかを確認するための値
const expected = { code: 200 };
// Class.prototypeとやるとモック出来る
const spiedSuperFetch = jest
.spyOn(BaseClass.prototype, 'hoge')
.mockReturnValue(expected);
// 親クラスの処理はモックするので適当な値を入れておく
// この内容が実行されていればテストが落ちるのでテストコードが間違っていることの検証に使える
const inst = new ChildrenClass('aaaa', {} as { [key: string]: unknown });
const actual = inst.piyo({ foo: 123 });
// 親クラスのメソッドが正しい引数で呼ばれたことの確認
expect(spiedSuperFetch).toHaveBeenCalledWith({ foo: 123 });
// 子クラスのメソッドの戻り値が正しいことの確認
expect(actual).toStrictEqual(expected);
});
it('親のfetchで例外が出たときに、ログ出力とリスローがされること', () => {
const expected = Error('ERR');
// 親クラスのメソッドが例外をスローするケースを作る
jest.spyOn(BaseClass.prototype, 'hoge').mockImplementation(() => {
throw expected;
});
// catch句の中でロガーが動いているかどうかの検査用
const spiedConsoleLog = jest.spyOn(console, 'log');
const inst = new ChildrenClass('aaaa', {} as { [key: string]: unknown });
// 例外がリスローされていることを確認
expect(() => {
inst.piyo({ foo: 123 });
}).toThrow(expected);
// ロガーが動いていることを確認
expect(spiedConsoleLog).toHaveBeenCalled();
});
});
- 投稿日:
以下のようなコードを書いたときにmockFnにイベント引数が渡らないが、これをどうにかして取る方法。結論から言うとまともに取れないが、試行錯誤した時のログとして残しておく
const mockFn = jest.fn();
render(<input onChange={mockFn} />);
fireEvent.change(inputElement, { target: { value: 'aaa' } });
確認環境
Env | Ver |
---|---|
@swc/core | 1.3.66 |
@swc/jest | 0.2.26 |
@testing-library/jest-dom | 5.16.5 |
@testing-library/react | 14.0.0 |
jest | 29.5.0 |
react | 18.2.0 |
サンプルコード
これは以下のように書くとfireEvent
の第二引数で指定したtarget.value
の部分だけは一応取れる。
理由としてはfireEvent
がelement.dispatchEvent
を読んでいると思われるためだ。余り深くは追っていないが、react-testing-libraryの実装上は多分そうなっていると思われる。
import { fireEvent, render } from '@testing-library/react';
it('test', () => {
const mockFn = jest.fn((ev) => {
console.log(ev);
});
const { container } = render(<input id="hoge" onChange={mockFn} value={'a'} />);
const element = container.querySelector('input');
if (element === null) throw new Error();
element.dispatchEvent = jest.fn();
fireEvent.change(element, {
target: {
value: 'bbb'
}
});
expect(element.dispatchEvent.mock.instances[0].value).toBe('bbb');
});
- 投稿日:
JestからNode.js組み込みのテストランナーに移行する時の方法や注意点をまとめたメモ
- 確認環境
- Node.jsの組み込みテストランナーとは
- Jest関数との対応リスト
describe(name, fn)
,it(name, fn, timeout?)
,test(name, fn, timeout?)
beforeAll(fn, timeout?)
,afterAll(fn, timeout?)
,beforeEach(fn, timeout?)
,afterEach(fn, timeout?)
.toBe(value)
,.not.toBe(value)
.toStrictEqual(value)
,.not.toStrictEqual(value)
.toHaveLength(number)
,.toBeNull()
,.toBeUndefined()
,.toBeNaN()
.toBeTruthy()
.toBeInstanceOf(Class)
.toThrow
,not.toThrow
expect.arrayContaining(array)
,expect.objectContaining(object)
,expect.stringContaining(string)
jest.spyOn(object, methodName, accessType?)
.toHaveBeenCalled()
,.toHaveBeenCalledTimes(number)
.toHaveBeenCalledWith(arg1, arg2, ...)
jest.fn(implementation?)
jest.useFakeTimers(fakeTimersConfig?)
,jest.runAllTimers()
jest.useRealTimers()
mockFn.mockClear()
mockFn.mockReset()
- モック機能についての備考
確認環境
Env | ver |
---|---|
Node.js | 20.8.0 |
Jest | 29.7 |
Node.jsの組み込みテストランナーとは
英語圏ではNode.js built-in test runnerとか呼ばれている存在で、Node.jsの組み込みテストランナーのこと。恐らくDenoのテストランナーに対抗して生まれた気配がする(Node.jsはDenoに機能追加があると真似する傾向があるため
Node.jsの組み込みテストランナーは機能が二分されており、テストランナーとアサートに分かれている
Jestみたいにエコシステムが発達しておらず、標準ではdescribe
などはimportする必要がある。TypeScriptをテストする場合は間にレジスター[^1]を嚙ます必要があるが、本項では扱わない
Jest関数との対応リスト
describe, it, beforeAll, afterAll, beforeEach, afterEach辺りは違和感がなかったが、それ以外は軒並み互換性がないので大きく書き換えが必要だと感じた。便利なMatcherは完膚なきまでに全滅している。お陰で覚えることが減ったのは逆に良くなったと感じる
なお、not始まりの機能は実際の動作を確認しておらず、Jestと同じ機能かどうかは確認していないことに留意すること
describe(name, fn)
, it(name, fn, timeout?)
, test(name, fn, timeout?)
Node.jsのTest機能では、以下となる
describe([name][, options][, fn])
it([name][, options][, fn])
test([name][, options][, fn])
基本的な差はないがJestにあったtimeout
引数はNode.jsではoptions
パラメーターで設定するようになっている模様。今回調べるまで存在自体を知らなかったのもあり、このtimeout
がJestと同じ機能かどうかは確認していない
import { describe, it } from 'node:test';
describe('hoge', () => {
it('hoge', () => {
// ここにテストコード
});
it.todo('piyo');
});
beforeAll(fn, timeout?)
, afterAll(fn, timeout?)
, beforeEach(fn, timeout?)
, afterEach(fn, timeout?)
Node.jsのTest機能では、以下となる
before([fn][, options])
after([fn][, options])
beforeEach([fn][, options])
afterEach([fn][, options])
基本的な差はないがJestにあったtimeout
引数はNode.jsではoptions
パラメーターで設定するようになっている模様。今回調べるまで存在自体を知らなかったのもあり、このtimeout
がJestと同じ機能かどうかは確認していない
+import { after, before, beforeEach, afterEach, describe } from 'node:test';
+
describe('test', () => {
- beforeAll(() => {
+ before(() => {
console.log('before');
});
beforeEach(() => {
console.log('beforeEach');
});
afterEach(() => {
console.log('afterEach');
});
- afterAll(() => {
+ after(() => {
console.log('after');
});
});
.toBe(value)
, .not.toBe(value)
Node.jsのTest機能では、以下となる
assert.strictEqual(actual, expected[, message])
assert.notStrictEqual(actual, expected[, message])
+import { describe, it } from 'node:test';
+import assert from 'node:assert';
+
describe('test', () => {
it('test', () => {
const actual = 123;
- expect(actual).toBe(123);
+ assert.deepStrictEqual(actual, 123);
});
});
.toStrictEqual(value)
, .not.toStrictEqual(value)
Node.jsのTest機能では、以下となる
assert.deepStrictEqual(actual, expected[, message])
assert.notDeepStrictEqual(actual, expected[, message])
+import { describe, it } from 'node:test';
+import assert from 'node:assert';
+
describe('test', () => {
it('test', () => {
const actual = {
hoge: {
piyo: {
id: 1,
value: 'one'
}
},
fuga: [[123, 456], 'ABC', 'EFG']
};
- expect(actual).toStrictEqual({
+ assert.deepStrictEqual(actual, {
hoge: {
piyo: {
id: 1,
value: 'one'
}
},
fuga: [[123, 456], 'ABC', 'EFG']
});
});
});
.toHaveLength(number)
, .toBeNull()
, .toBeUndefined()
, .toBeNaN()
Node.jsのTest機能では、assert.strictEqual()
となる
+import { describe, it, mock } from 'node:test';
+import assert from 'node:assert';
+
describe('test', () => {
it('test', () => {
const arr = [1, 2, 3];
const undef = undefined;
const nil = null;
const nan = NaN;
- expect(arr).toHaveLength(3);
- expect(undef).toBeUndefined();
- expect(nil).toBeNull();
- expect(nan).toBeNaN();
+ assert.strictEqual(arr.length, 3);
+ assert.strictEqual(undef, undefined);
+ assert.strictEqual(nil, null);
+ assert.strictEqual(nan, NaN);
});
});
.toBeTruthy()
Node.jsのTest機能では、以下となる
assert.ok(value[, message])
否定版は不明
+import { describe, it, mock } from 'node:test';
+import assert from 'node:assert';
+
describe('test', () => {
it('test', () => {
- expect(true).toBeTruthy();
- expect({}).toBeTruthy();
- expect([]).toBeTruthy();
- expect(42).toBeTruthy();
- expect('0').toBeTruthy();
- expect('false').toBeTruthy();
- expect(new Date()).toBeTruthy();
- expect(-42).toBeTruthy();
- expect(12n).toBeTruthy();
- expect(3.14).toBeTruthy();
- expect(Infinity).toBeTruthy();
- expect(-Infinity).toBeTruthy();
+ assert.ok(true);
+ assert.ok({});
+ assert.ok([]);
+ assert.ok(42);
+ assert.ok('0');
+ assert.ok('false');
+ assert.ok(new Date());
+ assert.ok(-42);
+ assert.ok(12n);
+ assert.ok(3.14);
+ assert.ok(Infinity);
+ assert.ok(-Infinity);
});
});
.toBeInstanceOf(Class)
Node.jsのTest機能では、assert.ok()
となる
結果がTruthyであればなんでもpassするので注意
+import { describe, it } from 'node:test';
+import assert from 'node:assert';
+
describe('test', () => {
it('test', () => {
const actual = new Error('hoge');
- expect(actual).toBeInstanceOf(Error);
+ assert.ok(actual instanceof Error);
});
});
.toThrow
, not.toThrow
Node.jsのTest機能では、以下となる
assert.throws(fn[, error][, message])
assert.doesNotThrow(fn[, error][, message])
Jestより便利になっており、Error型以外も扱えるので後述する
+import { describe, it, mock } from 'node:test';
+import assert from 'node:assert';
+
describe('test', () => {
it('test', () => {
const err = new Error('test');
- expect(() => {
+ assert.throws(() => {
throw err;
- }).toThrow(err);
+ }, err);
});
});
Node.jsではJestと異なりError型以外も扱える
Jestの`.toThrow()
はError型以外を扱うことができず、オブジェクトをThrowするようなコードではエラーになる
describe('test', () => {
it('test', () => {
const obj = { id: 1, value: 'hoge' };
// このテストは失敗する。またTypeScriptの型エラーにもなる
expect(() => {
throw obj;
}).toThrow(obj);
// このテストは失敗する。またTypeScriptの型エラーにもなる
expect(() => {
throw obj;
}).toThrow({ id: 1, value: 'hoge' });
});
});
しかしNode.jsであればこれはエラーにならない。例えば次のテストコードは成功する
import { describe, it, mock } from 'node:test';
import assert from 'node:assert';
describe('test', () => {
it('test', () => {
const obj = { id: 1, value: 'hoge' };
assert.throws(() => {
throw obj;
}, obj);
assert.throws(
() => {
throw obj;
},
{ id: 1, value: 'hoge' }
);
});
});
expect.arrayContaining(array)
, expect.objectContaining(object)
, expect.stringContaining(string)
恐らく非対称マッチャーはないので自分でロジックを書いてassert.strictEqual()
で判定するしかないと思われる。元々微妙な機能だったのでやむなし
jest.spyOn(object, methodName, accessType?)
Node.jsのTest機能では、node:test
からmock
をimportして以下を使う
mock.method(object, methodName[, implementation][, options])
+import { describe, it, mock } from 'node:test';
+
describe('test', () => {
it('test', () => {
- jest.spyOn(console, 'log');
+ mock.method(console, 'log');
});
});
本来の挙動を塞ぎたい場合
例えば以下のようにテストコードを書いた場合、execSync()
が実際の挙動で動作してしまい、テストとして機能しない。
import { describe, it, mock } from 'node:test';
import assert from 'node:assert';
import child_process, { execSync } from 'node:child_process';
const mockedExecSync = mock.method(child_process, 'execSync');
describe('execSync', () => {
it('execSyncが正しい引数で呼ばれること', () => {
execSync('false');
assert.strictEqual(mockedExecSync.mock.calls[0].arguments[0], 'false');
});
});
このような場合、以下のようにmock.method()
の第三引数を指定してやると封じることができる。単体テストの観点では基本的に第三引数には空関数を入れておくのが望ましいだろう。
import { describe, it, mock } from 'node:test';
import assert from 'node:assert';
import child_process, { execSync } from 'node:child_process';
- const mockedExecSync = mock.method(child_process, 'execSync');
+ const mockedExecSync = mock.method(child_process, 'execSync', () => {});
describe('execSync', () => {
it('execSyncが正しい引数で呼ばれること', () => {
execSync('false');
assert.strictEqual(mockedExecSync.mock.calls[0].arguments[0], 'false');
});
});
モックパターン
module.exports
されている関数のモック
import foo from 'foo';
形式でmock.method()
の第一引数を埋める
import { describe, it, mock } from 'node:test';
import assert from 'node:assert';
import child_process, { execSync } from 'node:child_process';
const mockedExecSync = mock.method(child_process, 'execSync', () => {});
describe('execSync', () => {
it('execSyncが正しい引数で呼ばれること', () => {
execSync('false');
assert.strictEqual(mockedExecSync.mock.calls[0].arguments[0], 'false');
});
});
上記が正常に動作することはNode.js v20.0.0時点のコードで確認している
Global objectから生えている関数のモック
以下のようにmock.method()
の第一引数にGlobal objectを設定すればよい
import { describe, it, mock } from 'node:test';
import assert from 'node:assert';
describe('exit', () => {
// exitが実際に走って落ちるのでmock.methodの第三引数を指定している
const mockedExit = mock.method(process, 'exit', () => {});
it('call exit', () => {
process.exit(1);
assert.strictEqual(mockedExit.mock.calls.length, 1);
});
});
Named exportされている関数のモックは今のところ無理そう
ファイルモックをする手段がないので正攻法では無理そう
https://github.com/nodejs/help/issues/4298
一応力技でやる方法はググれば出てくるが…
ObjectやNamespaceでラップされている関数のモック
実装例(Object)
export const Hoge = {
validateFoo() {
// 例外を飛ばす可能性のある何かの処理
},
hoge() {
Hoge.validateFoo();
return 1;
},
};
実装例(Namespace)
export namespace Hoge {
export const validateFoo = () => {
// 例外を飛ばす可能性のある何かの処理
};
export const hoge = () => {
validateFoo();
return 1;
};
}
実装例に対するテストコード
ObjectもNamespaceも同じ書き方でテスト可能
import { describe, it } from 'node:test';
import assert from 'node:assert';
import { Hoge } from './hoge';
describe('hoge', () => {
it('validateFooが例外をスローした場合、例外がスローされること', (t) => {
t.mock.method(Hoge, 'validateFoo', () => {
throw new Error('foo');
});
assert.throws(() => {
Hoge.hoge();
}, Error('foo'));
});
it('全ての関数が正常終了した場合、戻り値を返すこと', () => {
const actual = Hoge.hoge();
assert.strictEqual(actual, 1);
});
});
.toHaveBeenCalled()
, .toHaveBeenCalledTimes(number)
Node.jsのTest機能では、assert.strictEqual()
でモックから生えてるやつを調べる。returnも同様の手法で実現できる
+import { describe, it, mock } from 'node:test';
+import assert from 'node:assert';
+
describe('test', () => {
it('test', () => {
- const spiedConsoleLog = jest.spyOn(console, 'log');
+ const mockedConsoleLog = mock.method(console, 'log');
console.log();
- expect(spiedConsoleLog).toHaveBeenCalled();
- expect(spiedConsoleLog).toHaveBeenCalledTimes(1);
+ assert.deepStrictEqual(mockedConsoleLog.mock.calls.length, 1);
});
});
.toHaveBeenCalledWith(arg1, arg2, ...)
Node.jsのTest機能では、assert.strictEqual()
でモックから生えてるやつを調べる。returnも同様の手法で実現できる。
Jestでは.toEqual()
処理されるがNode.jsの組み込みテストランナーの場合、厳密比較ができるので便利
+import { describe, it, mock } from 'node:test';
+import assert from 'node:assert';
+
describe('test', () => {
it('test', () => {
- const spiedConsoleLog = jest.spyOn(console, 'log');
+ const mockedInfo = mock.method(console, 'log');
console.log('test');
- expect(spiedConsoleLog).toHaveBeenCalledWith('test');
+ assert.deepStrictEqual(mockedInfo.mock.calls[0].arguments[0], 'test');
});
});
jest.fn(implementation?)
Node.jsのTest機能では、以下となる
mock.fn([original[, implementation]][, options])
+import { describe, it, mock } from 'node:test';
+import assert from 'node:assert';
+
+// 動作確認用の関数
const testTarget = (cbParam: string, callbackFn: (param: string) => number) => {
return callbackFn(cbParam);
};
describe('test', () => {
it('test', () => {
- const mockFn = jest.fn((_: string) => {
+ const mockFn = mock.fn((_: string) => {
return 5;
});
const actual = testTarget('hoge', mockFn);
- expect(mockFn).toBeCalledWith('hoge');
- expect(mockFn).toReturnWith(5);
- expect(actual).toBe(5);
+ assert.deepStrictEqual(mockFn.mock.calls[0].arguments[0], 'hoge');
+ assert.deepStrictEqual(mockFn.mock.calls[0].result, 5);
+ assert.deepStrictEqual(actual, 5);
});
});
jest.useFakeTimers(fakeTimersConfig?)
, jest.runAllTimers()
Node.jsのTest機能では、以下となる
mock.timers.enable([timers])
mock.timers.runAll()
+import { describe, it, mock } from 'node:test';
+import assert from 'node:assert';
+
+describe('test', () => {
- jest.useFakeTimers();
+ mock.timers.enable();
+ it('test', () => {
- const mockFn = jest.fn();
+ const mockFn = mock.fn();
setTimeout(() => {
mockFn();
}, 9999);
- expect(mockFn).not.toHaveBeenCalled();
- jest.runAllTimers();
- expect(mockFn).toHaveBeenCalledTimes(1);
+ assert.deepStrictEqual(mockFn.mock.calls.length, 0);
+ mock.timers.runAll();
+ assert.deepStrictEqual(mockFn.mock.calls.length, 1);
});
});
jest.useRealTimers()
Node.jsのTest機能では、以下となる
mock.timers.reset()
+import { mock } from 'node:test';
-jest.useRealTimers();
+mock.timers.reset();
mockFn.mockClear()
Node.jsのTest機能では、以下となる
ctx.resetCalls()
+import { describe, it, mock } from 'node:test';
+import assert from 'node:assert';
+
describe('test', () => {
it('test', () => {
- const mockFn = jest.fn((param: string) => `<${param}>`);
+ const mockFn = mock.fn((param: string) => `<${param}>`);
mockFn('hoge');
- expect(mockFn).toHaveBeenCalledTimes(1);
- expect(mockFn).toReturnWith('<hoge>');
+ assert.deepStrictEqual(mockFn.mock.calls.length, 1);
+ assert.deepStrictEqual(mockFn.mock.calls[0].result, '<hoge>');
- mockFn.mockClear();
+ mockFn.mock.resetCalls();
- expect(mockFn).toHaveBeenCalledTimes(0);
+ assert.deepStrictEqual(mockFn.mock.calls.length, 0);
mockFn('piyo');
- expect(mockFn).toHaveBeenCalledTimes(1);
- expect(mockFn).toReturnWith('<piyo>');
+ assert.deepStrictEqual(mockFn.mock.calls.length, 1);
+ assert.deepStrictEqual(mockFn.mock.calls[0].result, '<piyo>');
});
});
mockFn.mockReset()
Node.jsのTest機能では、以下となる
mockFn.mock.restore()
振る舞いが微妙に違うため後述する
+import { describe, it, mock } from 'node:test';
+import assert from 'node:assert';
+
describe('test', () => {
it('test', () => {
- const spiedConsoleLog = jest
- .spyOn(console, 'log')
- .mockImplementation((param: any) => {
- return `<${param}>`;
- });
+ const mockedConsoleLog = mock.method(console, 'log', (param: any) => {
+ return `<${param}>`;
+ });
console.log('hoge');
- expect(spiedConsoleLog).toHaveBeenCalledTimes(1);
- expect(spiedConsoleLog).toReturnWith('<hoge>');
+ assert.deepStrictEqual(mockedConsoleLog.mock.calls.length, 1);
+ assert.deepStrictEqual(mockedConsoleLog.mock.calls[0].result, '<hoge>');
- spiedConsoleLog.mockReset();
+ mockedConsoleLog.mock.restore();
});
});
JestとNode.jsでの振る舞いの差異
但しJestとNode.jsのTest機能では微妙に差異がある
例えばJestでは以下の実装が正しくPASSするが
describe('test', () => {
it('test', () => {
const mockFn = jest
.spyOn(console, 'log')
.mockImplementation((param: any) => {
return `<${param}>`;
});
console.log('hoge');
expect(mockFn).toHaveBeenCalledTimes(1);
expect(mockFn).toReturnWith('<hoge>');
mockFn.mockReset();
expect(mockFn).toHaveBeenCalledTimes(0);
console.log('piyo');
expect(mockFn).toHaveBeenCalledTimes(1);
expect(mockFn).not.toHaveBeenCalledWith();
expect(mockFn).toReturnWith(undefined);
});
});
Node.jsで以下の実装を書いても同じように機能しない
import { describe, it, mock } from 'node:test';
import assert from 'node:assert';
describe('test', () => {
it('test', () => {
const mockFn = mock.method(console, 'log', (param: any) => {
return `<${param}>`;
});
console.log('hoge');
assert.deepStrictEqual(mockFn.mock.calls.length, 1);
assert.deepStrictEqual(mockFn.mock.calls[0].result, '<hoge>');
mockFn.mock.resetCalls();
mockFn.mock.restore();
assert.deepStrictEqual(mockFn.mock.calls.length, 0);
console.log('piyo');
// 以降のテストはいずれも落ちる
assert.deepStrictEqual(mockFn.mock.calls.length, 1);
assert.deepStrictEqual(mockFn.mock.calls[0].result, '<piyo>');
});
});
但しモック実装を削除したうえで再度呼び出すという行為には意味がないので、特に問題にはならないと思われる
モック機能についての備考
it([name][, options][, fn])
の第三引数のコールバックの第一引数にはTestContext
が入っており、これを使ってモックすることもできる
これを使う場合、スコープアウトでモックが復元されるため、例えば以下のような関数をテストするときに便利である。
実装
export namespace Hoge {
export const validateFoo = () => {
// 例外を飛ばす可能性のある何かの処理
};
export const validateBar = () => {
// 例外を飛ばす可能性のある何かの処理
};
export const validateBaz = () => {
// 例外を飛ばす可能性のある何かの処理
};
export const hoge = () => {
validateFoo();
validateBar();
validateBaz();
return 1;
};
}
テストコード
import { describe, it } from 'node:test';
import assert from 'node:assert';
import { Hoge } from './hoge';
describe('hoge', () => {
it('validateFooが例外をスローした場合、例外がスローされること', (t) => {
t.mock.method(Hoge, 'validateFoo', () => {
throw new Error('foo');
});
assert.throws(() => {
Hoge.hoge();
}, Error('foo'));
});
it('validateBarが例外をスローした場合、例外がスローされること', (t) => {
t.mock.method(Hoge, 'validateBar', () => {
throw new Error('bar');
});
assert.throws(() => {
Hoge.hoge();
}, Error('bar'));
});
it('validateBazが例外をスローした場合、例外がスローされること', (t) => {
t.mock.method(Hoge, 'validateBaz', () => {
throw new Error('baz');
});
assert.throws(() => {
Hoge.hoge();
}, Error('baz'));
});
it('全ての関数が正常終了した場合、戻り値を返すこと', () => {
const actual = Hoge.hoge();
assert.strictEqual(actual, 1);
});
});